サイアミディン

糖質制限は高脂質高蛋白に優先する

糖質制限という言葉がネガティブなイメージを与えるから、

糖質制限という言葉を使わずに脂質やタンパク質をしっかり摂ることのポジティブさを伝え、

栄養不足を解消して結果的に糖質制限状態に導こうとする考え方があります。

それは一つの方法論としてはあってよいと思いますが、

私個人の考えとしては、栄養素を満たすことより糖質制限の重要性を伝えることの方がはるかに重要なことです。

なぜならば栄養失調は単なる栄養素の枯渇だけで導かれる現象ではないと考えているからです。
いわゆる食の欧米化現象によって、戦後私達の食は大きく様変わりしました。

食の欧米化は、それまでのお米・みそ汁を中心とした食事に、高脂質・高蛋白の食事が加わってきた現象だといえます。

もし栄養失調が栄養素の枯渇だけで引き起こされる現象であれば、食の欧米化で栄養失調が引き起こされるのは理屈に合わないはずです。

ところが実際には新型栄養失調とも称されるように、肥満がありしかし低蛋白状態の人が多く見られる時代となってきています。

高脂質、高蛋白の食材が広く普及してきたはずなのに、どうしてそのような現象が起こるのでしょうか。

これは私は解糖系を中心とした付け焼刃的なシステムが頻繁に駆動されること、それに伴いタンパク質やビタミン、ミネラルのリサイクルシステムが停止してしまうこと、それによって必要以上の栄養素が体外へ流出してしまうことが主因であろうと考えています。

解糖系代謝を駆動する最も強力なトリガーが糖質摂取ですが、それ以外にストレス過多もありましょう。

そして多食であることもリサイクルシステムを停止する大きな要因です。

私が行った高蛋白のササミ負荷試験ではかなりの量のインスリンが出ることが判明しました。

高タンパク食を多食すればその都度インスリンが出て、インスリンが分泌されればリサイクルシステムのオートファジーは停止します。

そうすると栄養素は必要以上の流出していき、それこそ多食しないと現状を維持できない身体となっていってしまうのです。

高脂質・高蛋白を押して結果的に糖質制限状態にしようというアプローチは、このリスクを見落とすことになりかねません。

例えば、やせ型で糖質制限をしていても食べても食べても全然太らないという人がたまにいらっしゃいますが、

これはまさに多食がかえってオートファジーを停止させる方向へと向かわせてしまっている事が本質的な問題だと私は考えています。

いざという時の臨時使用システムである解糖系を必要最小限使用にとどめるということが大切な事だと思うのです。

そうすればエネルギー効率のよいケトン体代謝を中心に生命活動が繰り広げられ、

オートファジーを中心としたリサイクルシステムも存分に働くことができるので、そんじょそこらなことでは栄養失調にならない状態を保つことができるようになると思います。

よく糖質制限にまつわる失敗で、糖質制限+カロリー制限をしてしまってヘロヘロになるというものがありますが、

あれも栄養素が足りないとだけ理解すると本質的ではないと私は思います。

普段さんざん糖質頻回摂取して解糖系を酷使している状況の人が、いきなり負荷の高いケトン代謝刺激をするようなことをしてしまうから、

代謝変更が追いつかずに体調を崩してしまうのだと思います。

いきなりではなく、じっくりとケトン代謝やオートファジーに慣らしていくようなプロセスを踏めば、

たとえ糖質制限+カロリー制限状態であっても体調良好、栄養失調なし状態をキープすることができると思いますし、

それでベテランの断食実践者や、不食と呼ばれる食べないことを基本に生活している人達がうまくいっている理由を一部説明できるのではないかと思います。


だから栄養素をしっかりと摂ること以上に、

解糖系を酷使する糖質摂取を制限することの方がはるかに大事なのです。


たがしゅう
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プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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