サイアミディン

良い人が生まれようがないシステム

「先生」と呼ばれる職業にろくなものはない、と言われることがあります。

相次ぐ大臣の失言、国会議員の不祥事、そのどうでもいい事について無為な時間を費やし続ける国会、

そもそもそんな事を行ったりしたら周りの人がどう思うか、想像力の足りない人達が「先生」と呼ばれ、この国を動かしているように見えます。

そしてそんな「先生」達には一般人に比べて高額な給料が国民の税金から支払われているのだと言うのだから、考えてみれば腹立たしい話です。

それが嫌なら自分が政治を変えようと立ち上がったとしても、容易に変えられないシステムが強固に構築されています。

その点は政治家が得するシステムを構築した昔の人が一枚上手だと考えざるを得ません。
例えば、もしもお金やコネなど様々な問題を運良くクリアでき、

立場ある国会議員になって、極端に言えば首相になって、「今日から国会議員の給料を半額にする!」と高らかに宣言するとします。

それによって新たに国のために使えるお金の増額分は国家予算の中では微々たるものかもしれませんが、

そもそも政治家になった目的が国の為に役に立つことをしたいということであれば、

有り余る給料をもらうこと自体が国民の為になっておらず、それを返上することで何か別のことに役立てる事は、

国民に対してその政治家が大変わかりやすく誠意を示す行為となり、まずは良いパフォーマンスとなります。

またもともと高すぎた給料が半分になっただけだから贅沢さえしなければ生活の質は落ちません。

何より給料を半額にすることで辞めない政治家は、本当に国の為になることを真剣に考えてくれる人である可能性が高くなるし、

逆に高額給料で持ち上げられる事を重視する政治家は馬鹿馬鹿しくて続けにくくなるわけで、

良い政治家を残し、悪い政治家を駆逐するシステムとして機能する可能性があります。

しかしもし誰か力のある政治家がそう言ったとして、その先に起こるであろう出来事を想像してみて下さい。

まず間違いなく、給料が減ることを嫌がる政治家達に一斉に足を引っ張られることでしょう。

もしかしたら、あることないこと週刊誌に暴露されたり、マスコミの力を借りて一気に悪いイメージを植え付けられあっと言う間に退陣に追い込まれるかもしれません。

2:8の法則」で言えば、8割の人間は真偽を見抜くことは出来ず、操作された世論に左右されてしまいます。

真実に気付いた2割の人間がたとえどれだけ声を上げようと、多勢に無勢、権力に無勢、大きな流れの中でかき消されてしまいます。

ということは、今の政治のシステムで本質的に国を良くするシステムはどう転んでも生まれようがないという話になります。


この話との共通構造を、同じく「先生」と呼ばれる医者においても私は見出すことができます。

既得権益がたんまりとあるシステムに改善を呼びかけても土台無理な話なのです。

無理なことに時間を費やしたり、思い悩んだりすることほど無駄なことはありません。

だから私は政治に対しては、何かが変わってくれる事を全く期待せず、

政治が私の生活を脅かす何らかの妨害行為(例:消費税を上げられる、など)を受けたとしても揺るがない生活基盤を作ること、

そして政治とは全く関係のない場所で、自分の出来る範囲で国民の為になること、すなわち他者貢献をするということです。

それは政治と向き合わない逃げの姿勢と捉えられるかもしれませんが、

それが私が政治に対して考えて出した自分の意見です。政治の中に入って政治を良くするだけの力が私にはないから仕方がないのです。

その意味で政治のシステムを作り上げた先人に対する敗北を私は認めざるを得ません。

けれど本当に良い事が政治の中で行われないのであれば、

政治の外で良い事をするための方策は何かと発想を変えればいいと思います。


医者も給料や名誉を得ることが本分ではないはずです。

患者の為になることをするために医師になった初心を忘れずに生きていきたいと思います。


たがしゅう
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糖尿病の国

「節約することは常に正しい」というのも思い込みです。
そもそもデフレとは国民全体が節約して物やサービスを買わない状態です。
公務員などの給料カットも節約です。

無駄遣いは無駄ではありません。

経済学は物不足のインフレ対策がメインであり、物余りのデフレは想定していなかったという話を聞きましたが・・・
これは糖尿病に似ています。

Re: 糖尿病の国

ふあっつおー さん

 コメント頂き有難うございます。

 節約が悪い方向に働く時、浪費が良い方向に働く時、それぞれあると思います。
 お金の使い方をどうこうするというのはあくまでも表面的な問題であり、その行為の本質を見失わないことが大切です。

 今回の例で言えば、国会議員の給料を半額にすることによって国会議員の行動を正すという意図が込められています。決してそれにより財源を確保しようという意図ではありません。

 断食によって代謝を正そうとする行為と共通構造があるように思います。

No title

選挙で選ばれた政治家というのは、ごくごく平均的な人間です。我々が投票したくなるのは天才的なエリートじゃなくて親近感の湧くフツーの人だからです。
日本の政治家に失言や不祥事が多いということは(諸外国に比して私は多いとも思いませんが)平均的な日本人もそうだということです。

さて我々と同じ凡人の政治家に良い仕事をしてもらおうとすると、手っ取り早いのは優秀なスタッフ陣を抱えてもらうことです。優秀な人間を確保するには、やはりそれなりのお金が必要だろうと思います。つまり政治家へのある程度の報酬は必要ではないでしょうか。

政治家というのはしんどい職業だと思います。選挙で落ちればただの人で、国民のためを思ってという初志も生活の保証がなくては貫徹できないでしょう。

Re: No title

SLEEP さん

 コメント頂き有難うございます。

 どれだけ優秀な人材でも、多数派とならない限りは既存システムに潰されてしまうでしょう。
 糖尿病学会に優秀な糖質制限推進派医師が入会しても組織が変わらないのと同じ構図です。

 従って、優秀な政治家に頑張ってもらえるようたくさん報酬を与えるべきというアプローチには私は賛同できません。

No title

自動車の場合、危険な運転をしたら免許は停止処分、更には失効となります。医師免許にはコレがない(わけではないんでしょうけど)ですよね。つまり患者にとって危険で有害な集団が闊歩できるシステムなわけです。

一方で政治家は無能だと判断されれば、失脚し落選です。鳩山元首相は名家出身の大金持ちですがもはや当選はしません。自浄作用が働いている証左であり誠に結構なことです。

Re: No title

SLEEP さん

 コメント頂き有難うございます。

> 患者にとって危険で有害な集団が闊歩できるシステム


 法に触れる違法行為を行えば医師でも免許はく奪です。
 問題は法の中で行う医療行為の中に危険で有害な行為が含まれているということだと思います。

> 一方で政治家は無能だと判断されれば、失脚し落選です。
> 自浄作用が働いている証左であり誠に結構なことです。


 必ずしも自浄作用が働いているとは私には思えません。

 数年前に無能ぶりを露わにした政治家が、今は何食わぬ顔で要職に付いているという場面は結構見られます。いくら無能ぶりを示しても時間がたてば国民の記憶は薄れます。国民の注意は新聞やテレビの情報に奪われます。
 自浄作用がきちんと働いている、国民の意志が反映されているという風に私達に錯覚させる実に見事なシステムが構築されてしまっていると私は思います。

学習性無力感

投票率が10%増加すれば、
政治家の大勢に影響があると
言われています。
しかし、多くの人は日常に追わ
れ、それとともにどうせ自分が
投票しても変わらないと高をくく
って投票に行かない。
国民の中に学習性無力感に似
た感情を抱かせているように思
います。
それが政治家を堕落させる理由
になっているような気がします。

Re: 学習性無力感

pochair さん

 コメント頂き有難うございます。

 忙しくて選挙に行けないのと、明確な意志を持って選挙に行かないのとでは表面的な行動は同じでも向かっている方向は全く違います。

 また「一票の重み」とは聞こえの良い言葉ですが、多くの票がマスコミによって8割左右されるのならば、私にとっては到底信用できない言葉です。

 勿論政治に参加しないと腹をくくる以上は、政治にどのようにされても文句は言えないという事になりますが、私はそれでも政治ではない所に希望はあると思っています。

No title

結局のところ、先進国であれば政治家というのはできればやりたくない職業なんですよね。私服を肥やすのはできなくはないけど難しいし、少し失敗しただけで非難される、有能な人ならさっさと他のビジネスをやるでしょう。
無能な人材が何食わぬ顔で要職に就くということは、結局その程度の人材しかその国にいないということです。あるいは国民全部から無能と罵られても続ける根性のようなものが政治家には必要ですが普通の人間にはそんなものありませんよね。例えば麻生元首相はスタンフォード大出身で英語ぺらぺらですが、些細な漢字間違いを非難されてました、普通の人間ならやってられるかとなると思います。

Re: No title

SLEEP さん

 コメント頂き有難うございます。

 政治というシステムが極めて巧妙なのであって、政治家はある意味被害者という見方もできるかもしれませんね。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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