サイアミディン

主体性と自主性の違い

「主体性」と似た言葉に「自主性」があります。

学校教育などでは「主体性」というよりも「自主性」を重んじる風潮があるように思いますが、

「主体性」と「自主性」の違いとは、はたして何でしょうか。

この疑問の答えから、「主体的医療」への理解をさらに深めることができます。

本日は、この切り口から主体的医療について考えてみたいと思います。

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患者が主体的でなくともよい時

大井先生の資料には次のようなことも書かれていました。

(以下、引用)

【医師が患者に説明をしなくても許される場合】

①救命処置など、緊急事態の場合
②医療行為のリスクが小さく、且つその行為が普遍的に周知されている場合
③患者がリスクのあることを理解した上で、リスクについて知ることを希望せず、説明しないでほしいと依頼した場合
④リスク情報により、患者が合理的な判断ができなくなるほど混乱することが予想される客観的証拠のある場合

(引用、ここまで)

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患者が主体的になりにくい理由

引き続き「主体的医療」で検索した情報を見ていますと、

どこからの出典なのかが調べきれませんでしたが、2009年時点での日本病院会の副会長で、上都賀総合病院名誉院長の大井利夫先生が、

『「患者の権利」に関する体系について(医療機関・医療従事者の立場から)』と題して発表された時の資料を見つけることができました。

この中に「主体的医療」を考える上で大事なポイントがいくつか書かれていましたので、

本日はそれを紹介しつつ、さらに「主体的医療」への考察を深めていきたいと思います。

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主体的治療者への教育

引き続き「主体的医療」を検索ワードにして調べてみると、

青森県立保健大学、健康科学部のホームページに突き当たりました。

こちらは主体的学習者を育成するための組織的なシステム作りに取り組んでいるとのことで、

そのシステムの概要が紹介されているページでした。

確かに主体性を高く持つかどうか、教育によってある程度影響を与えることはできるかもしれません。

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主体性は患者満足度を高める

「主体的医療」という言葉は何も私が初めて作った言葉ではなくて、

「主体的医療」というワードで検索してみると、過去にも様々な人が同様のことについて考えた跡がある事がわかります。

例えば、2004年1月に株式会社NTTデータ システム科学研究所は、「患者の主体性と医療への満足度に関する調査」というタイトルで、

3大都市圏(東京圏・大阪圏・名古屋圏)の市域及び人口30万人以上の都市に住む20歳以上70歳未満の男女で、2001年1月1日以降に入院または6ヶ月以上の通院を経験したという方にアンケート調査を行っていて、有効回答数1,270の調査結果を公開しています。

その結果を見ますと、例えば、比較的重い病の治療法を決める際に自分が希望する行動を選択肢形式で選んでもらう設問で、

・「専門家である医師の決めた治療方法について十分な説明を聞き、納得した上で治療を受けたい」とする「説明・納得タイプ」の人が54.9%
・「治療について、十分に説明を聞き、複数の選択肢を提示してもらった上で、自分自身が治療方法を選択したい」とする「自己決定タイプ」の人は40.7%

という結果が明らかにされています。

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主体的医療にそぐわない患者

最近私が目指している「主体的医療」の事について考え続けていますが、

普段診療をしていて、ものすごく引っ込み思案で自分の意志を表示してこない患者さんを診ることもあります。

そういう人は糖質制限のことを伝えても実践しないだけでなく、

症状や普段の生活のことを尋ねても口数少なく返答されるばかりで、何も情報が引き出せません。

結果的にいつもの薬を処方するだけで診療が終わるということが繰り返され、

悪いままのデータを見るにつけため息が漏れてしまいます。

ある意味こういう人が「主体的医療」から最も離れている患者さんなのではないかと考えさせられます。

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自分では気づかない問題点を指摘する

患者が健康管理を主体的に行い、その過程で生じる不調や不安を医療者がサポートする関係性が出来上がったとして、

そのサポートする医療関係者は患者さんにどのようなサービスを提供するべきでしょうか。

最も自分の健康問題について考えやすい立場にいる患者さん自身が主体的に考えて下した判断は基本的には最も尊重されるべきだと思います。

ただ問題はその主観的な判断が客観的に見てバランスを欠いている時です。

例えば、先日の「降圧剤を飲むべき」と主体的に判断しているようなケースで考えてみます。

アンバランスな情報から下された主体的判断に対して、バランスを整えるように情報提供し具体的な提案を提示するのが主体的医療に関わる医療者がなすべきことではないかと思います。

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突き詰めた主体性

ある方から私が推奨する「主体的治療」に関して、

「血圧が高いので血圧を下げたいと思って薬をもらいに来る人も主体的なのではないか」という御指摘を受けました。

言われてみればこの行動は確かに主体的です。しかし勿論こうした医療の在り方は私が望ましいと思っている内容ではありません。

またこうも言われました。「主体的に行動したいと思っても、医療関係者と違って一般人が情報を集めるにはネットで調べると言っても限界があり、ある程度委ねるより他にないのではないか」と。

例えるなら、家を購入したいと考えます。人生最大の買い物だから慎重になって様々な情報を得ようとします。

それでも住宅関連業者との情報量の差は歴然としているので、様々な業者を比較して最終的には納得できる説明をした業者へ判断を委ねるしかないのではないか、医療もそれと同じではないかという御指摘です。

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無償で情報を与える医師の価値

夏井睦先生がいつも湿潤治療の御講演の最後におっしゃる言葉で、

医学の情報には著作権はない」という言葉が私は好きです。

「だからスライドのデータも希望者は自分に断りなく使ってもらって構わない」というのが夏井先生のスタンスです。

私もそうした夏井先生のスタンスに賛同しており、自分の考えは惜しみなくシェアするよう心掛けています。

ところが世の中には、情報の囲い込みをするタイプの人が結構いるように思います。

例えば、何らかの価値ある医療情報があるといった場合に、

真似をされては困るというので、ある特定の集団の中でのみ情報をシェアしていたり、

情報を提供するにしても有料セミナーでお金を払った人にだけ提供したり、といったパターンです。

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このままでは理想に程遠い

私は糖質制限をベースに医療の在り方を、

今までのお医者様お任せの「受動的医療」から、

患者自らが自分の頭で考えて行動し、医療者がそれをサポートする「主体的医療」へと変革していくことを望んでいますが、

現時点での医療機関の体制では、その実践は極めて困難だと考えざるを得ません。

例えばある時私の病院に、「受動的医療」のスタイルにどっぷりつかった患者さんが来て、

血圧を下げたいので何とかしてほしいという要望で私の所へやってきたとします。

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プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院にいます。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

南鹿児島さくら病院では職員を随時募集中です。
詳しくはホームページhttp://www.nissyoukai.or.jp/
を御覧になって下さい。
見学申し込みもお気軽にどうぞ。

※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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