サイアミディン

Low T3症候群熟考

本日は糖質制限界隈で時折問題になるLow T3症候群について考えてみたいと思います。

LowT3症候群(低T3症候群)のT3というのは、甲状腺ホルモンの一種です。

甲状腺ホルモンというのは一言で言えば、全身の代謝を高回転させる方向に働くホルモンです。

甲状腺を含む内分泌系のシステムは全体的に複雑な話が多くて、理解するのが難しい印象を私は持っています。

一方で成書でLow T3症候群について調べてみると、実はたいしたボリュームが割かれていない事が大半です。

なぜならば、後述する理由でLow T3症候群は甲状腺ホルモンが下がる状態でありながら、真の甲状腺機能低下症だとは捉えられていないからです。

糖質制限関連で言えば、摂取エネルギー不足だとこのLow T3症候群になる、という事が言われていると思いますが、

今回はもう少し踏み込んでこの病態の理解に努めたいと思います。
甲状腺ホルモンであるT3(別名:トリヨードサイロニン)とT4(別名:サイロキシン)の99%以上は、

TBG(サイロキシン結合グロブリン)やアルブミンなどの血液中タンパク質と結合して存在しており、その結合状態だと生理活性を持ちません。

従って、甲状腺機能の働きを見るためには、タンパク質から離れた1%未満の遊離型T3(free T3), 遊離型T4(free T4)を測るのが一般的です。

しかし、一般内科診療の中で、free T3は測っても真の甲状腺機能低下症を検出できないという理由であまり重要視されておらず、

臨床現場ではfree T4と、その上流で下垂体から甲状腺ホルモンを分泌させるよう甲状腺に刺激を送るTSH(甲状腺刺激ホルモン)の2項目を測定し、甲状腺機能の異常の有無をみるスクリーニングとして用いられていることが多いと思います。

さてそんな軽く扱われているT3、なぜT3が低いだけだと甲状腺機能低下と扱われないのでしょうか。

こういう根本的な話は、成書を読み解くよりも意外と学生向けの書籍にわかりやすく書いてくれていたりします。

私が医学生の頃、そのわかりやすい説明に衝撃を受けた参考書がありました。海馬書房の「STEP」シリーズです。

それまでの医学部の講義や分厚い教科書ではいまいち理解できなかったことも、分かりやすくかみ砕いて説明されており、

だからと言って単純化し過ぎず深い話まできちんと言及されていて、なおかつ痒い所まで手が届く守備範囲の広さが私好みでした。

医学生向けの参考書には他にもいろいろなシリーズがあるのですが、私はSTEPが一番バランスがとれていたように思います。

そんなSTEPに久しぶりに頼りたいと思います。



STEP内科〈3〉代謝・内分泌 (Step series) 単行本 – 2002/11
高橋 茂樹 (著),‎ 板垣 英二 (監修)


最新版は第3版ですが、手持ちのSTEPは第2版なので、そちらから引用します。

(以下、p169より引用)

甲状腺からは3種類のホルモンが分泌されますが、その93%をT4が占めます。

その残りは、T3が5%、rT3(※「リバースティースリー」と読む)が2%です。

ところが、活性の強さは圧倒的にT3がT4を上回っています(※rT3は不活性型)。

したがって、有効にホルモン作用を発揮させたいのであれば、T4をT3に変換してから標的細胞に作用させた方が合理的です。

また、アクセルを踏みすぎるとオーバーヒートしてしまうので、甲状腺ホルモンの作用を抑える必要もあります。

この場合には、T4をrT3に変換すれば、その目的を達することができます。

このような理由から、甲状腺から分泌されたT4のうち、1/3がT3に、1/2がrT3に変換されています。

ところで、T4はヨードを4個もっていたのに対し、T3およびrT3のヨードの数は3個です。

そこで、T4からT3およびrT3への変換を脱ヨード化と呼びます。

また、T4からT3への脱ヨード化を媒介する酵素は5'-脱ヨード化酵素、T4からrT3への脱ヨード化を媒介する酵素は5-脱ヨード化酵素と呼ばれます。

T4は以上の比率でT3とrT3に変換されますが、これは正常の場合です。

甲状腺ホルモンはアクセルのようなものなので、車の状況によってアクセルの踏み方(甲状腺ホルモンの作用のさせ方)も変わってきます。

例えば、排気量が5000ccのベンツを時速200kmで走らせてもびくともしませんが、

排気量が500ccの中古の軽自動車を同じ速度で走らせると、車が壊れてしまうかもしれません。

同時に、身体が弱った状態にあるときには、T4からT3へ変換する5'-脱ヨード化酵素が抑制され、それに伴ってrT3へ変換される比率が高まります。これを低T3症候群(Low T3 syndrome)と呼びます。

具体的には、飢餓状態(神経性食欲不振症)、全身性消耗性疾患、外傷、手術後などが挙げられます。

また、糖質コルチコイド、プロプラノロール、プロピルチオウラシルなどの薬剤も同様の効果を引き起こします

(引用、ここまで)



以上の話を私なりにまとめますと、

甲状腺から実際に多く分泌されているのはT4、

しかし甲状腺ホルモンとしての活性が強いのは圧倒的にT3、

なので甲状腺ホルモンの作用を高めたい時にはT4からT3への変換を、弱めたい時にはT4から不活性型のrT3への変換を身体は自律調整しているという事になります。

しかしあまりにも甲状腺ホルモンの作用が高すぎると、アクセル踏みっぱなしの車のようにオーバーヒートしてしまうので、

T4からT3への変換に積極的にブレーキをかける反応が起こり、それをLow T3症候群と呼ぶのだということです。

つまりはLow T3症候群はむしろしっかりと甲状腺が機能している証であり、機能し過ぎていると言ってもよいかもしれません。

ただ、STEPの解説では身体が弱っている時にLow T3症候群が起こるとなっていますが、

身体が弱っているというのに、甲状腺が機能し過ぎるというのに私は若干違和感を感じます。

具体例として挙げられている神経性食欲不振症、全身性消耗性疾患、外傷、手術は確かに身体が弱っている状態ですが、

もう一つLow T3症候群が起こる要件として糖質コルチコイドの投与が挙げられています。これは必ずしも身体が弱っているという事にはなりません。

糖質コルチコイドというのは代表格が当ブログでよく登場するコルチゾール、いわばストレスホルモンです。

具体例で挙げられている病態は弱っていると同時に身体にストレスがかかっている状態です。ストレスホルモンを投与しても同じ状態が起こるというのであれば、

「ストレスがかかっている時にLow T3症候群は起こる」という風に一般化できそうです。

もっと言えば、ストレスホルモンというのはストレスがかかった時に分泌されるホルモンというよりも、

ストレスを受けてオーバーヒートになりかけている身体にブレーキをかけようとしているホルモンだという事がT4からT3への変換が抑制される様子からも推測されます。


エネルギーが足りないという状態も身体にとっては十分なストレスです。

それは私自身、8日間の絶食実験を行った際に記録した甲状腺ホルモンの値をみてもLow T3症候群を呈していたことからもわかります。

しかしその一方で絶食中は尿中に漏れるほど有り余るエネルギー源としてのケトン体が大量に放出されている状況にあります。

絶食状態のストレスはエネルギーが足りないストレスというよりも、エネルギーがありすぎて到底処理しきれないストレスの方が大きいように私は考えています。

そんなにエネルギーがあってもまともに使ったらオーバーヒートしてしまうから少しブレーキをかけなさいという意味合いでLow T3症候群が起こっているのだとすれば、

Low T3症候群は「今の状態では無理をしていますよ」ということを教えてくれているサインだと捉えることもできそうです。

確かに甲状腺機能をみるにはfree T3の測定は不要かもしれませんが、

身体に無理がかかっているかどうかをみるにはfree T3は有益な情報であるように私は思います。

そしてやせ型体質の人が糖質制限を実施してLow T3症候群とともに体調不良を自覚するという場合も、

それは同じように身体に負担がかかっている事を現すサインだと思います。

ただそれは「あなたは糖質制限をしてはいけません」というサインではなくむしろ、「あなたの糖質制限はペースが速すぎです」という事を教えてくれているように私は考えます。

対策としては糖質の制限具合を一旦戻すか、摂取エネルギーを上げるか、とにかく身体が喜ぶ方向へ一旦戻す必要があります。

あるいは、やせる事に極端な恐怖を感じたり、糖質制限で筋肉が減少していく不安を払拭できないストレスなどがかかっている場合も、

そのストレスがストレスホルモンを介してLow T3症候群を引き起こしていることもありえます。

いわば、「あなたは糖質制限をすることにストレスを感じ過ぎています」ということを教えてくれているサインです。

その場合、糖質制限とは関係なしに考え方を変えるストレスマネジメントが必要だと思います。


ちなみにLow T3症候群を呈した場合、一旦元の状態に戻すのが無難な対策だとは思いますが、

その状態を何度か繰り返していくことで適応していく可能性についても私は見通すことができます。

なぜならば糖質制限状態で初期にもたらされる有り余るエネルギー、高ケトン血症は、

しばらくその状態を続けていくことで、ケトン体の尿細管からの再吸収効率が高まり、同じ高ケトン血症でもきちんと扱えるように代謝が変わってくることが知られているからです。

断食を繰り返して、慣れていく人がいるようにLow T3症候群も繰り返せば慣れていくかもしれないというのはあくまでも私の推測です。

一旦立ち戻るか、あえてそのまま進んでみるのかは、

自分の体調と相談しながら考えていくと間違いが少ないのではないかと私は思います。


たがしゅう
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Re: No title

かい さん

コメント頂き有難うございます。

何かが多すぎるとか、少な過ぎるとか言う発想にとらわれ過ぎるとその事自体をストレスに感じ過ぎてしまう落とし穴にはまります。適正量はおそらく人によって違うし、同じ人の中でも状況によって変わります。
その過不足を適切に教えてくれるのが体調だと私は考えています。ただ何が過不足になっているかまでは教えてくれないので、例えば糖質制限をして体調が悪くなったのなら、糖質の制限具合を緩め、タンパク質を増やし過ぎて体調が悪くなったのなら、タンパク質を減らしてみる。同時に二つ以上の変更を行わず、一つひとつ行ってどうなるか自分の体調と向き合うのです。そうやって体調ベースで自分の身体が喜ぶ方向へハンドリングしていくのが基本となると思います。
サプリメントについては私は必ずしも必要とは思いませんが、サプリがないと不安に感じる人はストレスマネジメントの観点から使うのも一手です。ただし理論に踊らされず、あくまで体調をベースにされることを私はおすすめします。

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Re: No title

かい さん

 体調の変化が全く起こらないということはないはずです。
 悪い中でも体調の変化は何か起こっているはずです。
 人間の身体は動的平衡状態といって、何も変わっていないと思われる中でも必ず変化をし続けています。

 ただストレスや不安が多すぎる心理状態のせいで、そうした自分の変化が見えない状態になっている可能性もあります。
 またお会いしていないので何とも言えませんが、そのままの心理状態では過剰なストレスで消化吸収能も低下してしまっており、何をプラスしようともうまく消化吸収できず根本的な解決は難しいような気がします。

 根本治療としてはストレスマネジメントで不安まみれになっている自分の考え方を改めることが一番大事と思いますが、緊急避難的にストレス過剰の状態を緩和するためにはお近くの漢方医の力を一時的に頼ってみるのも一法と思います。ただ自分と向き合わず他者依存的発想だけに偏って治そうとするとおそらくうまくいかないのではないかと私は思います。

急ぎすぎず自分の身体を理解すること

>ただそれは「あなたは糖質制限をしてはいけません」というサインではなくむしろ、「あなたの糖質制限はペースが速すぎです」という事を教えてくれているように私は考えます。

この考えに全く同感です。
私はプチ糖質制限2か月→スーパー糖質制限と移行しましたが、それは書籍を読んだからとか、もともと理解力があったとか、そんなことじゃなくて、今までの習慣と違うことをするのだから、自分の身体に負荷はかかるのは当たり前、という単純に「御身可愛さ」からくるものです。でもそれでよかったと思います。

実際、プチの時は「何に糖質が含まれているのかわからない状態」で、良かれと思って飲んでいた青汁に結構な糖質が含まれていたりと、失敗の連続、試行錯誤の繰り返しでした。

食べることが好きで、糖質もタンパク質も脂肪も目の前にあるものは何でも食べる人と、MECの基準量とよばれるものも食べるのが大変、という方との栄養状態や吸収のしかたが同じであるはずがありません。

今回の内容も、副腎疲労ぎみ、もしくは機能性低血糖症の症状がみられるような方の糖質制限は、糖質をメインエネルギーにしていた体質を変えるためにはベースとなる身体の栄養状態によって、栄養充足に重きを置いて、糖質を控えることは徐々に身体を慣らしていこうメッセージだととらえています。

考えや思考方法が機械のように切り替えられても、生身の身体が追いつくのは機械のようにはいかず時間差が生じます。これを受け入れられるか待てないかも、糖質制限を続けられるポイントになると考えます。

待つ待たないは、自分の身体を含め自分自身を信じられるかということでもあり、結果を急ぎすぎるのは、自分の身体にたいする「無理解・不信・傲慢」とも取れるのではないでしょうか。

きつい言い方になってしまいましたが、糖質制限を含めた食餌療法は即効性を求めるものではありません。即効性があるのは、軽い耐糖能異常がある程度の食べすぎなおじさんぐらいかもしれません。

これから卒業式・入学式シーズンを迎えダイエットに励む方も多くなるのかもしれませんが、身体は付け焼刃では対応できないこともある、という一症状が低T3症候群だととらえております。

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Re: 急ぎすぎず自分の身体を理解すること

緑楽 さん

 コメント頂き有難うございます。

 糖質負荷に対する耐性が低い人は、自律神経やストレスホルモンなどのバックアップシステムを酷使している側面があると思います。その結果、太らない代わりにストレス関連性の病態を引き起こしやすい側面があると思います。その具体例が副腎疲労であり、機能性低血糖症です。

 2015年2月3日(火)の本ブログ記事
 「『副腎疲労』と糖質制限」
 http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-563.html

 2014年3月5日(水)の本ブログ記事
 「アセトン血性嘔吐症の正体」
 http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-201.html
 も御参照下さい。

 そんな酷使をしている状況なのに、糖質摂取に伴うドーパミン刺激は起ってしまうものだから、身体は快感を覚えてクセになります。だから糖質摂取をとれば当座楽にはなるけれど、実はシステムを酷使し続ける状況は依然として変わっていない。だからその負担にブレーキをかけようとLow T3症候群が発現しやすい。これがやせ型の糖質制限実践者に起こっている現象の概略ではないかと私は考えています。

 2017年11月1日(水)の本ブログ記事
 「快感が良いとは限らない」
 http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-1143.html

 目先の快楽に惑わされずに、心の底から心地よいと思える感覚を大事に身体からの声に耳を傾けながら、意識していようといまいと長く身体を酷使させ続けてしまった場合はそれなりの時間をかけてゆっくりとメンテナンスしていく事が大切だと私は思います。

依存状態と体調悪化の相互関連

ご返信ありがとうございます。

たがしゅう先生の医師としての知見と言葉で、漠然としていた考えが明らかになってきたようで、ありがたいです。

>そんな酷使をしている状況なのに、糖質摂取に伴うドーパミン刺激は起ってしまうものだから、身体は快感を覚えてクセになります。

これは依存状態の治療が必要ととらえることもできるのかもしれません。
依存治療で気をつけることは、「自主管理」「自己責任」など本人が注意を払うことも当然大事ですが、本人がそうせざるを得ない環境要因を軽く見ないことも大切なのだと思います。

たとえば「職場・家庭内・その他人間関係におけるハラスメント」など、本人を取り巻く環境に対するストレス解消として、お酒やたばこやギャンブルと同様、糖質を過剰摂取してしまう(結果、質的栄養不足になる)という構造は、栄養摂取だけでは変えられないのかもしれません。

例として挙げたような「構造的な」ストレス負荷を受ける方々のストレス発散としての糖質の頻回過剰摂取という見方です。

これは医療の対象ではないかもしれませんが、こうした方々のお話を聞くときに配慮すべき事柄のように思いました。

長文で申し訳ございません。

Re: 依存状態と体調悪化の相互関連

緑楽 さん

 コメント頂き有難うございます。

>「職場・家庭内・その他人間関係におけるハラスメント」など、本人を取り巻く環境
> ストレス解消として、お酒やたばこやギャンブルと同様、糖質を過剰摂取してしまう(結果、質的栄養不足になる)という構造


 その構造は確かにあると思います。
 言い換えれば、根本的原因を放置したまま対症療法に終始する構造です。

 この場合、根本的原因は環境ストレスです。
 生まれた環境や交流する人々を変える事はなかなかできないかもしれませんが、
 与えられた環境を自分がどのように捉えるかという視点は如何様にも変えることができます。

 だから根治療法として私はストレスマネジメントに注目しており、アドラー心理学を中心にその具体的手法の習得に興味を持ち続けている次第です。

根本原因に目を向けるための役割

>だから根治療法として私はストレスマネジメントに注目しており、アドラー心理学を中心にその具体的手法の習得に興味を持ち続けている次第です。

糖質制限(両輪の必須栄養素の摂取)と同時に、ストレスマネジメントは確かに必要のようにみえます。

相対している環境要因(ストレス)に対して、「ここは踏ん張るところ」とか「いったん逃げよう」とか「条件を変えて立ち向かう」といった選択肢を自分で設定できるようにするためのパズルのピースの1つのように思います。

糖代謝機能の異常・糖尿病治療から生まれた糖質制限を、今回のテーマの対象となる体質の方に合わせた考え方や取り組み方は必要で、それぞれの守備範囲があるのだと思います。

今は違いを強調して新たな商売のネタにする方もいるので、違いは違いとして認め架橋しようとする先生のような存在は必要です。

どうかお身体を大事になさっていただきますよう、ご活躍を願っております。

低T3症候群&レフェトフ症候群

>なので甲状腺ホルモンの作用を高めたい時にはT4からT3への変換を、弱めたい時にはT4から不活性型のrT3への変換を身体は自律調整しているという事になります。

甲状腺ホルモン関連疾患の場合、
視床下部、下垂体、甲状腺、T4→T3変換、標的臓器に異常がないかどうか、および視床下部~標的臓器までの情報伝達系に異常がないかどうかを考えるとわかりやすいです。

低T3症候群において、仮にT4からT3への変換が障害されているとすれば、T4高値、TSH高値となるはずですが、実際にはTSHとT4は高値ではありません。


>確かに甲状腺機能をみるにはfree T3の測定は不要かもしれませんが、
>身体に無理がかかっているかどうかをみるにはfree T3は有益な情報であるように私は思います。

ちなみに私ども内分泌の専門家は、甲状腺疾患を考える際、必ずfree T3も測定します。

☆参考文献☆

レフェトフ症候群
http://www.nanbyou.or.jp/entry/258
=====
1.概要
甲状腺ホルモン不応症(Syndrome of Resistance to Thyroid Hormone:RTH)は、甲状腺ホルモンに対する標的臓器の反応性が減弱している家族性症候群として1967年、Refetoffらによって初めて報告され、レフェトフ症候群とも言われる疾患である。

3.症状
甲状腺腫と軽度の頻脈以外の症状を示さない症例が多いが、甲状腺中毒症症状が強く注意欠陥多動障害や著しい頻脈を示す患者も多い。逆に受容体異常の程度が強いと、TRαとTRβ双方の働きを抑えてしまうため、先天性甲状腺機能低下症の症状である知能発達遅延や低身長、難聴といった障害を伴う。

4.治療法
RTHの多くの症例では、甲状腺ホルモンに対する標的臓器の反応性の低下は甲状腺ホルモンが高値になり代償されており、治療を必要としない。しかし、一部の患者は血中甲状腺ホルモン濃度上昇による、頻脈や落ち着きのなさなど甲状腺中毒症の症状を呈す.....
=====引用ここまで。

Re: 低T3症候群&レフェトフ症候群

きよすクリニック 先生

コメント及び情報を頂き有難うございます。

レフェトフ症候群、浅学にして存じ上げませんでした。
しかしLow T3症候群を理解する上で非常に参考となる病気ですね。

おかげさまでLow T3症候群の別の側面が見えてきました。後日記事にさせて頂きたいと思います。

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プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院にいます。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

南鹿児島さくら病院では職員を随時募集中です。
詳しくはホームページhttp://www.nissyoukai.or.jp/
を御覧になって下さい。
見学申し込みもお気軽にどうぞ。

※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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