FC2ブログ
サイアミディン

ピルは閉経を早めるか否か

5月28日の当ブログ記事「限りあるエストロゲンを大切に」の中で、

糖質の摂取量が多くなればなるほど早期閉経につながるという事を示唆する医療ニュースを紹介しました。

その記事の読者の皆様とのコメントのやりとりの中で、「ピルを飲んでいると早期閉経につながるのかどうか」という疑問が湧きました。

ピルについて確認をしておきますと、経口避妊薬の通称であり、何も断りがなければ通常「低用量ピル」の事を意味します。

ピルの成分はエストロゲン、プロゲステロンという、いわゆる女性ホルモンです。

女性ホルモンを外部から投与する事によって、女性ホルモンのバランスを崩し、人為的に月経を起こさせなくするのがピルの役割です。

続きを読む»

生化学も解釈次第で理論が変わる

以前からある意味で非常に興味をそそられていた本があります。

それは、崎谷博征(さきたに ひろゆき)先生が書かれた「糖尿病は"砂糖"で治す!」という本です。



糖尿病は砂糖で治す! (健康常識パラダイムシフトシリーズ3) 新書 – 2017/9/21
﨑谷博征 (著)


崎谷先生の肩書は総合医とか、脳神経外科専門医とか、ロイヤルホリスティックカウンセリング院長とか、いろいろありますが、

パレオダイエット(paleolithic diet:「旧石器時代の食事」の意)と呼ばれる農耕・牧畜が開始される前の時代をモチーフにした食事療法を推奨されている先生です。

具体的には魚介類、鳥類、小動物、昆虫、卵、野菜、キノコなどの菌類、根菜、ナッツ類を中心に食べ、

自然界から容易に入手できなかった穀物、豆類、乳製品、芋類、食塩、砂糖、加工油は原則避けるという食事療法になります。

続きを読む»

ケトアシドーシスが起こる理由熟考

昨日に引き続き、週刊新潮の糖質制限批判記事を検証していきたいと思います。

週刊新潮 2018年 4/5 号 [雑誌] 雑誌 – 2018/3/29

(以下、p128-129より引用)

糖質制限が痩身に繋がるメカニズムは、簡潔に言えば次の通りである。

糖質摂取をカットすると、脳は筋肉の活動を維持するため、体内でケトン体という代謝物が生成される。

ケトン体は脂肪細胞に蓄えられた中性脂肪が分解される形で生成されるため、体重減少に繋がるわけだ。

このメカニズムそのものに、老化が促進される要因があるのでは、と指摘するのは、愛知みずほ大学学長の佐藤祐造氏である。

ケトン体の量が多くなると血液が酸性に傾き、ひどくなると高ケトン血症になり、骨や筋肉など体全体の細胞を弱め、さびつかせることになります。

これが老化を引き起こす一因になっているのではないか、と考えます。高ケトン血症になると、最悪なくなってしまうこともあるのです。」

(引用、ここまで)


続きを読む»

咳を抑えるため全身を意識する

私の知人から「長引く咳」への対処法について尋ねられたので、

本日はこれについての私の考え方について記事にしたいと思います。

咳とは、気道に入ってきた異物や気道にたまった痰を喀出するために必要な生体の防御反応です。

風邪などの感染症に罹患し、異物を気道から排出する需要が高まった時に出る咳は当然の成り行きであって、

こうした状況で辛いからと安易に咳を止めようとする行為は、むしろ身体の治癒反応を遅らせてしまうため好ましいことではありません。

ただし長引く咳の場合は事情が異なります。もはや排出すべき異物も痰もさほどないにも関わらず、

咳が依然として出続けている状況は、言わば咳反射の「過剰適応」状態であり、直ちに是正すべきと思います。

続きを読む»

消化管と筋肉と肝臓との関係

ちょっと複雑な話が続いてしまいますが、

消化管→筋肉→肝臓

の流れを考えさせられるもう一つの例を紹介したいと思います。

肝臓が障害される一表現型として肝性脳症と呼ばれる病態があります。

肝臓の大きな役割の一つは「解毒」なのですが、この働きが不十分になる事によって毒素が身体の中を巡り、

興奮、抑うつ、昏睡などの精神神経症状をきたす病態のことを「肝性脳症」と言います。

実はこの肝性脳症の治療の一つとして挙げられているのが、筋肉を増強させる働きを持つとされるBCAAです。

なぜ肝臓の治療に筋肉の働きを高める物質が使われているのでしょうか。

続きを読む»

筋肉量少ない人が糖新生しにくい理由

ここしばらく私は「やせ体質で筋肉量が少ない人は糖新生能が低い」という事をサラッと言っておりますが、

「糖新生を行っているのは肝臓(が主体)で、(腎臓も少し行っているとはいえ)筋肉は関係ないのではないか」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。

本日はその誤解を解くべく、肝臓と筋肉の密接な関係について紹介したいと思います。

キーワードは「コリ回路」と「グルコース・アラニン回路」です。

コリ回路とは筋肉でたまった乳酸を血液を介して肝臓に移動され、肝臓で乳酸からグルコースに変換され、

肝臓で合成されたグルコースが血液を介して筋肉へ移動され、筋肉でグルコースからまた乳酸へ変換されるという代謝サイクルの事をいいます。

この状況では「乳酸は肝臓における糖新生の材料となっている」という見方ができると思います。

続きを読む»

皆が助け合う新しい社会システム

シェアリングエコノミー(共有型経済)という言葉を御存知でしょうか。

私は以前紹介した小川先生の本を読んで初めて知りました。



哲学の最新キーワードを読む 「私」と社会をつなぐ知 (講談社現代新書) 新書 – 2018/2/15
小川 仁志 (著)


資本主義と社会主義という二つの大きな考え方があります。

資本主義は簡単に言えば「お金中心の弱肉強食主義」、日本は高度経済成長期以後、お金を産み出す様々なものづくりの生産技術で急成長してきました。

しかし資本主義の弱点は、現在の日本が直面しているように、格差を産み出すということです。

続きを読む»

生まれ持った体質を大事にする

いわゆる体質が母親の妊娠周辺期の栄養状態に起因しているかもしれないというDOHaD仮説について紹介しましたが、

その時に紹介した下記の医学雑誌にはいろいろと興味深い話が書かれていました。

本日の注目点は、「やせすぎの状態から急激に体重を増やそうとする行為はどうなのか」という点です。

月刊糖尿病2017年7月号
2017年6月20日発売
A4変型判/112頁
価格:本体2,700円+税
ISBNコード:978-4-287-82097-1
全ページカラー印刷
特集●糖尿病の「体質」:発症する人としない人の違いはなにか?
企画編集/安田和基
Ⅳ.「体質」の解明の展望とその発展
3.DOHaD説からみた糖尿病の体質/福岡秀興

続きを読む»

Low T3症候群熟考

本日は糖質制限界隈で時折問題になるLow T3症候群について考えてみたいと思います。

LowT3症候群(低T3症候群)のT3というのは、甲状腺ホルモンの一種です。

甲状腺ホルモンというのは一言で言えば、全身の代謝を高回転させる方向に働くホルモンです。

甲状腺を含む内分泌系のシステムは全体的に複雑な話が多くて、理解するのが難しい印象を私は持っています。

一方で成書でLow T3症候群について調べてみると、実はたいしたボリュームが割かれていない事が大半です。

なぜならば、後述する理由でLow T3症候群は甲状腺ホルモンが下がる状態でありながら、真の甲状腺機能低下症だとは捉えられていないからです。

糖質制限関連で言えば、摂取エネルギー不足だとこのLow T3症候群になる、という事が言われていると思いますが、

今回はもう少し踏み込んでこの病態の理解に努めたいと思います。

続きを読む»

腸内細菌を乱す行為の危険性

糖質負荷への耐久性が低いという事で私の頭にすぐに思い浮かぶのは1型糖尿病です。

なぜならば1型糖尿病は小児に多く、感染症などを契機に発症する事が多い事が知られているからです。

その様相から、1型糖尿病の遺伝的素因を持っている人がなりやすい、というように遺伝的側面からのみ病態が語られがちですが、

どうも最近の研究では1型糖尿病にも非遺伝的要因が大きく関わっている可能性が指摘されているようです。

臨床免疫・アレルギー科
第69巻第1号(2018年1月発行)

特集 I.自己免疫疾患
「1型糖尿病 -非遺伝的要因と免疫異常-」

続きを読む»

プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院にいます。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

南鹿児島さくら病院では職員を随時募集中です。
詳しくはホームページhttp://www.nissyoukai.or.jp/
を御覧になって下さい。
見学申し込みもお気軽にどうぞ。

※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
これまでの訪問者数
FC2アフィリエイト
メールフォーム
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR