サイアミディン

なぜそう言いきれる?

糖質制限はうつ病の症状を改善する可能性があります。

私は医者ですが、その事を自分の身で体験しました。

その医学的な根拠も今ならちゃんとわかります。

一方でうつ病で抗うつ薬を飲んでいる人はかなりの確率で依存状態になっていて、やめるよう勧めても応じてくれなくなっています。

そうなるとこの先ずっと薬を飲み続けなければならなくなります。それは発症が若ければ若いほど辛いことです。

薬なしでうつ病がよくなるに越したことはありません。

だから私はうつ病で悩んでいる人にはまず糖質制限を勧めます。

先日重度のうつ病とてんかんがあり、転居に伴い処方の継続依頼のため当科を受診された20代女性の患者さんがいました。
うつ病については別の精神科病院で脳に作用する「向精神薬」などを中心に10種類も処方されている状況でした。また目はうつろで覇気がなく、そして何より高度の肥満がある方でした。

一方、てんかんという診断名がついているのですが、

その診断過程が不明で、どうやら「意識を失う発作を繰り返す」からてんかんという診断がついたとのことでした。

真のてんかんであれば脳波異常を伴うことが多いのですが、この方にはそれは見られませんでした。

ここで私はいくつかの可能性を考えました。

まず「てんかんの診断自体があやしい」

かなりの肥満体でもあり糖質の過剰摂取はまず間違いなくあるでしょう。そうすれば血糖の乱高下に伴う機能性低血糖症の可能性があります。

ただそれは経験的にはやせ型体型の人に多いのでどちらかと言えば可能性は低いかもしれません。

それよりもっと考えられるのは「睡眠時無呼吸症候群」の可能性です。

肥満に伴い寝ている姿勢の時にのどのぜい肉によって気道が圧迫され、夜間に呼吸が制限され無呼吸を繰り返すという病気ですが、

夜間に熟睡できないせいで日中にすさまじい眠気をきたすという特徴があります。

ともすればただの怠けともとらえられない厄介な症状ですが、私も経験者なのでわかりますがそれはおそろしいほどの眠気です。

なにせ昔JRの運転手がこれが原因で大事故を起こした程です。大勢の客を乗せて絶対に眠ってはいけない状況の電車の運転手でさえ絶えられなかったほどの眠気です。

これは意識消失発作ともとらえられる症状です。

ただ機能性低血糖症にしても、睡眠時無呼吸症候群にしても、どちらも糖質制限がその対策になります。

糖質制限で血糖の乱高下を防げますし、効果的にやせることができるからです。

次に考えたことは「そうだとすればてんかんを抑える薬は不要」です。

てんかんを抑える「抗てんかん薬」と呼ばれる薬もてんかんに対してはよく使われるのですが、使われる方の身になるとこれも非常に厄介な薬だとわかります。

てんかんを発症する人には若い人も多かったりもするもので、てんかんと診断されて薬を処方されたら先ほどの抗うつ薬と同様一生のみ続けていかなければなりません。

またてんかんと診断されると車の運転ができなくなります。運転中に発作が出た時に大事故につながるため法律で制限されているのです。

さらに「抗てんかん薬」を飲むことは根本的な原因に対して何もしてはいないので、ただ症状を抑えているだけなので、

一旦薬を飲み始めて薬を中断できるようになるというのは、ないわけではありませんが、やめて再発せずに一生を過ごせるというのはかなり稀なことです。

このようにてんかんであるか否かではエライ違いなのです。

でもそんなてんかんに対してケトン食を行えば私はてんかんの薬をやめることは十分可能だと考えています。

普段の食事によって発生するケトンが、毎日飲む抗てんかん薬の肩代わりをしてくれるからです。

さらに「うつ病に対して向精神薬が入りすぎている」と考えました。

たくさんの薬が処方されており、彼女は完全にうつろな症状でした。しかし主治医である精神科の医師によりこれを飲んでいないとうつが悪化すると言われて素直に守って飲み続けているのです。

西洋薬というのは、言ってみれば単一の薬効成分が抽出・凝縮されてできたものですので、よく足し算的な発想で処方されるのです。

例えば頭が痛くて、めまいがして、吐き気がしている人に対して、頭痛薬とめまい止めと吐き気止めが出される、といった感じです。

下手すれば頭痛薬の副作用予防に胃薬も出されかねません。こうして薬はどんどん増えていく構造なのです。

この患者さんに10種の薬が出されていることに理路整然とした理由があるとは私にはどうしても思えませんでした。

薬には相互作用もありますので、こうなるともはや飲んでいる患者さんの頭の中ではわけのわからない事が起こっていてもおかしくない状況です。

はたしてうつ病が進行しているのか、それとも薬で過鎮静になっているのか、ということです。

それを確かめようとしたら薬を一旦やめてもらうしかないのですが、向精神薬には依存性があるので、それすらも容易ではなく、今度は薬をやめたことによる離脱症状なのか、もとのうつ病の悪化なのかがわからなくなるというどつぼにはまるわけです。

最後に私は「ケトン食を行えば、てんかんもうつ病も肥満も全て改善できる可能性がある」と考えました。

この患者さんに私は例によって時間をかけてできるだけわかりやすくケトン食の意義と方法について説明しました。糖質制限関連本も貸し出して(※私はいろんな種類を何冊も持っています)、彼女は納得して実践してくれることになりました。

1ヵ月後、2ヵ月後と経過をみていくにつれ、彼女はどんどんスリムになっていきました。また表情にも明るさが出てくるようになりました。

うれしい事に精神科で出されていた向精神薬の種類も10剤から5剤に減っていました。

「いいですよ。とっても上手にケトン食ができています。この調子で薬ゼロを目指していきましょうね」

と彼女に話したところ、驚きの言葉が返ってきたのです。

『それはダメです。精神科の先生にこれは一生付き合っていかないといけない重度のうつ病だから薬をやめてはいけないと言われているんです。精神科3件回りましたが、3件ともにそう言われました。』

…なんとも愕然としました。



何をもって一生付き合っていかないといけないと言い切れるのか…

まだ若いこの患者さんの人生に対してそう決め付けるだけの根拠はあるのか…

そんな事を言った医師には自分の治療が間違っていたかもしれないと自己回帰する考えはないのか…




私には自分自身がうつを乗り越えた経験があります。

だから「うつ病が治らない」と言う言葉がウソだと見抜けます。

そんな無責任な事を言い放ち、若い患者さんの人生を狂わせる医師の事が

私は心底許せません。



たがしゅう
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自分を見ているよう・・・

accoも「治らない」と診断されて
薬剤性の膵炎で断薬せざるを得なくなるまで
毎日おなかいっぱいお薬を飲んでました。

機能性低血糖を視野に入れて
糖質制限に理解のある病院で
検査を受けてみたいなぁと思いました。

P.S.
昨日は有難うございました☆彡
早速ワセリンを買って帰り
今テラテラの顔でPCに向かっていますww。

Re: 自分を見ているよう・・・

☆ acco ☆ さん

コメント頂き有難うございます。またこちらこそ昨日は有難うございました。

ワセリン、うまくいくといいです。応援しています。

薬過剰の問題も、肌荒れの問題も、実は根本は一緒で、

要は「いかに自分の体が治るのを邪魔しないか」という事が大事だと思います。

それから昨日紹介した以下の本、参考になると思いますので、よかったらご覧になって下さい。

『肉食女子の肌は、なぜきれいなのか? 細胞から整える分子整合栄養医学のすすめ
森谷 宜朋』

おはようございます ♪

「いかに自分の体が治るのを邪魔しないか」
accoの最重要課題です。

当該興味深いご本は
kindle版にも区立図書館にも無かったので
これから本屋さんに出向いてみます。

たがしゅう先生も
よい日曜日をお過ごし下さい❤

Re: おはようございます ♪

☆ acco ☆ さん

すみません。昨日お貸ししていればよかったのですが、なぜかその発想が飛んでしまっていました…。

> たがしゅう先生も
> よい日曜日をお過ごし下さい❤


ありがとうございます。☆ acco ☆ さんも。

期待がふくらみますね

昨日はお会いできてとても光栄でした。
ありがとうございます。

オフ会に参加して思いました。
許し難い現実というものは嫌でも目に入って来てしまいますが、
「それだけにまだまだできることがある」
という現実も、平等に存在しますね。
未来に希望を持てる動機になります。

糖質制限の良さを広めたいという志を持つ方々には、
沢山の「できること」が現実にも、未来にも待っていますね。
見方を変えれば、とても幸せなことだと思います。

たまたま糖質制限を趣味でしている私は、
糖質制限をめぐってこんな時代が到来しているのを
体験できることに喜びを感じています!
これからどうなっていくのか…♪

現場に立つ方々はそんなことは言っていられないと思いますが、
かげながら応援している人もいる、ということを
忘れないで頑張って下さい。

これからもわくわくしながら応援を続けます。
充実した毎日でありますように☆

悔しい思い

たがしゅう先生、こんにちは。
社会人になるといろいろな悔しい思いをすることがありますがたがしゅう先生がここで紹介された事例はもっとも悔しく感じることですよね。

また専門家の診断というかアドバイスは特に最初の人のものに大きな影響を受けます。Aの人には1の方法をBの人にも1の方法をででもCの人には2の方法を言われた場合には診断を受ける人は混乱してしまいます。

この場合AもBもそれほど熟慮して相談者のためにといいうよりも思考停止した状態でおざなりの診断をすることはあり得ると思います。

いずれに患者は不安がいっぱいなので安心させてからじっくり説明するのが一番良いのでしょうね。

Re: 期待がふくらみますね

棗 さん

コメント有難うございます。こちらこそ昨日は有難うございました。

> 許し難い現実というものは嫌でも目に入って来てしまいますが、
> 「それだけにまだまだできることがある」
> という現実も、平等に存在しますね。
> 未来に希望を持てる動機になります。


そうです。希望は確かにあります。

こうして、小さな輪が着実に広がり続けていることです。

困難な道かもしれませんが、それだけに非常にやりがいを感じます。

これからもどうか宜しくお願いします。

Re: 悔しい思い

クロワッサン さん

コメント頂き有難うございます。

他の医者の説明している状況をみているわけではないので断定はできませんが、

3分診療と揶揄される状況を鑑みれば、おそらくきちんと説明できていない場合が多いでしょう。

何に時間をかけるべきかが大事だと思います。回転を重視するあまり説明がおざなりになっては本末転倒です。

昨日はありがとうございました

昨日のオフ会(一次会のみ参加でした)で、たがしゅう先生や皆さんにお会いできて、本当によかったと思っています。
半年前までの私は、パニック障害、不安障害で10年くらい前から薬が手放せない状態でした。
めまい・貧血・動悸、心拍数は常に100くらい・平熱は35度で一年中冷え性、平らな道を10分歩いただけで心臓バクバク状態でした。
体に良いと思って野菜中心の食生活だったせいか、鉄欠乏貧血もありました。
それが5ヶ月前から糖質制限を始めて、平熱は36度・心拍数は75・早足で歩いても息切れすることがなくなりました。
本当に目からウロコ!でした。
昨日お聞きした「肉食女子の肌は、なぜきれいなのか? 細胞から整える分子整合栄養医学のすすめ 」さっそくamazonでポチりました。
これから自分の身体がどう変わって行くのか楽しみです。

p.s 私もさっそく家にあったワセリンを塗って、テラテラになっています(笑)

Re: 昨日はありがとうございました

ゆきみん さん

こちらこそ昨日は有難うございました。

私もこういう機会で皆さんにお会いする度に勇気付けられる所があります。

基礎化粧品としてワセリンを利用するやり方は肌荒れで悩む女性の方には是非とも一度試して頂き感想をお聞かせ願いたいです。私自身は化粧をしないので…(^_^;)

ともあれ、今後とも宜しくお願い申し上げます。

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No title

何をもって一生付き合っていかないといけないと言い切れるのか…
まだ若いこの患者さんの人生に対してそう決め付けるだけの根拠はあるのか…
そんな事を言った医師には自分の治療が間違っていたかもしれないと自己回帰する考えはないのか…
私には自分自身がうつを乗り越えた経験があります.
だから「うつ病が治らない」と言う言葉がウソだと見抜けます。
そんな無責任な事を言い放ち、若い患者さんの人生を狂わせる医師の事が
私は心底許せません。

そのとおりですね。いたく、共感いたします。


Re: 昨日はありがとうございました。

ユッキ さん

 こちらこそ有難うございました.

 勇気を頂くのは私も同じです,これからも宜しくお願いしますね.

Re: No title

わんわん さん

 共感頂き有難うございます.

No title

たがしゅう先生こんにちは。

糖質オフネットワークの精神科医takです。
いつもブログを興味深く拝見させていただいています。先日は興味深いお話をいろいとろありがとうございました。

精神科では多剤併用、大量処方が問題になっていますが世間では依然として多く行なわれています。抗不安薬、睡眠導入剤は依存の問題もありますが減量や中止を検討されることもなく安易に長期処方される傾向にあると思います。うつ病、うつ状態は患者さんの中で抗鬱剤が効く人はごく一部です。当然、抗鬱剤を服用しても全く効かない人にどんどん薬を上乗せすれば副作用が強くなるだけです。抗鬱剤が必要な患者さんかどうかを判断するのが精神科医の仕事のひとつだと思います。しかし世間一般では製薬メーカーの過大な宣伝をうのみにしてうつ状態があればすぐに抗うつ剤を処方し、効果がないにも関わらず、延々と処方し続ける先生方が非常に多いことが残念です。効果がない或いは不明であれば、徐々に減量→中止すればよいですし、その過程で悪化すれば、実は有効であったということで、その直前の処方に戻せばいいだけです。
うつや不安、不定愁訴を訴えて受診される患者さんの中には鉄欠乏、蛋白質欠乏や甲状腺機能低下、血糖乱高下などの身体的問題が隠れている人が多いという印象を持っていますが、このあたりの問題は残念ながら現在の精神科医療ではほとんど無視されています。
個人差はありますが糖質制限でうつや不安がほとんど消失して向精神薬が不要になる方もおられます。また、糖質制限を続けている人はストレスに対する耐性が強くなるように私は感じています。



Re: No title

tak先生

 コメントを頂き有難うございます.こちらこそ先日は大変お世話になりました.

 糖質制限は精神医療にも活用できる治療だと私は考えています.

 先生のように糖質制限に理解がある精神科の先生と交流できることは心強い限りです.今後とも宜しくお願い申し上げます.
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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