サイアミディン

自分の考えを軌道修正し続ける

私が糖質制限を始めたきっかけは夏井先生で、

安心をして糖質制限を続けられるよう基礎理論を教わったのは江部先生です。

しかし最初は1日3食+間食であった食習慣が、

時を経て1日1食+時々断食となった今のスタイルは、誰かから教わったわけではありません。

気がつけば導かれるように自然とそうなっていきました。

「守破離」という言葉がありますが、きっかけは誰かから教わったことであっても、

そこから脱却して自分で会得していったものには、それなりの強みがあると私は思っています。

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必要物質は自分で作れてこそ

前回の「薬は材料を補充しない」という記事では、

材料を補充せずに乏しい生体内資源で無理矢理に神経伝達物質を作り出すような治療戦略には、

病気がよくなる道理はないという事を書かせて頂きました。

この話を糖尿病に当てはめてみるとどうでしょうか。

糖尿病の治療で鍵となる物質はなんといっても「インスリン」です。

インスリンは、21アミノ酸残基のA鎖と、30アミノ酸残基のB鎖が2つのジスルフィド結合で繋がった構造を持ち、やはり合成には蛋白質の存在が不可欠です。

ところがインスリンは、アセチルコリンやセロトニンと違って、現代医学の発展により材料がなくともインスリンそのものを注射で投与することが可能です。

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薬は材料を補充しない

主にアルツハイマー型認知症に用いられるコリンエステラーゼ阻害剤という薬があります。

アルツハイマー病においては脳の神経の変性が起こり、アセチルコリンという神経伝達物質が出せなくなり、枯渇する事によって記憶を中心とした認知症の症状が出ると考えられています。

コリンエステラーゼ阻害剤を「アセチルコリンの補充」という意図で用いる医師も要るようですが、

コリンエステラーゼ阻害剤はアセチルコリンを分解するコリンエステラーゼという酵素の働きをブロックする事によって、

本来ならば分解されていたはずのアセチルコリンを分解させない事によって、アセチルコリンの総量を増やしています。

確かに見かけ上、アセチルコリンの総量は増えていますが、これは言ってみれば少ないアセチルコリンを無理矢理絞り出しているような状況です。

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匂いがもたらす強い力

近所のリーズナブルなしゃぶしゃぶ食べ放題のお店は重宝しています。

ランチなら約1000円、ディナーでも1500円くらいで食べ放題というお手頃価格なので、

1日1食でこちらを利用すればストレスフリーでお財布にも優しく、しかも質の高い糖質制限を行う事が可能です。

まるで「糖質制限をして下さい」と言わんばかりの家からの近さにかまけて、早くもこのお店の良いお客さんになりつつある私です。

さて、とある日いつものように満足行くまでしゃぶしゃぶを食べた後、

今日はもうお腹いっぱいだと思いながらも、ドリンクなどを買うためにスーパーマーケットに立ち寄ったところ、

お惣菜コーナーでの香ばしい何かしらの料理のにおいが私の元に舞い込んできました。

そうするとあれだけお腹いっぱいであったにも関わらず、少し食欲が誘導されている自分を正直感じてしまいました。

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プラスの発想からの脱却

私は糖質制限に始まり、ケトン食断食へと理解を深めていく過程で、

マイナスの発想を強く意識するようになって行きました。

病気を治すのに何かを加えるのではなく、何かを減らすという考え方です。

減らすといっても減らし過ぎはよくないという意見もあると思いますが、

オートファジーという蛋白質再利用の為の、酵母からヒトまで広範囲に保存された安定システムがあることや、

糖質制限をして最初の頃はスムーズに痩せていくけれど、その後は同じ食事をしていても体重が横ばいになっていくという観測事実などを踏まえると、

本来の食性さえ守っていれば結構なところまで減らしても大丈夫なのではないかと思うようになってきました。

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筋肉を増やすBCAA

運動で筋肉量を増加させようという際に、

一般的にプロテインをサプリメントなどで摂る事が勧められています。

中でも効率的に筋肉量増加に寄与すると言われているのが「BCAA(分枝鎖アミノ酸;branched-chain amino acids)」です。

今回はこのBCAAについて考えてみたいと思います。

なぜBCAAの摂取が筋肉量増加に寄与するのかについて、

まとめて書いてある医学雑誌がありましたので、まずはそれを引用するところから始めたいと思います。

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操作的な情報に騙されない

薬効がない薬を飲んでも患者さんが効くと思いこんで実際に症状改善をもたらすことを「プラセボ効果」と呼びます。

その反対に、そのような副作用をきたしえないにも関わらず患者さんが薬のせいだと思いこんで実際に有害事象をもたらすことを「ノセボ(ノーシーボ)効果」と言います。

心と身体はつながっており、治るはずの治療を行っていたとしても心の問題が置き去りにされてしまえば決して治りません。

ここでもストレスマネジメントの重要性を垣間見ることができると思います。

先日も80代女性で糖尿病とともに若干神経質な傾向がある方で、

前医から受けた「あなたにはアマリール®以外の薬は合わない」という指導内容を盲信しており、

低血糖リスク軽減のためにアマリール®からトラゼンタ®というDPP4阻害剤へ薬剤変更した際に、著明な動悸を訴えられる患者さんがおられました。

DPP4阻害剤の作用機序から動悸発作をきたす事はちょっと考えにくいので、ノセボ効果とはこういう事なのではないかと思います。

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「脂肪がよくない」を疑う

太っている人にしてみれば、

自分のお腹の周りには脂肪がたっぷりとついている状況があります。

その状況下で、専門家に「肥満の原因は脂肪分のとりすぎです」などと言われれば、

感覚的にはその通りで、そう言われたらぐうの音も出ないと一般的な肥満の人は思っているのではないかと思います。

しかしここでも事実を見て、解釈を疑うという姿勢が重要です。

肥満人のお腹の周りについているのは間違いなく脂肪です。それは紛れもない事実です。

けれどだからといって脂肪の取りすぎはよくないと結論づけるのははたして正しい解釈でしょうか。

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必ずしも細部を掘り下げない

今日は半夏厚朴湯という漢方薬がストレスマネジメント能を発揮する理由について私なりに推論を巡らせてみたいと思います。

半夏厚朴湯というのはその名の通り、「半夏」と「厚朴」という生薬が含まれている漢方薬ですが、

その二つ以外にも「茯苓(ぶくりょう)」「蘇葉(そよう)」「生姜(しょうきょう)」という生薬の全部で5つの生薬が含まれている処方です。

歴史的には西暦200年頃の中国は後漢の時代に著されたと言われる「金匱要略」という古典医学書に記載があり、

「咽中炙臠(いんちゅうしゃれん:あぶった肉が喉にひっかかったような感覚)」とか、「梅核気(ばいかくき:梅の種がのどにつまったような症状)」と呼ばれる症状を目安に使う事を勧められていた漢方薬です。

咽頭がんなどの器質的な異常がないのに、喉に違和感がずっと残り、吐こうとしても飲み込もうとしても違和感がなくならず、医者からは異常なしと説明を受けるのみなので患者さんにすれば大変嫌な症状です。

一方で、なぜかそういう患者さんは交感神経過緊張状態を示している事が多いことが経験的に知られています。

おそらく咽中炙臠や梅核気と呼ばれる症状は、何らかの原因でストレス反応が発動しても、下流の応答系統がきちんと機能しきらない状態を示す表現型の一つなのではないかと私は考えています。

要するにストレス反応を自分の中で処理しきれずに歪みを生じてしまっている状態です。半夏厚朴湯はそういう状態の人に使うと非常によく効くことを稀ならず経験します。

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糖質制限関係なしでも治す漢方

先日、何気なく漢方の雑誌を読んでいたら、

興味深い症例報告が掲載されていましたので少し紹介したいと思います。

「半夏厚朴湯が著効した周期性嘔吐症候群の一例」
越田全彦(洛和会音羽病院総合内科)
山崎武俊(洛和会音羽病院漢方内科)
日東医誌 Kampo Med Vol.68 No.2 134-139, 2017


半夏厚朴湯という漢方薬が、周期性嘔吐症候群(cyclic vomiting syndrome;CVS)という原因不明のストレスなどを契機に何度も嘔吐を繰り返すという病態に著効したという症例です。

周期性嘔吐症候群はまたの名を「アセトン血性嘔吐症」とも言い、以前当ブログでも考察したことがあります

当時の私の考察を簡潔にまとめれば、「糖質代謝に適応しきれていないやせ形で筋肉量の少ない小児が、ストレスや糖質摂取を契機とした血糖変動に対応しきれずに嘔吐などの消化器症状をきたすという病態」と言えます。

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プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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