サイアミディン

漢方薬は構造を保ったサプリメントか

私は基本的にサプリメントの使用は積極的に推奨しないスタンスの医師です。

患者さんが自ら飲みたいと申し出れば、自分の見解は述べつつも、無理に止めさせることはしませんが、

自分からこのサプリメントを飲むようにと勧める事は基本的には行いません。

ところが、認知症患者さんに対する「フェルガード」というサプリメントは例外的に積極的に勧めています。

なぜならば、使ってみて明らかに効果があるからです。出所の如何に関わらず、実際に効果をもたらすものを私は重視します。

先日、このフェルガードの主成分であるフェルラ酸について学ぶ勉強会に参加した時に、一つ新たな気づきがありました。

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漢方の名医は糖質制限推進派だった

「浅田宗伯(あさだ そうはく)」という幕末から明治の時代に活躍した漢方の名医がいます。

幕府軍の洋風化に関わったフランス公使レオン・ロッシュの治療や誕生したばかりの後の大正天皇にあたる明宮嘉仁(はるのみや よしひと)親王を救ったことでも有名な漢方界の巨人です。

1815年6月29日生まれ、 1894年3月16日に80歳で亡くなられており、当時にしては長命であったことにも注目です。

2015年から2016年にかけては生誕200年という事で漢方関連の学会で「浅田宗伯」の名を目にする機会が多かったです。

本日は、そんな浅田宗伯が糖質制限を治療に応用していたという話を紹介したいと思います。

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温めることの意義

風邪を引くと寒気を感じる事があると思います。

一方で風邪の時は体温が上がると思います。体温が上がっているのに身体は寒く感じるというのはどういうわけでしょうか。

これについては「セットポイント仮説」という考え方があります。我々の体温の初期セットポイントは37℃に設定されていて、

風邪の時などにはその設定が39℃などに上昇するため、そのセットポイントよりも低い状態を寒いと感じてしまうのだ、という話を医学部の時に習いました。

しかし、よくよく考えてみれば、これはあくまで仮説は仮説。39℃にセットポイントが上がった事など証明できる話なのでしょうか。

ただ、少なくとも私が思うのは、風邪を引いて寒気を感じた時というのは、

私達は「温める」という行為を本能的に欲しているという事です。

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漢方薬は次善の策

先日、とある漢方の勉強会に出席していると、

食事性低血圧(食後低血圧)」の話題がありました。

その名の如く、「食事をすることで、その後過度に血圧が低下する現象」のことで、

糖尿病パーキンソン病にも合併しやすい症候という事でもよく知られています。

この食事性低血圧、詳細な機序は不明とされていますが、ブドウ糖、次いで炭水化物が血圧低下作用が強いという観察事実が報告されています。

教科書的には確立された治療法はないとされていて、

大食やアルコールを避けなさいとか、少量の低炭水化物食を頻回に摂りなさいとか、

あるいは降圧剤を飲んでいればそれを中止せよとか、塩分保持のためにNSAIDsを内服させよとか、

挙句の果てに重症例では腸への血流を減少させるという目的でオクトレオチドというホルモン抑制作用のある誘導体を使いなさい、などと書かれていたりします。

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舌で消化管の弱りを推測する

消化管は生物の起源です。

進化の歴史をさかのぼれば原始生物に消化管だけの生物がいる事からもその重要性を伺い知る事ができます。

また「脳腸相関」の観点からも消化管の重要性が注目されてきています。

その重要な消化管の働きが悪くなるとすれば何が大きな原因でしょうか。

それはやはり食べ物ではないでしょうか。

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食事療法に近い薬物療法

私は本来医療が目指すべき方向は、

薬を用いずに健康的な状態を維持できる状況に持っていく事だと思っています。

しかし現代医療は薬絶対主義であり、非薬物療法に対する評価が全体的に低いこともあって、

今のままでは薬を用いない状況に持っていくのは到底できない状況です。

そんな中糖質制限は、こうした状況に風穴を開ける打開策となりえる食事療法です。

きちんと実践すればかなりの病気を寛解状態に持っていく事ができる革新的なアプローチとなりえるのですが、

実際に診療の場で糖質制限指導をしていると、常識の壁など様々な問題が立ちはだかり、実践してくれる人は多く見積もっても2割程度です。

そうすると、残り8割の人には糖質制限以外の方法で病状を安定化させなければならなくなります。

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植物の不要物が動物の必要物となる

先日漢方の勉強会に参加して来ました。

一般的には漢方薬を処方はすれど、本格的には漢方を勉強していないもしくは漢方に興味がない医師の方が多数派だと思いますが、

漢方の勉強会というのは参加してみるとわかりますが、とても面白いんです。

何がそんなに面白いのかといいますと、その理由は大きく2点あると私は思います。

一つは漢方の講演会ではたいていの講師の先生が、どんな症状であっても相談すれば何らかの打開策を提案してくれるということ、

もう一つは漢方以外の様々な雑学を教えてもらえるという事です。

漢方を使いこなし、そして人に説明できるようになるには多大な努力を要する作業です。

言ってみればただひたすら効くという経験を積み重ねた漢方を、まだ誰も考えたことのない独自の方法で人に納得させるように説明できる所まで昇華させる必要があるわけですから、

漢方の古典を読むだけでは事足りず、科学的な視点や関係しそうな様々な事柄について幅広く知識を集める必要がありますので、

漢方で人にしゃべられる域まで到達した先生は概して博学かつ診療経験豊富です。

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漢方でも長期連用は厳禁

先日とある試験の勉強をしている時に、

山梔子(さんしし)という生薬を含む漢方薬が「特発性腸間膜静脈硬化症」という病気の原因の一つと言われている、という文言を目にしました。

一般的に漢方薬は西洋薬よりも副作用が少ない薬と認識されています。

ただいくつかの漢方薬では、特定の処方に対する象徴的な副作用が取り上げられるため、

そのイメージが強く残るために、漢方は結局使いにくい薬だという印象を多くの医師に与えているところがあると思います。

具体的には小柴胡湯による間質性肺炎甘草を含む処方による偽アルドステロン症などが挙げられます。

漢方に副作用があるのはその通りですし、注意して使っていかなければならないものだとは思いますが、

一方で漢方薬の副作用は、無理解な大勢の医師達によって過剰にコマーシャルされ過ぎているようにも思えます。

今回の「特発性腸間膜静脈硬化症」に至っては、「特発性」とは原因不明という意味ですので、はたして原因不明の病気の原因を漢方薬の成分だと決めつけてしまってもよいものかどうか、

納得できる内容なのかどうかを自分なりに検証してみることにしました。

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糖尿病の多様性と病気の成り立ち

糖尿病は血糖値はHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を血液検査で測定する事で診断される病気です。

しかし血液検査という技術が確立されるずっと以前から糖尿病の存在は認識されていたようです。

というのも漢方の古典、「金匱要略(きんきようりゃく)」の中に「消渇(しょうかつ)」という言葉が出てきます。

もともとは「のどが渇いて、しきりに水を飲んでも尿の出の少ない状態」の事を指したようですが、

後に排尿回数が多くなる病態も含んで、現代医学で言うところの糖尿病での病態を指すと言われるようになりました。

さらにその消渇の中には「上消」「中消」「下消」という「三消」と言う概念が含まれています。

「上消」とは「多尿だが少食で尿は薄い状態」、「中消」は「食べると栄養がすぐに燃えて枯渇するために多食になり尿は黄色になる状態」、

そして「下消」は「排尿に勢いがなく粘稠性で混濁し、進行すると顔色が黒くなり、痩せて耳たぶが脱水になる状態」の事を指します。

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はるか昔に長生きしていた人々

医療の発達とともに、食品の流通、衛生面での向上などを経て、

今現代に生きている我々は、人類史上最高の長寿を経験していると考えられています。

当ブログでも以前、昔の人の寿命について調べた事がありますが、

明治時代まで遡ると平均寿命は40代前半であったと書物には示されています。

それを江戸時代以前に遡ろうとすると正確な記載はなかったりするのですが、

ものの本によれば、江戸時代のお寺の宗門改張データでは35歳前後、一方で人骨から類推した数値で20.3歳などとばらつきがあります。

縄文時代に至っては人骨で類推すると14.6歳という数値が導き出されています。

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プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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