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サイアミディン

主体的医療を提供するための環境

おそらく多くの患者さんの中には、

「先生(医師)の貴重な時間を長々と奪ってはいけない」などと、

医師に相談したいことがあったとしても、よほど重症でない限りは遠慮して引き下げてしまう心の動きがあるのではないでしょうか。

それもそのはず、多くの病院で行われているのは3分や5分といった短時間診療が主流となっています。

診療時間は何分まで、という決め事はありませんが、周りの患者さんが3分や5分で診察が終わっていく中、

あまり緊急性のない要件で20分、30分も時間をとるというのは申し訳ないと考えてしまうのは無理もないと思います。

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抗がん剤はがんを不可逆化する

がん悪液質(カヘキシア)と呼ばれる状態があります。

悪液質とは、末期がんの方に見られる状態で、多くは食欲不振・体重減少・全身衰弱・倦怠感などを呈する状態のことをいいます。

私が提唱する過剰適応/消耗疲弊の概念でいえば、消耗疲弊の範疇に入る病態となりますが、

以前も述べたように過剰適応病態と消耗疲弊病態には連続性があります

身体の正常機能を使い過ぎてセルフコントロールできないくらいにオーバーヒートしてしまった過剰適応病態はまだ可逆的ですが、

その状態が解決できずにいると次第に不可逆的な消耗疲弊病態へと移行していくという流れがあります。

悪液質とは基本的には過剰適応病態にあるがんが不可逆的なステージへと進行しつつある状況を指していると私は考えます。

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減薬に寄与するのは主体的医療

ポリファーマシーと呼ばれる多剤内服問題があります。

特に高齢者医療や精神医療の現場でこの問題は顕著で、

多剤が複雑に絡み合い多様な副作用を呈することは勿論、飲み切れない残薬があまりにも多数となりその無駄が医療費負担を圧迫している事も社会問題化しています。

患者の立場からすれば、「そもそもそんな事にならないよう医者がきちんと薬の処方をコントロールしてくれ」と思う人達もいらっしゃるかもしれませんが、

逆に医者の立場になって考えてもらうとこの問題の難しさがわかってもらえるのではないかと思います。

今もしあなたが症状に合わせた様々な薬を処方できる権限を持つ医者の立場にあると仮定してみて下さい。

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患者感覚と医者常識とのギャップを埋める

主体的医療の本質は患者と医者との間の対等なコミュニケーションにある可能性が見えてきました。

しかしながら、患者が求めていることと医者が正しいと思っていることにしばしば食い違いが生じることがコミュニケーションの妨げとなっている側面があります。

先日のてんかん講演会でも、同じ安心・安全の医療でも医師にとってと患者にとってのそれが全く違うということが紹介されていました。

医者にとって安心・安全の医療は、科学的に理屈が説明できて標準的なガイドラインに載っている治療法を提供することかもしれませんが、

患者にとっては副作用があるのかどうかとか、担当医が信頼できるかということの方が安心・安全のための関心事ではないかと思います。

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主体性と自主性の違い

「主体性」と似た言葉に「自主性」があります。

学校教育などでは「主体性」というよりも「自主性」を重んじる風潮があるように思いますが、

「主体性」と「自主性」の違いとは、はたして何でしょうか。

この疑問の答えから、「主体的医療」への理解をさらに深めることができます。

本日は、この切り口から主体的医療について考えてみたいと思います。

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患者が主体的でなくともよい時

大井先生の資料には次のようなことも書かれていました。

(以下、引用)

【医師が患者に説明をしなくても許される場合】

①救命処置など、緊急事態の場合
②医療行為のリスクが小さく、且つその行為が普遍的に周知されている場合
③患者がリスクのあることを理解した上で、リスクについて知ることを希望せず、説明しないでほしいと依頼した場合
④リスク情報により、患者が合理的な判断ができなくなるほど混乱することが予想される客観的証拠のある場合

(引用、ここまで)

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患者が主体的になりにくい理由

引き続き「主体的医療」で検索した情報を見ていますと、

どこからの出典なのかが調べきれませんでしたが、2009年時点での日本病院会の副会長で、上都賀総合病院名誉院長の大井利夫先生が、

『「患者の権利」に関する体系について(医療機関・医療従事者の立場から)』と題して発表された時の資料を見つけることができました。

この中に「主体的医療」を考える上で大事なポイントがいくつか書かれていましたので、

本日はそれを紹介しつつ、さらに「主体的医療」への考察を深めていきたいと思います。

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主体的治療者への教育

引き続き「主体的医療」を検索ワードにして調べてみると、

青森県立保健大学、健康科学部のホームページに突き当たりました。

こちらは主体的学習者を育成するための組織的なシステム作りに取り組んでいるとのことで、

そのシステムの概要が紹介されているページでした。

確かに主体性を高く持つかどうか、教育によってある程度影響を与えることはできるかもしれません。

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主体性は患者満足度を高める

「主体的医療」という言葉は何も私が初めて作った言葉ではなくて、

「主体的医療」というワードで検索してみると、過去にも様々な人が同様のことについて考えた跡がある事がわかります。

例えば、2004年1月に株式会社NTTデータ システム科学研究所は、「患者の主体性と医療への満足度に関する調査」というタイトルで、

3大都市圏(東京圏・大阪圏・名古屋圏)の市域及び人口30万人以上の都市に住む20歳以上70歳未満の男女で、2001年1月1日以降に入院または6ヶ月以上の通院を経験したという方にアンケート調査を行っていて、有効回答数1,270の調査結果を公開しています。

その結果を見ますと、例えば、比較的重い病の治療法を決める際に自分が希望する行動を選択肢形式で選んでもらう設問で、

・「専門家である医師の決めた治療方法について十分な説明を聞き、納得した上で治療を受けたい」とする「説明・納得タイプ」の人が54.9%
・「治療について、十分に説明を聞き、複数の選択肢を提示してもらった上で、自分自身が治療方法を選択したい」とする「自己決定タイプ」の人は40.7%

という結果が明らかにされています。

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主体的医療にそぐわない患者

最近私が目指している「主体的医療」の事について考え続けていますが、

普段診療をしていて、ものすごく引っ込み思案で自分の意志を表示してこない患者さんを診ることもあります。

そういう人は糖質制限のことを伝えても実践しないだけでなく、

症状や普段の生活のことを尋ねても口数少なく返答されるばかりで、何も情報が引き出せません。

結果的にいつもの薬を処方するだけで診療が終わるということが繰り返され、

悪いままのデータを見るにつけため息が漏れてしまいます。

ある意味こういう人が「主体的医療」から最も離れている患者さんなのではないかと考えさせられます。

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プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院にいます。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

南鹿児島さくら病院では職員を随時募集中です。
詳しくはホームページhttp://www.nissyoukai.or.jp/
を御覧になって下さい。
見学申し込みもお気軽にどうぞ。

※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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