サイアミディン

やるべきことをやっていればよい

時々看護師さんから患者さんの血圧が高いという事で相談を受けることがあります。

医学的には高血圧緊急症という、放置していると意識障害をきたしたり、腎機能が急速に悪化していく病態が知られているからです。

ただそれは言わば血圧管理システムのオーバーヒート状態であって、よほどでないと起こりません。

多くの場合は、症状は何もないけど血圧が高いというような状態です。

例えば、ある患者さんの血圧が180~190mmHgであったりする場合に、看護師さんやリハビリの療法士さん達から「このまま様子を見ていていいのか」「このままリハビリを続けていいのか」などと不安気に聞かれる事があります。

そういう場合の私の基本的方針は「やるべきことをやっていれば経過観察」です。

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主導権を取り戻せ

とある自己免疫疾患の患者さんに糖質制限指導を行っています。

その方は別の専門医にステロイドを中心とした処方を受けているので、薬剤調整を私が直接できるわけではありません。

なので作戦としては、まずはとにかくしっかりと糖質制限を行うことで体調やデータを改善させていき、

その上で処方をしている主治医と相談して、ステロイドの減量について相談して徐々に減薬を目指すようにとアドバイスしています。

ところがその患者さんは糖質制限ができているにも関わらず、結局ステロイドの減薬を主治医に相談できずに、

どうも言われるがままにそのままの量のステロイドを飲み続けてしまっているようです。

なぜステロイドの減量を相談しないのか?と尋ねた所、「相談しにくいから」と患者さんは言うのです。

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害を与えない治療による最期

この感じた気持ちを忘れないうちに書き記しておきましょう。

末期の膵臓癌の患者さんで重症の脳梗塞を起こした方を入院で受け持ちました。

進行がんがあると時折血液を固める成分に異常が生じ、脳梗塞を合併する事があるのです。

画像検査では膵臓を大きく占拠するその病変は周囲の組織を破壊して強い炎症反応を起こしてしまっており、

何か食事を無理にでも入れてしまえば消化液が分泌されて、そのせいで自分の組織が融解して炎症が増悪してしまう状況でした。

肝臓にも転移が多発しており、CA19-9という腫瘍マーカーも基準値が37U/ml未満の所、300000U/mlと振り切れた数値を示しているような状況でした。

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食べなくても便は出る

糖尿病がある方で、糖質制限を指導しても、漢方を駆使しても、

眠れない、身体がだるい、足がしびれる、などといった症状を言い続ける70代の患者さんがいました。

糖質制限指導もHbA1c 6.5%程度とある程度の所まではうまく行くのですが、

完全にはよくなり切らないという事で、実は常食していた果物の摂取を控えるよう追加指導したり、

自律神経を整える漢方を2,3種類くらいとっかえひっかえ使用してみたりもしましたが、一向に症状が改善しません。

そうこうしていたらその患者さん、お腹が痛いという訴えで別の内科を受診され、

高度の便秘になっているという事が判明し、大腸癌などがないか検査入院されるという話になっていました。

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めでたいこともストレスになりうる

抗不安薬などの依存性のある向精神薬を、

医師から気軽に処方され続けて依存症に陥ってしまっている患者さんは結構おられます。

きっかけは誰にでも起こり得る人生の中でのショックな出来事や人間関係などのトラブルであったりするのに、

その解決を薬に頼ってしまったがために薬から離れられなくなり人生が変わってしまう人は決して少なくありません。

薬はあくまでも緊急避難的で一時的な方法だという事を肝に銘じ、

漫然に使用し続けるという事を医師も患者も厳に慎まなければならないと私は思っています。

そしてこうしたきっかけになる事は、何も悲しい出来事ばかりではありません。

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情報の解釈は自分次第

私は今地方の病院で勤務していますが、

情報化社会となったおかげで、地方にいても自分次第でいくらでも情報を入手する事ができます。

ただ情報が得られたからといって、必ずしも皆が得をするわけではありません。

情報の扱い方を誤ると逆に道に迷うということもあるのです。

先日外来業務をしておりましたら、

立て続けに2名ほど、こちらが尋ねたわけではないのに、糖質制限をされているという中年の男性と出会いました。

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医師には無益でも、患者には有益

先日、病院の当直業務をしていた時に、

深夜1時くらいに胸が痛いと行って救急受診された60代女性の患者さんがいました。

その方はめまいや痛みなど、いわゆる不定愁訴と呼ばれる様々な症状でしばしば救急受診を繰り返しておられる常連さんでした。

私もようやく寝入ったばかりの状況で起こされたので、正直「うーむ、なんでこんな時間に・・・」と思ってしまいましたが、

いつもの鎮痛剤の注射をしてほしいという希望があり、電子カルテを開いて以前の注射内容を確認していたら、

実は半年くらい前に私は一度この患者さんを診察していたという事に気づきました。

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世界をネガティブな目線で見ない

私が変われば世界は変わる」というアドラー心理学から学んだ言葉は、

どんなに悪い状況でも自分の視方次第で良い方向に持っていく事ができるというポジティブな意味で用いがちですが、

逆もまた然りなのだなと思う場面もよくあります。

私は神経内科医として認知症診療に携わる機会も多いです。

多くの患者さんを見ていて思うのは、「認知症になるのが怖い」という大きな不安です。

その不安が時に暴走し肥大化し、自分自身を苦しめてしまっているという状況を、

私は医師の立場から客観的に見ていて強く感じます。

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高度な炎症があるとケトン体は産生しにくい

私は脳を専門とする神経内科医なので、

重症の脳梗塞患者さんを診療する機会も多々あります。

脳梗塞で重症になると多くの場合意識が障害されています。

また顔面を含めた重度の半身麻痺を伴っている事が多く、のども含めて半身麻痺となっているため嚥下能力も低下している事が多いです。

そうすると脳梗塞と一緒に起こってくるのが「誤嚥性肺炎」です。口腔内の常在菌を唾液と一緒に飲み込んだ際に嚥下能力が低下しているため一部が気管に入り、

普段見ない菌だという事で肺で異物と認識され、炎症を起こしてしまうのです。

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不足分を適量だけ補う視点

パーキンソン病がストレスマネジメント不足病だという見解を以前述べました。

先日重度のパーキンソン病で身体が固くなってしまい何もしゃべれなくなった寝たきりの80代女性を入院で診ていました。

それまでの経緯からパーキンソン病で不足するとされるドーパミンの補充薬やドーパミン反応を刺激する薬をたくさん使っていましたが、薬の量を増やしても一向に症状が改善せず、胃瘻造設を余儀なくされる状況でした。

それどころか熱をしばしば繰り返し、呼吸状態も悪くなり、消耗して栄養状態も悪化し全身もむくみ始めました。

最初誤嚥性肺炎を疑いましたがCTでも肺炎像は明らかでなく、炎症反応も乏しく念のために抗生剤を使用しても改善はなく、この熱や呼吸不全は別の所に起因する症状だと思われました。

治療効果が得られない状況が続き、いよいよ命が厳しいという事を家族に伝えなければならない状況となっていきました。

これ以上のドーパミン補充は人為的なストレス状態を悪化させるだけだと判断し、むしろそうした薬へ減量していく方向へ舵を切りましたが、

その対応だけでは病状の改善には至らず、悪い事態は依然として続きました。

そこで私はストレスマネジメント不足という観点に注目し、ストレスホルモンの代表格としてよく知られるステロイドの補充を行う発想を思いつきました。

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プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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