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サイアミディン

やせ体質でも糖質制限に適応できる

当ブログでは昨今のLow T3症候群を絡めての糖質制限批判に対して、

やせ型体質の方は一般的にストレス耐性が低い人が多く、中には高糖質食から糖質制限食への急激な代謝変化に適応しにくい人も含まれるので、

糖質制限を契機に脱力などの症状を伴い、検査値でLow T3症候群を呈する状況はありうるという事を指摘し、

その一方でLow T3症候群自体はストレスや飢餓などを契機に、エネルギーがうまく利用できない状況を調整してエネルギーを利用しやすくするための適応反応であることを示してきました。

ただしそのストレスフルな状況が続いたら警告期(一時的消耗疲弊)→抵抗期(過剰適応)→疲憊期(消耗疲弊)の流れを通じて病状が悪化していく可能性があるので、

やせ型で脱力を伴うLow T3症候群を呈する人はストレスを感じ過ぎないよう一旦食事を糖質摂取に戻して、改めてペースを見直して糖質制限に取り組んでみられる方法をお勧めしています。
ただし誤解してほしくないのは、やせ型体質の人すべてが糖質制限に対してそのような反応を示すというわけではありません。

やせ型であってもLow T3症候群を呈することなく、スムーズに糖質制限状態へ移行できる人もいます。

代表的な人が我らが師匠、江部先生です。

私が江部先生のブログへ初コメントを寄せた時、最初に江部先生に投げかけた質問は、

「先生が示されていることの中に『やせすぎの人が糖質制限を実施するとBMI22に近づく』というのがあったと思いますが、これはどうしてそうなるのでしょうか? 」

というものでした。それに対する江部先生の回答は次の通りです。

ご質問の「やせの大食い」ですが、大食い選手権に出場するような特殊例は置いといて、 基礎代謝が高い人と思います。 30代までの私がそうでした

当時は食べても食べても太りませんでしたが、40才ぐらいから、急に腹が出はじめました

おそらく体重は不変でも若い頃に比し、徐々に筋肉量が減り脂肪量が増えて基礎代謝が減っていった結果なのでしょう。

「やせすぎの人が糖質制限を実施するとBMI22に近づく」

こちらは、小食タイプの人が、糖質制限食実践でしっかりエネルギー摂取することで、適正体重になるのだと思います。


つまり、江部先生自身がやせの大食いタイプであることを自認しておられます。

そういうタイプの人で30代くらいはいくら食べても太らなかったとしても内臓脂肪や糖化反応など体重では見えない所で糖質頻回過剰摂取の影響はしっかりと受けていて、

40代になってくると太りにくい人でもさすがに溜まる場所がなくなり肥満が顕在化してくるという流れを示しています。

そんなやせ体質の江部先生は2002年にスーパー糖質制限食を開始し、半年で10㎏の減量に成功し、体調、血液検査の数値がいずれも改善となった事を明示されています。

この経過だけみれば江部先生も肥満体質か、と誤解してしまいがちですが、

肥満体質の私が10ヶ月で30㎏の減量幅があった事を踏まえますと、江部先生は「やせ体質であったが故に糖質過剰摂取であっても10㎏までしか太れなかった」と見ることができます。

すなわち江部先生の存在は、やせ型体質の人でも糖質制限食に問題なく適応できる人がいる事の何よりの証拠ではないでしょうか。

さらに言えば、先日ブログで公開された最新の江部先生の血液検査データでは甲状腺ホルモンの数値も公開されています。

江部康二先生の2018年1月の検査データ:
甲状腺機能
TSH:1.38(0.34~3.88)
F-T4:1.2(0.8~1.8)
F-T3:2.6(2.1~4.0)


という事はやせ体質の人が16年間という長きに渡って糖質制限をきっちりやったとしても

甲状腺機能異常はおろか、Low T3症候群でさえ呈さないという実例があるということが実証されていると思います。

加えて言えば、江部先生はアドラー心理学の極意を自然に体得されている先生です。

勿論自分で考えて納得されて糖質制限に取り組んでおられる姿勢が、摂取エネルギーの充足面でも、ストレスマネジメント面でもLow T3症候群を呈しにくい条件が整っているとも言えるかもしれません。

これはやせ型体質の糖質制限実践者にとってはかなりの安心材料になるのではないでしょうか。

摂取エネルギー不足は脱力とともにLow T3症候群の数値を呈する要因の一つではあるようです。

しかし中には摂取エネルギーをしっかり摂っていても、周囲やネットから得られる情報ほど良くならない自分の身体に不安を感じたり、

久しぶりに食べてしまった糖質によって血糖値が乱されて生じた嘔気や脱力などのいわゆる「糖質酔い」と称される現象に不安を感じたり、

さらにはそれが耐糖能低下だとか、それを続けたら糖尿病がどんどん悪化していく、などのネット情報を見てさらに不安をかき立てられれば、

そのストレスそのものがLow T3症候群を呈する原因になってもおかしくないと私は思います。

しかし元々やせ型の人はストレス耐性が弱い、言い換えればストレッサーを鋭敏に捉える体質の方なので、

糖質酔いはむしろ過剰な糖質を取り込まないように身体が防御反応を出してくれていると解釈することができます。

私のような肥満体質の人間では久しぶりに大量の糖質を食べたとしても糖質酔いのような現象はまったく起こりません。その代わりしっかりと太ります。

やせ体質の人は太らない代わりに身体への攪乱刺激の影響をもろに受けてしまう、ただそれだけの違いです。

だからそういう生まれ持った性質だという事を理解した上で、安心して糖質制限に取り組んでもらえればと思いますし、

江部先生の存在そのものが、不安を抱えるやせ型体質の人にとっての希望の星になるのではないかと私は考える次第です。

それでも糖質制限を続けていたら怖いとストレスフルに感じてしまう人は、

糖質制限にこだわらない方がよいと私は思います。


たがしゅう
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非公開コメント

ネット上では糖質制限のいろんな批判などが書き込まれててなにがいいかわからなくなってしまいそうです。
たがしゅう先生のブログ読んで糖質制限は安心してできることがわかりました‼️
ありがとうございます🌟

アンチ糖質制限の医師には、常軌を逸したようにギャーギャー喚いて論の筋道がけっこう変わる先生もいらっしゃいますが、ただ患者本人が糖質制限で不調を訴え糖質を増量したことで良くなる事実は、糖質制限の先生方には受け止めていただきたいとは思うのです。
あくまで、脂質とタンパク質でカロリー増量に拘る理由が私にはなかなか理解できないんですよね。

Re: タイトルなし

瀬川里香 さん

 コメント頂き有難うございます。

 他人の言葉に左右されるのではなく、
 他人の言葉を参考に自分の頭で考えることが大事だと思います。

Re: タイトルなし

皐月 さん

 コメント頂き有難うございます。

> 患者本人が糖質制限で不調を訴え糖質を増量したことで良くなる事実は、糖質制限の先生方には受け止めていただきたいとは思うのです。

 その言葉をないがしろにしているわけでは決してありません。

 しかしその責任を糖質制限推進派の医師に求めるのではなく、なぜ糖質制限で不調となったのかについては、糖質制限推進派医師の意見はあくまで参考とし、自分の背景、経験、取り組み方、周囲との関係など様々な自分にしかわからない要素を踏まえて自分の頭で考えてもらいたいと私は思っています。
 なぜならば食事療法は自らが選んで行う主体的な治療法であるからです。

 2018年3月2日(金)の本ブログ記事
 「受動的な食事療法はよくない」
 http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-1269.html
 も御参照下さい。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

たがしゅう先生こんにちは!
私は158cm、40kgと痩せていますが、スーパー糖質制限1日目からすんなりOKでした。たまにカロリー不足の日があってフラフラした以外は6年間調子が良いです。出産直後に妊婦糖尿病から糖尿病になってしまい、子供を育てなきゃいけないという気持ちも強かったためか、それまでの朝からケーキ、寝る前ジュースという生活も全然苦にならずに止められました!!今はSMBGがあるので、糖質の高めの物でもどんな風に食べれば血糖値が上がらないか分かるようになりました。Hba1cは5.3~5.7で落ち着いています。私の場合は糖質制限に急ハンドルを切っても大丈夫だったようです。

Re: タイトルなし

あっぴ さん

 コメント頂き有難うございます。

 あっぴさんの場合はやせ型だけど代謝変更がスムーズに行ったようですね。
 一方で摂取カロリーが不十分の時は代謝がうまく回らなくなるという特徴もあるようですね。

 そうした自分の特徴を自分で把握していけば、食事に関してはある程度自由にマネジメントできて応用も効かせられるようになってくるのではないかと思います。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院にいます。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

南鹿児島さくら病院では職員を随時募集中です。
詳しくはホームページhttp://www.nissyoukai.or.jp/
を御覧になって下さい。
見学申し込みもお気軽にどうぞ。

※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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