サイアミディン

インナーマッスルの鍛え方

本日は自律神経にも深く関わるインナーマッスルの鍛え方について考えます。

前回の記事ではインナーマッスルの機能低下は近代化生活に伴う異常姿勢の習慣化によってもたらされるという側面ついて書きました。

普通に考えれば、その異常な姿勢を正せばいいという事になりそうなものですが、

それは現代社会を生きていく上で極めて困難な行為だということにすぐに気付きます。

私で言えば、以前生活をシンプルにするよう考えた時にも外せなかったのがパソコンでした。

パソコンがなければ仕事にも支障をきたしますし、このブログを維持することも困難となります。

従って今後もパソコンと付き合って生きていく以上、できるだけ悪い姿勢にならないよう注意はするものの、この方法論では限界があるということになります。
一方で先日紹介した土中先生の発表では、

インナーマッスルの機能低下したパーキンソン病の首下がり症状に対してどのようなアプローチをしたのかといいますと、これがまた非常にユニークです。

縁日などで見かける「吹き戻し」というおもちゃを御存知でしょうか。

短い笛のような形をして先端から思いっきり空気を入れると丸まっている紙の部分が一気に伸びて広がるものです。通称「ピロピロ」と言ったりします。

実はこのピロピロがインナーマッスルを鍛えるのに有効だと土中先生はおっしゃるのです。



意外だと思いませんか。普通、首下がりの症状をよくしようと思えば、首周りの筋肉をほぐしたりストレッチしたりしそうなものです。
しかし土中先生の発表ではこのピロピロを用いたロングブレス呼吸運動をリハビリのメニューに組み入れることで首下がりに大きな改善効果をもたらしたことが紹介されていました。

いかに普通の運動では鍛えられないかということを伺い知ることができます。

それ以外にもティルト・リクライニング車椅子を用いてリラックスできる姿勢を保持しながら行ったり、

同時に足湯を行ったりと自律神経機能を高める工夫を取り入れながらメニューが組まれているようでした。


けれどもそんなピロピロは手元にありません、という方は、

歌ったり、大きな声を出すという事でもインナーマッスルを鍛える効果があるそうです。

そう言われてみれば、パーキンソン病の患者さんは声が小さい方が多いです。

自律神経が疲弊しきってインナーマッスルの力が発揮できないことの表現型が歌えない、声が小さいということなのかもしれません。

これなら普段からハキハキとしゃべるようにするとか、時々カラオケに行くなど具体的な対処法として実践できそうです。


インナーマッスルと言えば、もう一つ最近気付いたのは、

私が通っているジムで行われているピラティスです。先日初めてピラティスの45分コースを受けてきました。

何も知らない私は勝手に「ヨガと似たようなもの?」と思っていましたが、全然違いました。

ヨガが精神面や気持ちの良さに重点を置いているのに対し、ピラティスはまさにインナーマッスルトレーニングです。

ピラティスとは1920年代に、ドイツ人の従軍看護師ジョセフ・ヒューベルトゥス・ピラティス氏が開発したエクササイズです。

ピラティス氏は幼い頃からリウマチ熱、くる病、喘息などの持病があって病弱でしたが、

体操選手である父親と自然療法医である母親の影響を受けて、運動を中心に病を克服するための努力を重ね、

途中、ギリシャ彫刻の姿勢の美しさなどに興味を持ちながら自らの力で身体調整法を確立していきました。

実際にピラティスをやってみるとわかりますが、ピラティスは普段行わない運動の連続です。

その基本的な考えに「美しい姿勢を保つ」というのがあるので、トレーニングルーム一面に張り巡らされた鏡を見ながら適宜自分の姿勢をチェックするのもピラティスでの重要なプロセスの一つです。

私はピラティスを受けてみて自分の姿勢がいかに悪いかということを痛感させられました。

パソコンやりすぎ、スマホ見過ぎ、ソファ座りすぎ、なのかもしれません。


知らず知らずのうちにインナーマッスルが衰えていて、

その原因がわかっていても大きく改善させることができない場合には人為的な対症療法を考慮すべきかもしれません。

しかし本日紹介した方法でインナーマッスルを鍛える行為は、

対症療法でもあり根治療法にもつながりうるような気がします。

是非とも生活の中に上手に取り入れたいと思います。


たがしゅう
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インナーマッスルとしての横隔膜

ピロピロの件、興味深く拝見しました。
ダイエットとしての糖質制限から脱却し、運動、瞑想・マインドフルネスへと繋がる現代の養生を構築するには肉体とココロ(心身二元論を肯定するか否定するかはさておき)を円滑につなげる道筋や技法の発見が課題だと思います。
今回のピロピロによるトレーニングで、最も鍛えられるのは、インナーマッスルである横隔膜ではないでしょうか。ブログで先生が指摘されている自律神経系の良好な作用の隠れた引き立て役として横隔膜と周囲の骨格があると睨んでいます。
筋肉や骨の重要成分であるタンパク質の摂取と吸収については、糖質制限が得意とする分野です。従って、今回の知見をパーキンソン病の治療法に限定せず、筋肉・骨から呼吸へのつながりという視点から、糖質制限の応用技法として活用すれば一層の効果が期待出来ますし、ダイエットとしての糖質制限の脱却からの道筋のひとつになるかもしれません。

Re: インナーマッスルとしての横隔膜

やまたつ さん

 コメント頂き有難うございます。

> 今回のピロピロによるトレーニングで、最も鍛えられるのは、インナーマッスルである横隔膜ではないでしょうか。

 そう思います。
 横隔膜は普段意識されませんがかなり大きな筋肉で、
 呼吸・発声などに大きく関わっています。
 呼吸法を重視するヨガとも通じますし、勿論インナーマッスルを鍛えるピラティスともつながります。
 様々な領域を橋渡しする一つの鍵となる存在だと思います。

> 今回の知見をパーキンソン病の治療法に限定せず、筋肉・骨から呼吸へのつながりという視点から、糖質制限の応用技法として活用すれば一層の効果が期待出来ますし、ダイエットとしての糖質制限の脱却からの道筋のひとつになるかもしれません。

 こちらも同感です。
 私はすぐれた治療法は同時に予防法であると考えています。
 肩こりや緊張型頭痛をはじめ、体調を整えるという観点で様々な領域にインナーマッスルトレーニングは応用されていくべきと思います。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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