サイアミディン

適切に休む重要性

新病院に勤務するようになり私は週に1回の当直を担当していますが、

病院の規則により、有り難くも当直明けの日はお休みを頂くことができています。

実は一般的な病院においては医師が当直明けに休めるというのはあまりないことです。

医師は皆、当直明けでも当たり前のように通常業務をしているというのが多くの病院での現状だと思います。

当直をしたことのある人ならわかりますが、当直というのは、たとえ何事もなく一夜を寝るだけで過ごしたとしても疲れるものです。

ましてや夜に救急対応で何度も起こされた日には疲れはさらにたまります。

それでも何事もなかったかのように翌日も働くというのが当たり前にさせられてしまっているのです。
それがどれほどよくないことであるか、きっと病院の外にいる人達なら感じるのではないかと思います。

しかし病院側の立場でみれば、昨今の慢性的な医師不足、都会を中心とした一部の病院への医師偏在の問題もあいまって、

当直後に医師に休んでもらうと、とても通常業務を回せないということで医師に頑張って働いてもらっているという事情もあります。

けれど事情はどうあれ、現在多くの病院で運営が成立しているのは裏で支える医師達の善意による部分が大きいはずです。

過重労働として然るべき所へ申し立てることもその気になればできるかもしれません。それなのに誰もそうしようとしないのは「みんな頑張っているから」と思っているからではないかと思います。

しかしそのような暗黙の了解システムのしわ寄せを特に受けるのは、「優しくて真面目な医師」です。

優しくて真面目な医師は人一倍頑張ります。人当たりも良いからよく周囲の人に頼られます。

過重労働があっても嫌な顔をせず頑張り続けます。しかしそれが続いていつしか本人さえ自覚しない所でストレス過重となりえます。

その結果、前途ある医師が急に燃え尽きたり、命を絶ったりしてしまう、ということにはそうした背景が大きく関わっているように思えます。


良い仕事をするためには適切に休むことが重要です。

栄養ドリンクを飲んで疲れを取ろうだとか、コーヒーを飲んで夜遅くまで仕事をしている人達は無理をしています。

様々な事情があって簡単に休めないということは確かにあるとは思います。

しかし無理して休まずに働き続けることは、短期的にはよくとも、長期的には仕事のパフォーマンスを下げる可能性があります。

健康の観点から見ても、糖質で奮い立たせている人は糖質依存となってしまい、

コーヒーなどカフェイン含有飲料で奮い立たせている人はカフェイン依存へとなってしまいます。

そしてこれらは副腎疲労というストレスマネジメントに支障をきたす病態へとつながる入口です。

そうならないように、まずは栄養ドリンクやコーヒーを一切止めましょう。

疲れたら素直に休みましょう。そして自然に眠りましょう。

そうして疲れから回復させる行動が、あなたの健康を守り、結果的には仕事のパフォーマンスを高めると思います。

もし休むことが許されない環境であれば、休まずに頑張ることが本当に必要なことなのかを考えましょう。

冷静に考えて休まないことで自分が不利益を被る部分が多いのであれば、

適切に休むことができるようになるために職場を変えるよう働きかけるか、もしくは職場自体を変えるかを考えましょう。

休むことは決して悪いことではありません。

適切に安めない職場は大いに見直す必要があります。

よく働くためによく休む、のです。


たがしゅう
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適切な休みは医師だけでなく皆に必要

「疲れたら素直に休みましょう。そして自然に眠りましょう。」・・・以下の文面は、医師だけでなくすべての労働者にとって必要なことです。
「適切に休むことができる」労働環境であれば、労働者が心身を病む確率はずっと減ります。特にメンタル面での不調の多くは、適切に休むことによって解決されるのではないでしょうか。
医師もハードワークですが、一般企業もいわゆる「ブラックな職場」が多いようです。

おはようございます

当直って、何事もなくとも疲れるっていうの、とってもわかります

私も福祉関係で夜勤をしていたので、何事もなく寝ていても

次の日はぐったりです

でもそのまま連続で仕事なんて本当にしんどいですよね

人の命や健康を守る仕事だから手抜きできないですしね

医療界のひとたちって本当に立派だなあって思います

Re: 適切な休みは医師だけでなく皆に必要

おばあさんにちかいおばさん さん

 コメント頂き有難うございます。

 善意によるオーバーワークで成立する職場は多いに見直す必要があります。
 一方でそれをシステムの改革で解決するアプローチにも限界があります。人員にも資源にも限りがあるからです。
 
 そこを何とか解決していくためには新しい発想が必要です。医療の世界で言えば、そもそも急変する事態が少なくなるように治療・ケアの方針を抜本的に見直すことが打開策になりえます。糖質制限や湿潤療法、認知症コウノメソッドの導入はその代表的な方法のひとつだと思います。

Re: おはようございます

haru さん

 コメント頂き有難うございます。

> 医療界のひとたちって本当に立派だなあって思います

 立派なことをしているという意識はおそらく現場において少なくて、
 「そうしないと仕方がないから続けている」という意識の人が多数派だと思います。

 善意によって自己犠牲が強いられるブラックな職場は少しずつでも改善していく必要があります。それが会社のためでもあり、社会のためにもなると思います。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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