サイアミディン

変えられる嗜好性と変えがたい習慣

先日とある飲み会で同僚の先生に、

「自分も炭水化物抜きをやってみた」という事を言われました。

「オッ」と思い、結果はどうだったかを尋ねてみたところ、

「確かに5kgやせたけど、正月にいっぱい食べてまた4kg太ってしまった。先生のようにストイックにはなかなか続けられないな」

と言われました。

どうやら私は周りからストイックだと思われているようです。

しかし、自分の感覚で言えばストイックな事は何もなく、食べたいものを食べたいだけ食べています。

ただ食べたいものの中から糖質がなくなったというだけの事です。

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依存から中毒への連鎖を断ち切る

糖質制限指導に悪戦苦闘の日々です。

先日もある高齢患者さんに糖質制限を勧めたのですが、

2ヶ月後の再診の際には「副食を中心に食べています」とおっしゃいました。

しかし血液のデータではHbA1cが7.6%から7.9%に上昇していますし、

中性脂肪も130から165に増加しています。明らかに糖質を取り過ぎている事を示すデータです。

その事を指摘すると患者さんは次のように話しました。

「いやぁ〜、そうすると食べるものがないんですわぁ〜。」

この言葉は、それまでの食生活がいかに糖質に依存していたか、ということを表していると私は思います。

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糖質とセロトニンと衝動性

本日の話題は以下の神経内科専門誌から「衝動性」についてです.

Clinical Neuroscience(クリニカルニューロサイエンス) 2014年1月号
『Decision Making―意思決定・行動選択の神経科学』

以前,衝動制御障害(DDS)という病態とともに,ドーパミンと衝動性の関係について説明しました.

しかし衝動性に関わる神経伝達物質は実はドーパミンだけではありません.

実はセロトニンも衝動性と関係していることが報告されています.

1982年にBrownらが脳内のセロトニン濃度低いと衝動性が増すということを示しました(Brown GL, et al. Aggression, suicide, and serotonin: relationship to CSF amine metabolites. Am J Psychiatry. 1982; 139: 741-6.)

今回はこのセロトニンと衝動性について私なりに考えてみたいと思います.

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ケトン食からビオチン療法まで

『Spilioti M, et al. Evidence for treatable inborn errors of metabolism in a cohort of 187 Greek patients with autism spectrum disorder (ASD). Front Hum Neurosci. 2013 Dec 24;7:858. doi: 10.3389/fnhum.2013.00858. eCollection 2013.

我々は自閉症スペクトラム障害(ASD)に特徴的な症状を呈する187名の小児(男児105名,女児86名:4~14歳)における先天性代謝異常(IEM)の存在についてスクリーニングした.

12名(7%)が尿中3-ヒドロキシイソ吉草酸(3-OH-IVA)の分泌増加を示し,7名の患者でビオチンを補充することで自閉症の症状に軽度から大幅な改善がみられた.また5名の診断は以下の通りであった.2名はLesch Nyhan症候群,2名はコハク酸セミアルデヒド脱水素酵素欠損症,1名はフェニルケトン尿症(2.7%).

さらなる代謝障害を示唆するIEMとして尿中3-OH-IVAの増加に引き続き血清でメチルクエン酸と乳酸が上昇した2名とブドウ糖負荷試験で異常を示した30名の患者を含めた.後者のグループ30名のうち16名は血清β-ヒドロキシ酪酸(b-OH-b)産生の増加を示し,18名は逆説的に血清乳酸が増加していた.血清b-OH-bが上昇した患者の中の6名はケトン食(KD)の実施後に自閉症症状の改善を示していた.5名の患者はブドウ糖負荷によってケトン体産生が減少していた.

187名の患者のうち12名が非特異的なMRI病理を示した一方で,25名は脳波(EEG)異常を呈した.最終的に家族歴があったのは187名のうち22名(1-2親等に同程度の症状あり)であり,血族が文書化されていたのは12名であった.我々のデータはASD患者へ新しいバイオマーカー(3-OH-IVA)と新しい治療アプローチのためのエビデンスを提供する.

簡潔な一文をtake-home messageとする:ASD患者のギリシャコホートの詳細な代謝スクリーニングによって患者の7%(13/187名)でバイオマーカー(尿中3-ヒドロキシイソ吉草酸と血清b-OH-b)が明らかとなり,ビオチン補給やKD治療を開始することが臨床的に自閉症症状を軽度から高度に改善させる結果となった.』

※3-ヒドロキシイソ吉草酸(3-OH-IVA):必須アミノ酸の一つ「ロイシン」の中間代謝産物.ロイシンは脱アミノを受けた後,脂肪酸やケトン体に転換されうる「ケト原性アミノ酸」の一つ.
※メチルクエン酸:プロピオン酸代謝産物の一つ.プロピオン酸は最も炭素数の少ない脂肪酸.

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根本的な問題に作用する薬

糖質制限の目線で漢方について学んでいると

いろいろ新たな発見があって興味深いです。

先日より糖質摂取と冷え症の話題について何度か取り上げていますが、

冷えと食生活について書かれている漢方の記事があったのでご紹介したいと思います。

『漢方と診療 Vol.4 No.4 (2014.01)』

(以下,引用)

漢方薬プラスα―生活指導で効果UP

冷えと食生活 日本大学医学部内科学系統合和漢医薬学分野助手 上田ゆき子

寒さが厳しくなってくると増えてくるのが「冷え」の訴えです。「冷え」は西洋医学では体質として捉えられ、治療対象となる病態ではありませんが、漢方医学では身体のどこかに冷えを自覚する場合を「冷え症」と呼び、各々の病態に合った漢方薬が使われます。

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膵液分泌のメカニズムから見えること

先日膵炎についての記事を書きましたが,

☆ acco ☆ さんより次のような御意見を頂きました.

素人考えなのですが・・・

たんぱく質・脂質の摂取
→コレシストキニン分泌
→膵液・胆汁の分泌
って流れを
回避させたいのかと・・・(・vv・)

脂質は
胃での滞留時間が長いと
考えられているのも
理由のひとつかも知れません。

酵素補充療法に関しては
消化を助ける事も重要ですが
コレシストキニンの分泌を抑えて
痛みを緩和する目的が大きいと思います。

慢性膵炎に関しては
ある程度
症状が進行してしまうまでは
脂質が痛みを誘発するかも???

なんて
思ったりしました (`・ω・´)∩ 


今日はこの膵炎の問題についてもう少し深く考えてみたいと思います.

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結果を正しく解釈する

私は医療関係者向けの総合サイト「ケアネット」に会員登録しています。

ここからは定期的に医療ニュースが配信されるので、最新の情報をスムーズに手に入れることができ、いつも重宝しています。

今日の記事はそのケアネットから届いたこんな医療ニュースについてです。

コレステロール異常でアルツハイマー病リスク増大

提供元:Healthday News公開日:2014/01/23

コレステロール異常でアルツハイマー病リスク増大のイメージ

 「悪玉」(LDL)コレステロールを抑え、「善玉」(HDL)コレステロールを増やすことは、心臓だけでなく脳にもよいことを米カリフォルニア大学デービス校の研究グループが示唆した。

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変化に適応する力を鍛える

先日とある病院への移動のためタクシーに乗る機会がありました。

「寒くなりましたねぇ」などとしばらく世間話をしていましたが、

その時なんだか車内のエアコンが効きすぎてすごく蒸し暑くなっていました。

しかしそう思ったのは私だけのようであり、運転手さんは特に何も感じていないようで、普通ににこやかに世間話を続けられていました。

そこでふと私は思いました。

「もしかしたらこの運転手さんと私の温度感覚はかなり違っているのだろうか」

つまり、この運転手さんはここまで車内を温かくしないと解消できない冷えがあるということなのでしょうか。

そう考えるとまた糖質制限の別の側面が見えてきました。

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膵炎再考

糖質制限をやってはいけない病態の一つに「活動性膵炎」があります.

どうして糖質制限をしてはダメなのでしょうか.

「膵炎」についての現在の食事のスタンダードはどうなっているのでしょうか.

それを考えるに当たって次の書籍を購入致しました.



この本は全80ページほどの小さな本ですが,膵炎のみならず,「基礎的な栄養学」「膵炎以外の膵臓の病気」「遺伝性膵疾患」「膵切除と膵切除後糖尿病」など膵臓に関する医療情報が網羅的にまとめられています.

膵臓について学び直すには大変助かる本です.

今回はこの本を参考に,「膵炎」について考えてみます.

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エネルギーを無駄打ちしない

糖質制限の理論を元に世の中を見つめ直してみると、

今までには気がつかなかった様々な事柄が見えてきます。

また今まで興味のなかった事へ興味を持つようにもなってきています。

例えば最近は、インド・スリランカでの伝統医学である「アーユルヴェーダ」について学んでいます。



日本の漢方の由来となった中国の中医学と同様、まだ科学の発達していない2000年以上前から確立されてきた経験に基づく理論体系です。

エビデンス志向の人達には理解されないかもしれませんが、

私はこうした先人が残してきた経験の中にも大事な事があるように思っています。

今日はこの「アーユルヴェーダ」について学んでいて感じた事を書きます。

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ただのダイエットではない

糖質制限の考え方が着実に広まってきています。

テレビや雑誌などのメディアに取り上げられる頻度も増えてきているように思います。

中には糖質制限ダイエット「ブーム」などと、一過性の盛り上がりとして特集されているものもありますが、

ブームだと思っている人が、これが単なるブームでないことに気がつくのはまだ数年先の話でしょう。

一方、多くの人にとっては糖質制限に取り組む動機がダイエットであったり、糖尿病治療であったりすると思います。

それは糖質の害の現れ方のマジョリティ(多数派)が、肥満であったり、糖尿病であったりするからでしょう。

しかし糖質の害の現れ方には個人差があります。

肌が荒れる人もいれば、精神に不調をきたす人もいれば、原因不明の痛みの原因になる人もいます。

そういうマイノリティ(少数派)の人にとって、昨今の糖質制限のメディアでの取り上げられ方は必ずしも好ましいものではありません。

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融通が効く食欲

現在の私は基本的に1日1-2食です。

糖質制限をし始めてから自然とそのような形に落ち着いています。

特に昼を食べなくてもお腹がすかずに活動することができるので仕事で効率的に時間を使うことができて大変便利です。

1日2食の割合としては朝が食べたり、食べなかったりで、昼を抜き、夕方しっかり食べるというパターンが多いです。

そして朝は食べるにしてもチーズやゆで卵をちょこっと食べてでかける程度です。

こういう話をすると、食事の回数が少なくて食の楽しさを感じられない苦行のように感じられるかもしれませんが、

しっかりとお腹がすいてから食べる方が食事のおいしさをより満喫することができるので、

決して無理はしておらず、むしろ食欲の赴くままに今私は動いています。

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「蛋白質を取りすぎるな」への違和感

糖質制限に対する批判の中で頻繁に聞かれるものとして、

「糖質制限をすると相対的に蛋白質の量が増えるから腎機能が低下するのでよくない」

というものがあります。

蛋白質は糖質や脂質と違ってグリコーゲンや皮下脂肪という形でエネルギーを貯蔵することができません。

従って、蛋白質を取りすぎると使わない蛋白質は捨てるしかないため、その捨てる働きを担う腎臓に負担がかかる、というのがその理屈とされています。

しかしある程度腎機能が保たれている場合はそうした心配をする必要はないことがわかってきていますし(Friedman AN, et al. Comparative effects of low-carbohydrate high-protein versus low-fat diets on the kidney. Clin J Am Soc Nephrol. 2012 Jul;7(7):1103-11. doi: 10.2215/CJN.11741111. Epub 2012 May 31.)、

また日本腎臓学会のCKD診療ガイド2012によれば、「GFRが60ml/分以上あれば、顕性タンパク尿の段階でも、糖尿病性腎症2期、3A期までは、蛋白質制限必要なし」とあります。

さらに2014年1月10日に日本糖尿病学会、日本腎臓学会、日本透析医学会、日本病態栄養学会の4学会が合同委員会で、糖尿病性腎症の3A期と3B期を区別しない、すなわちいずれも「第3期」とすると決定したことをHPで発表しました。

という事は、まだ名言はされていませんが、事実上「3B期まで蛋白制限不要」にまで基準が緩まる方向性さえ見えてきました。

次々に見直されていくこの高蛋白質による腎臓への負担、本日は少し違った観点からこの問題を考えてみたいと思います。

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どちらを信じるか

日常診療で糖質制限指導をしていると、

様々な困難にぶち当たります。

糖質制限はエネルギーのメイン利用を糖質代謝から脂質代謝に切り替えるという本質的な体質変更を試みる行為なので、

基本的には禁忌に当たらなければ万人に何らかの改善効果をもたらしうる方法だと考えています。

その糖質制限指導を常識の壁が邪魔をするというのはこれまでも述べてきた通りですが、

まれに糖質制限をきちんと実行しているにも関わらず、全く効果がないという方がおられます。

この度時を近くしてそのような二人の患者さんと出会いました。

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都合の良い薬?

インフルエンザが流行るシーズンとなりました。

最近になって新しい抗インフルエンザ薬が次々と出てきています。

少し前までは飲み薬しかなかったのに、吸入や点滴、さらには1回投与だけで済むものまで出てきました。

これらの薬のいずれもが、インフルエンザウイルスの増殖を抑えるというものです。

一般的に抗インフルエンザ薬の開始から解熱までは平均24時間くらいとされていますが、なかには40時間かかったり、長い人で85時間という人もいらっしゃいます。

薬を使うまでの間に増殖したウイルスを駆逐するには自分の免疫システムを働かせるしかありません。

そんな中、もう一つの選択肢として,麻黄湯という漢方薬があります.

今日はこの麻黄湯について紹介したいと思います.

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そこまでわかっているのなら

昨日に引き続き、病態栄養学会で感じた事を書きます。

1月12日の江部先生のブログで糖質制限食を臨床に取り入れておられる宗田先生チームの御発表についての記事がありました。

発表された3名の先生とも糖質制限食が妊娠糖尿病の管理に非常に有用である事を示され、大変意義深い発表でした。

特に宗田先生の示された「胎児~新生児の段階ですでにケトン体はかなり高値でアシドーシスにもなっていない」というデータは圧巻でした。これでケトン体の安全性が完全に証明されたと言っても過言ではないと思います。

さて、そんな糖質制限の発表の後に、妊娠糖尿病に対する分割食を導入したという栄養士さんの発表が2題続きました。

分割食というのは1日3食食べるというところを1回の量を減らして1日5-6食食べるというものです。

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無理のあるマネジメント

去る2014年1月11日(土)-12日(日)に、

日本病態栄養学会という栄養士さんを中心とした学会に初めて参加して参りました。

糖尿病だけでなく栄養にまつわる様々な講演を集中的に聞くことができて大変面白かったです。

初日は糖尿病の食事療法についてのパネルディスカッションがありました。

糖尿病学会の先生も参加されており、やはり糖質制限のことも話題になっておりました。

相も変わらず学会の先生は糖質制限に否定的な見解でしたが、

その中である看護師さんが「血糖パターンマネジメント」というテーマでお話がありました。

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風邪を治そうとする力

糖質制限をしていると全体的に体調がよくなるので、

風邪を引きにくくなる傾向があると思います。

しかし絶対的なものではなく、私の場合は糖質制限をしていても風邪を引いてしまったことがあります

ただ、風邪を引いてからの経過はこれまで経験した風邪といくつかの点で違います。

一つは、風邪の症状が軽くて済むようになること、

もう一つは、食欲はあまり落ちないということです。

総じて身体の免疫能、すなわち治す力が正常に働いているような印象を受けます。

本日は、風邪を通じてヒトの身体がもともと備えている「治ろうとする力」について考えてみます。

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どんなに良い薬と言われても

「SGLT2阻害薬」という糖尿病の新しい薬があります。

今年からこのSGLT2阻害薬が製薬会社6社から立て続けに世に出されるそうです。

今までにない全く新しい機序の薬でかつ安全性が高いということで注目されていますが、

私は新薬に際しては基本的に非常に慎重な姿勢をとるようにしています。

歴史を振り返ってみても、新薬を使い始めて当初想定していなかったトラブルが出てくるということは多々あるからです。

薬に頼る人は多いですが、そもそもヒトに備わった複雑なシステムを薬で変更するということは、

多かれ少なかれリスクを伴うことであるという事を我々はもっと認識すべきだと思います。

今日はこの「SGLT2阻害薬」について考えてみます。

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真に寒さに強くなる

ストーブやエアコンなどの暖房器具の普及で、

室内にいればその寒さを感じることはあまりありませんが、

ひとたび外に出ると強烈な寒波が身体を襲う寒い季節となりました。

私のような肥満を経験している人間は、「脂肪が天然の防寒具」などと冗談混じりに言いながら、

おそらく他の人より寒さに強い方だと思っています。

しかし糖質制限をするようになってからというもの、

今まで以上に冬が過ごしやすくなったように感じています。

やせて防寒具だと思っていた脂肪が減ったにも関わらず、です。

これは一体どういう仕組みなのでしょう。

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「糖質を減らせばやせる」の先へ

『Paoli A, et al. Long term successful weight loss with a combination biphasic ketogenic mediterranean diet and mediterranean diet maintenance protocol. Nutrients. 2013 Dec 18;5(12):5205-17. doi: 10.3390/nu5125205.

肥満において,長期間続く体重減少/リバウンドのせめぎ合いのことが「ヨーヨー」という用語で表現されるが,減量プロトコールというのはしばしばとらえどころのない長期の目標に対して一貫性のある結果をもたらした時にはじめて成功と考えることができる.我々は地中海料理をベースに植物エキスを加えた修正ケトン食(KEMEPHY)に伝統的な地中海食の栄養素の既知の健康利益を組み込んだ食事が長期の体重減少に好ましい効果をもたらすと仮定した.太りすぎである以外は全体的に健康な25~65歳の89名の肥満のある男女を解析した.対象者は12か月間の段階的なダイエットプロトコールを続けた:KEMEPHYを20日間,低炭水化物非ケトン食を20日間,正常カロリー地中海食栄養を4か月間,続いて再び20日ずつのケトン期を経て6か月間の正常カロリー地中海食栄養を続けた.対象者の大多数(88.25%)が,両方のケトン期で減量効果の維持に成功しリバウンドもきたすことなく6か月間の安定期間で有意な体重減少(100.7±16.54 kgから84.59±9.71 kgへ;BMI35.42±4.11から30.27±3.58へ)と体脂肪減少(43.44%±6.34%から33.63%±7.6%)を認め,効果を認めなかったのは8名のみであった.また12か月間の研究期間で総コレステロール,LDLコレステロール,中性脂肪,血糖値の有意に安定した減少効果を認めた.ケトン期の後にHDLコレステロールは軽度の増加を示したが,全12か月の終了時には有意差は認めなかった.ALT,AST,クレアチニン,BUNには有意な変化は見られなかった.伝統的な地中海食に基づいた維持栄養の期間をより長くすることによって分離した二相性のKEMEPHY食との組み合わせは大多数の対象者において長期間の体重減少と健康リスクファクターの改善の成功につながり,観察された結果の鍵となる決定因子であったコンプライアンスは非常に高かった.』

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ブログの意義

ブログを毎日書くというのはなかなか大変な作業です。

しかしこの「毎日書く」という行為は非常に有意義なものだと私は思い始めています。

糖質制限は医学の根幹に関わる深いテーマですので、取り上げるべき問題が数多く存在します。

そのそれぞれの問題に対して毎日自分の頭で考えて表現するという行為はかなり頭を使う訓練になります。

そうして公開した記事が読んでくれた方の中の誰かの役に立てば勿論意義深いことですし、

仮にそうでなかったとしても、自分の頭の中が整理されていきます。文章力や表現力も鍛えられます。

そう、ブログを書くという行為は「他人のため」のみならず、「自分のため」でもあるのです。

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カロリー制限と混同しない

糖質制限が世間で知られるようになり,

一般的なメディアで取り上げられる頻度も増えてきました.

雑誌に取り上げられることも多く,その中でも先進的に糖質制限を特集してきた雑誌の一つが「Tarzan」です.





最新号のTarzanでもダイエットが特集されていたので読んでみました.

今回も文章の随所に糖質制限に関する記載が見受けられ,大分定着しているように思えるのですが,

全体を通してふと感じたことがありました.

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甘いものは避けるのに

糖質制限の事を知らない人にとっても、

甘いものの食べ過ぎがよくないということはよく知られていると思います。

甘いもの食べ過ぎると太るとか、虫歯になるとかいうイメージが一般的でしょうか。

甘いものの代表格と言えば「砂糖」ですが、砂糖は化学的には主にスクロース(ショ糖)を含んでいる調味料です。

スクロースは消化酵素により分解されグルコースとフルクトースに分解されます。

一方、炭水化物も消化酵素による数段階の反応を経て、最終的にグルコースまで分解されます。

グルコースは血糖そのものですので、

甘いものと炭水化物はいずれも「食べると血糖値を上げるもの」=「糖質」であり、本質的には同じものです。

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その目で見ないと見えない

先日スタチンの事を記事にしました。

私は自分からは極力スタチンを処方しない方針の医師ですが、

世の中にはスタチンを積極的に処方する立場の医師の方が多数派だと思います。

議論はあるにしてもコレステロールを下げるという行為の有用性そのものが医学的に疑念が抱かれる状況なのだから、

コレステロールを下げる派と下げない派で半々くらいになってもよさそうなものです。しかし実際は下げる派が圧倒的多数派です。これには理由があると思います。

それはおそらく、そうした医師がスタチンを用いる以外にコレステロールを下げる有効な手段を知らないからです。

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ケトン食でモニターすべき項目

昨日に引き続き,ケトン食の話です.

今回もこちらの項目を書籍を参考に記事を書かせて頂きます.



以前,読者の方から糖質制限をしている人が注意すべき血液検査での項目は何か,という御質問を頂きました.

糖質制限食でのモニター項目は本家の江部先生が示されている通りですので,

ここではケトン食の観点からモニターすべき項目について考えてみたいと思います.

糖質制限食とケトン食は表裏一体なので基本的には同じと考えてもらって構わないのですが,

強い糖質制限である「古典的ケトン食」の場合は,江部先生のスーパー糖質制限食や修正アトキンス食では生じ得ない副作用が起こりえるので注意が必要です.

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ケトン食の種類

糖質制限と通ずる理論を持つケトン食ですが,

一口にケトン食といってもさまざまな種類があります.

今回はケトン食にどのような種類があるか,その概要をお示しします.

本日の記事は以下の書籍と以下の論文を参考に書かせて頂きます.



Dhamija R, et al. Ketogenic diet. Can J Neurol Sci. 2013 Mar;40(2):158-67.

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糖質は毒か否か

皆様は毒と聞くとどのようなものを思い浮かべますか.

青酸カリ,トリカブト,フグ毒など,毒と呼ばれるものはいろいろあります.

今回は毒について書かれた以下の本を読んでみました.



この本の中ではもっとも端的な毒の定義を「人に害をなすもの」としています.

一方,薬とは「苦しみを和らげ,命を永らえさせるもの」です.

よく言われることですが,「毒と薬は紙一重」です.同じ物質でも量が少なければ薬,多ければ毒ということがあるわけです.

さて,釜池先生の糖質ゼロ食では糖質を毒ととらえ,あくまでゼロにすることを目標としています.

はたしてこの「糖質は毒」というとらえ方はどうなのか,について考えてみたいと思います.

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腸内細菌叢が太りやすさを決める

私は江部先生のスーパー糖質制限食を2年強続けてきました.

体重は最初の10か月で約30kg速やかに減少しましたが,その後は概ね横ばいで推移しています.

現在,身長180㎝で体重100kg少し超える程度の体重であり,BMIにすれば31程度ですので,まだ標準体重とは言い難い状態です.

きっちり糖質制限をしているはずなのに,しかも当直などで24時間絶食することもしばしばあるのに,体重がずっと横ばいで推移することをずっと不思議に感じていました.

しかしその疑問を解く一つの糸口になりそうな事を最近学びました.

それは腸内細菌叢が太りやすさを決めているかもしれないという内容です.

先日紹介したこちらの本にその事に関する文章が書かれていました.


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スタチンは病状を隠す

「スタチン」という種類のコレステロールを下げる薬があります.

長らくコレステロールは動脈硬化の元凶とされてきました.現在でも動脈硬化予防のためにこのスタチンは臨床現場で多用されています.

しかし,この薬の是非については2010年後半に「日本動脈硬化学会」と「日本脂質栄養学会」という二つの学会が相反する見解を出して議論になったことがあります.

日本動脈硬化学会は「コレステロールが低ければ低いほどよい」という立場であり,

日本脂質栄養学会は「コレステロールが高いほど長生き」とする立場で,両者の見解は真逆です.

そして日本動脈硬化学会はガイドラインを作成し,コレステロールが高い人へスタチンの投与を勧めています.

一方日本脂質栄養学会はスタチンを投与する必要のある人はほとんどいないとして,動脈硬化学会の出すガイドラインに異議を唱えています.

一体どうしてこのような真逆の見解が出てしまうのでしょうか.

実はここにも医学界の闇が隠れています.

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プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院に勤務しています(下段にリンクあり)。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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