サイアミディン

受動的な食事療法はよくない

食事療法というのは主体的治療です。

受動的治療は主導権は医師にあり患者がそれに従う構造ですが、

主体的治療は主導権は患者にあり医師はアドバイザーの立ち位置です。

主体的治療は自分が動かない限り、医師も他の誰も代わりに行ってくれるものではありません。

従って治療の詳細を患者自身が理解しない限り、質の高い主体的治療を行う事は必然的にできない事になります。

ところがそんな主体的治療である食事療法を、受動的治療的に捉えてしまっている人が時に見受けられます。
どういう事かと言えば、食事療法の実践について自分で判断せず常に医師の指示を仰ぐというスタイルのことです。

昨今のLow T3症候群に絡めて散見される糖質制限実践者におけるトラブルの多くは、

〇〇先生の指導に従って食事療法を続けていたら体調を崩した」という構造でトラブルを訴える人がほとんどであるように思えます。


もしもきちんと自分に主導権があって食事療法に取り組んでいるのであれば、

食事療法の実践中に何か体調不良の問題が起こった場合は、自分なりにその方法を見直すのが普通の感覚だと思います。

最近食べ過ぎたせいかもしれない、普段食べないものを食べたからかもしれない、アレルギー食材が入っていたのかもしれない・・・

その考えが合っているかどうかは別として、体調を崩しているのに医師に言われたからといって律儀にその食事療法を続けてしまうでしょうか。

薬であればまだわかります。薬についての専門知識がなければ薬を飲むか飲まないかの判断を医師なしでするのは難しい側面があります。

知識がなければ体調を崩したとしても、実は自分がわからないだけでそのまま飲み続けた方がいいのかもしれない、と患者さんが誤解して頑張って飲み続けてしまう可能性は十分にあると思います。

ところが食事療法となると、扱っているものはすでに多くは見知っている食材達です。

食事療法を実践していて体調を崩した場合には、自分の判断で一旦元に戻して後で医師に相談するという選択肢はあってしかるべきではないでしょうか。

それなのに体調を崩しているのに、医師の指導があるからと、あるいはネットの情報があるからと、

自分の身体からのメッセージに声を傾けることなく律儀にその食事療法をそのまま続けてしまうというのは、

まるで食事療法を薬物療法のように捉えてしまっているかのようで、

自分で考える力を放棄しているように私には思えてなりません。

逆に言えば、薬物療法はより高頻度でその構造に陥りやすいという問題点をあぶりだしている事にもなるのですが、

ともかく糖質制限で調子が悪くなったという人の根本的な問題は、

主導権を放棄して他者依存的に受動的な食事療法に取り組んでいる所にあるのではないでしょうか。

糖質制限で体調が悪くなったのなら、誰に言われるでもなく糖質制限を一旦解除して、

なぜそうなったのかについて自分の頭で考えて、わからなければ可能な限り自分の力で調べる。

他人からのアドバイスは手っ取り早いですが、最終手段にしておくべきです。

なぜならば他人は自分の生活背景、性格、クセ、職業、勤務状況、仕事内容、食事の嗜好、体格、最近の体調などなど、

様々な自分の情報を知らない情報で正しい方向へ導こうとするのは正解を出すのに圧倒的な不利な状況にあるからです。

本来、自分のことは自分で考えるのが一番なはずですが、

それが権威や情報量に惑わされて、自分の頭よりも他人の情報を信じてしまうようにミスリーディングされてしまっている人は多いと思います。

素人だからわかりません」「先生にお任せします

食事療法に至っては、そのように受動的であるべきではないと私は思います。


たがしゅう
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難問ですね

どんな分野でも同様な問題はあります。パソコンの講習などの現場でも「金払ってんだから使えるようにしろ」と毒づくお客様の典型として「予習しない、復習しない、調べない」の三拍子が揃います。こういうお客様の多くは、会社の命令で習いに来ている方です。「理想の自分の未来像」に「パソコンを使いこなす自分」が存在しない為にそうなってしまうのですが、そういう人にはちょっとHな世界を覗かせてあげると格段に上達するという裏技があります(苦笑。

糖質制限によって、未来の自分が受け取るであろうギフトを明確に描く事ができれば、自主的に、貪欲に、更に良いギフトを手に入れる為に実践を深めて行けるのでしょうけど・・・・まぁ一時の私自身もそうであったように、自暴自棄になってしまえば悲しいかな「どうにでもしてくれ」と他力本願になってしまう事もあるのかもしれないなぁ・・と記事を読みながらシミジミしてしまいました。
ただ、2:6:2の法則における 6 の私が深い実践者となる時代ですから、近い将来には常識となってしまって、この記事そのものが懐かしい思い出になって行くのだろうと確信をもって思う事ができます。糖質制限推進の医師達のご苦労は、まだ暫くは続くのでしょうけど、微力ながら応援し続けたいと思います。

Re: 難問ですね

m.kurimoto さん

 コメント頂き有難うございます。

 「未来の自分のギフトを明確に描く」、簡単なようで難しい事なのかもしれません。
 しかし確かにそれをイメージできているかどうかは大事なポイントだと思います。

 なぜならばそれがあれば「自分の頭で考える」明確な動機となるからです。 
 反面、誰かに言われたからとか、周りがやっているから、などと言った理由で動いている人は「自分の頭で考える」必要性を感じにくいと思います。

 このブログでの悪戦苦闘の日々が、いつか振り返った時に良い思い出と思えるように、しっかりと自分の思考の樹を育てていきたいと思っています。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院にいます。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

南鹿児島さくら病院では職員を随時募集中です。
詳しくはホームページhttp://www.nissyoukai.or.jp/
を御覧になって下さい。
見学申し込みもお気軽にどうぞ。

※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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