サイアミディン

こじれた冷えに立ち向かう術

人間は恒温動物で常に体温を一定に保っています。

いわゆるホメオスターシス(恒常性維持)と呼ばれる機構に深く関わる温度産生システムのおかげです。

そのシステムが過剰適応を起こせば発熱、消耗疲弊となれば冷えという現象が起こります。

そしてシステムのシャットダウンが不可逆的に進行していけば、究極の冷え状態、即ち死に至る流れがあります。

ペットなどでも哺乳類の死に立ち会ったことがある人なら、死んだ後の動物は固く冷えきっているという事実を知っていると思います。

広く捉えれば冷えとは死に近づいている危険信号とも捉えることができるのではないでしょうか。
冷えが不可逆的な現象となる前に、可逆的な段階で対処すれば非常事態を未然に回避することが可能です。

それにも関わらず、西洋医学は冷えに対して無頓着過ぎます。冷えるのはその人の体質だと。冷えるのは良くないので温かくしてください、と。

しかしながら冷える原因は単に寒い外気にさらされるという要因だけではありません。

糖質がNa+/グルコース共輸送体を通じて水分、ナトリウムと共輸送され、水分停滞が起これば冷えを呼び込む、だから糖質制限は冷えにも有効だという話は以前にもしたと思います。

他にもストレスが加わり続けることで、交感神経過緊張状態となり血管が収縮し続け、血圧の上昇とともに末梢の血行不良となり冷えを呼び込むというメカニズムもあります。

そのいずれに対しても西洋医学は無力です。糖質中心のカロリー制限食を勧められるし、自律神経を調整する西洋薬はほとんどないからです。

自律神経を一方的に高めたり、一方的にブロックしたりする薬はあります。α、β作動薬、α、β遮断薬、抗コリン薬といった類の薬です。

しかしこれらは一方向的に代謝をいじる薬であり、あっちが立てばこっちが立たないという現象が多かれ少なかれ起こります。その立たなかったこっちのことを副作用と呼びます。

強いて言えばプロスタグランジン製剤とビタミンE製剤が西洋薬で唯一冷えに対応しうる薬という事になるでしょうか。

しかし現代人、特に女性の冷え率の高さを考えれば、西洋医学がこれらの武器で冷えに対して立ち向かえているとは私は到底思えません。

冷えに対する治療戦略では私が扱う漢方薬の方が圧倒的有利です。なぜでしょう。

ビタミンを補うという発想だけでなぜ冷えは改善しないのでしょう。

それは漢方薬に消耗疲弊の病態を改善させるメカニズムがあるからだと私は考えます。

ビタミンの補充はあくまでもまだシステムが消耗疲弊しきっていない場合に成立する治療だと思います。

消耗疲弊していればビタミンを使う代謝そのものが錆びついているために、いくらビタミンを補った所で無駄なのだと思います。

人間を機械のように考えてしまうと、とにかく冷えているのならビタミンEを補えば冷えを改善するシステムが動き出すであろうと考えます。

しかし実際には動的平衡を持った生命体です。生命のダイナミズムがどのくらい残っているかによって単に材料を補充するだけでは解決しない側面が顔を出すことになります。

極論を言えば、材料が完璧にそろっている死体にビタミンを投与しても冷えは改善しません。

ビタミン補充で改善しない冷えを改善させるためには消耗疲弊し錆びついたシステムを賦活する方法を考えなければできません。

そのための具体的方法で今私が扱えるのが漢方薬で、

もしかしたらホメオパシーでもそこにアプローチできるかもしれないと私は考えています。


たがしゅう
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プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院にいます。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

南鹿児島さくら病院では職員を随時募集中です。
詳しくはホームページhttp://www.nissyoukai.or.jp/
を御覧になって下さい。
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※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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