サイアミディン

ストレスの存在を見抜く術

ストレスが様々な病気に関わっていることを記事にしましたが、

本日はそのストレスが処理しきれていない状況を客観的にどう捉えるかという事について考えます。

ポイントは自律神経過剰刺激によってもたらされる微小循環障害です。

全てのストレス性疾患は、煎じ詰めればこの微小循環障害から始まると言っても過言ではないほどです。

この微小循環障害の事を漢方医学では「瘀血(おけつ)」と呼びますが、

この「瘀血」こそが、処理できないストレスを身体が抱えている事を示す表現型の一つと言えるのです。

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見える部分と見えない部分とのバランス

私は漢方治療に大きな興味を持っていますが、

漢方の良さは科学的に説明できる部分とそうでない部分とがあります。

いわゆるエビデンスベースの切り口では決して説明できない部分について私はよく理解しているつもりです。

しかしこの部分をエビデンス絶対主義の人達に説明しようとするとうまく伝えられないという事を経験します。

逆に古来からの経験的理論にどっぷりはまった漢方の治療家に、科学的視点から説明を試みてもこれまたうまく伝わらないのです。

目に見える科学的な視点と目に見えない経験的な視点、このバランスが取れてこそ真の意味で漢方の理解につながると私は思っています。

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必ずしも細部を掘り下げない

今日は半夏厚朴湯という漢方薬がストレスマネジメント能を発揮する理由について私なりに推論を巡らせてみたいと思います。

半夏厚朴湯というのはその名の通り、「半夏」と「厚朴」という生薬が含まれている漢方薬ですが、

その二つ以外にも「茯苓(ぶくりょう)」「蘇葉(そよう)」「生姜(しょうきょう)」という生薬の全部で5つの生薬が含まれている処方です。

歴史的には西暦200年頃の中国は後漢の時代に著されたと言われる「金匱要略」という古典医学書に記載があり、

「咽中炙臠(いんちゅうしゃれん:あぶった肉が喉にひっかかったような感覚)」とか、「梅核気(ばいかくき:梅の種がのどにつまったような症状)」と呼ばれる症状を目安に使う事を勧められていた漢方薬です。

咽頭がんなどの器質的な異常がないのに、喉に違和感がずっと残り、吐こうとしても飲み込もうとしても違和感がなくならず、医者からは異常なしと説明を受けるのみなので患者さんにすれば大変嫌な症状です。

一方で、なぜかそういう患者さんは交感神経過緊張状態を示している事が多いことが経験的に知られています。

おそらく咽中炙臠や梅核気と呼ばれる症状は、何らかの原因でストレス反応が発動しても、下流の応答系統がきちんと機能しきらない状態を示す表現型の一つなのではないかと私は考えています。

要するにストレス反応を自分の中で処理しきれずに歪みを生じてしまっている状態です。半夏厚朴湯はそういう状態の人に使うと非常によく効くことを稀ならず経験します。

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害を与えない治療のための工夫

「Do No Harm(まず害をなすなかれ)」という治療原則があります。

診療に当たっていると薬剤の副作用が問題になる場面と多々遭遇しますが、

薬を使って治療するというアプローチを使っている限り、厳密に害がゼロの状態で治療する事は困難です。

それは全ての薬に副作用が起こり得るからというわけですが、その副作用をゼロに近づける工夫を行う事は可能です。

一般的には使用する薬を極力減らすという事が対策として考えられると思いますが、

私の中での対策は、「極力もともと体内に存在する構造物を極力適量だけ利用する」という方法です。

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難治性こむら返りへの対策

糖質制限指導をしていて時々遭遇するトラブルにこむら返りがあります。

こむら返りに関しては以前詳細に考察した事がありますが、メカニズムのすべてがわかっているわけではありません。

しかし大ざっぱに捉えれば「特に血行に問題のある人が、運動や脱水などの誘因を契機に局所でのカルシウムやマグネシウム利用が不十分になるために起こる筋肉の一過性痙攣及びそれに伴う痛み」と言えるのではないかと思います。

糖質制限を実施してこむら返りになってしまう人は、糖質制限で急激に代謝が変わったことで起こる一時的なミネラル利用不全が主因なのではないかと私は考えています。

糖質制限そのものは血流を改善させ、長期的には動脈硬化の改善が期待できる治療法なので、

糖質制限してこむら返りを起こす人にはカルシウムやマグネシウムが多い食品を勧めたり、カルシウム+マグネシウムのサプリメントや芍薬甘草湯という漢方薬での対症療法で急場をしのぎつつ、地道に糖質制限を続けて血行改善を心がけるよう指導する事が私は多いです。

ところがごくまれに年単位で糖質制限しているのに運動する度にこむら返りを起こすという人に出会う事があります。

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漢方薬は構造を保ったサプリメントか

私は基本的にサプリメントの使用は積極的に推奨しないスタンスの医師です。

患者さんが自ら飲みたいと申し出れば、自分の見解は述べつつも、無理に止めさせることはしませんが、

自分からこのサプリメントを飲むようにと勧める事は基本的には行いません。

ところが、認知症患者さんに対する「フェルガード」というサプリメントは例外的に積極的に勧めています。

なぜならば、使ってみて明らかに効果があるからです。出所の如何に関わらず、実際に効果をもたらすものを私は重視します。

先日、このフェルガードの主成分であるフェルラ酸について学ぶ勉強会に参加した時に、一つ新たな気づきがありました。

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漢方の名医は糖質制限推進派だった

「浅田宗伯(あさだ そうはく)」という幕末から明治の時代に活躍した漢方の名医がいます。

幕府軍の洋風化に関わったフランス公使レオン・ロッシュの治療や誕生したばかりの後の大正天皇にあたる明宮嘉仁(はるのみや よしひと)親王を救ったことでも有名な漢方界の巨人です。

1815年6月29日生まれ、 1894年3月16日に80歳で亡くなられており、当時にしては長命であったことにも注目です。

2015年から2016年にかけては生誕200年という事で漢方関連の学会で「浅田宗伯」の名を目にする機会が多かったです。

本日は、そんな浅田宗伯が糖質制限を治療に応用していたという話を紹介したいと思います。

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温めることの意義

風邪を引くと寒気を感じる事があると思います。

一方で風邪の時は体温が上がると思います。体温が上がっているのに身体は寒く感じるというのはどういうわけでしょうか。

これについては「セットポイント仮説」という考え方があります。我々の体温の初期セットポイントは37℃に設定されていて、

風邪の時などにはその設定が39℃などに上昇するため、そのセットポイントよりも低い状態を寒いと感じてしまうのだ、という話を医学部の時に習いました。

しかし、よくよく考えてみれば、これはあくまで仮説は仮説。39℃にセットポイントが上がった事など証明できる話なのでしょうか。

ただ、少なくとも私が思うのは、風邪を引いて寒気を感じた時というのは、

私達は「温める」という行為を本能的に欲しているという事です。

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漢方薬は次善の策

先日、とある漢方の勉強会に出席していると、

食事性低血圧(食後低血圧)」の話題がありました。

その名の如く、「食事をすることで、その後過度に血圧が低下する現象」のことで、

糖尿病パーキンソン病にも合併しやすい症候という事でもよく知られています。

この食事性低血圧、詳細な機序は不明とされていますが、ブドウ糖、次いで炭水化物が血圧低下作用が強いという観察事実が報告されています。

教科書的には確立された治療法はないとされていて、

大食やアルコールを避けなさいとか、少量の低炭水化物食を頻回に摂りなさいとか、

あるいは降圧剤を飲んでいればそれを中止せよとか、塩分保持のためにNSAIDsを内服させよとか、

挙句の果てに重症例では腸への血流を減少させるという目的でオクトレオチドというホルモン抑制作用のある誘導体を使いなさい、などと書かれていたりします。

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舌で消化管の弱りを推測する

消化管は生物の起源です。

進化の歴史をさかのぼれば原始生物に消化管だけの生物がいる事からもその重要性を伺い知る事ができます。

また「脳腸相関」の観点からも消化管の重要性が注目されてきています。

その重要な消化管の働きが悪くなるとすれば何が大きな原因でしょうか。

それはやはり食べ物ではないでしょうか。

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プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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