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サイアミディン

なぜ糖質制限不適応者が女性に多いのか

私自身は糖質制限指導していて糖質制限をきちんとやってくれない人はたくさんいますが、

糖質制限を始めたせいで体調が悪くなったという人にはほとんど出会ったことがありません。

その数少ない経験の中で不調を訴えた人は神経症的であったり、執着心が強かったりするいわゆるストレスマネジメント下手な人達でした。

そしてそれらの人達は皆女性で、ネットでの情報で把握する限りでも糖質制限で体調不良を訴える人には女性の割合が多い印象を持っています。

統計学的に検証したわけではありませんので、あくまで私の印象でしかありませんが、

もし女性に糖質制限での体調不良者が本当に多いのだとすれば、それは一体何故なのでしょうか。
それを考える手がかりとして、「女性には甘いもの好きが多い」という実感を持って観察される現象があります。

一説には女性が甘いものを好むのは、「妊娠・出産というイベントに耐えるため糖質摂取から変換される脂肪を備蓄エネルギーとして十分に確保するため」だという話を聞きます。

その真偽は定かではありませんが、一方で甘いものを摂取する行為はストレスに対する代償反応へとつながります。

即ち自力でストレスマネジメントする際に、ストレスホルモンを介して血糖値上昇を始めとした各種抗ストレス反応が起こるというのを、

甘いものを摂取すればその血糖値上昇を人為的に起こすことができます。

そして血糖値が上昇すれば、ドーパミンやセロトニンといった満足感や幸福感につながる神経伝達物質が分泌されることにつながるので、

手っ取り早い付け焼刃的なストレス対策にはなってしまう側面があります。

実際、「疲れたときには甘いもの」という文化は至る所に根付いており、それは糖質摂取に伴うストレス代償反応を利用していることの傍証になるのではないかと思います。

裏を返せば、そうした付け焼刃的なストレス対策に頼り続けることで、自力でのストレスマネジメントが疎かになっていくという負の側面も見えてくるわけですが、

今回それはさておき、では「甘いものでとりあえずのストレスは和らぐ」として、なぜ女性ばかりが甘いものを欲するのでしょうか。

それは「女性とストレス」の関連を暗に示しているのではないかと私は思うのです。

最近私の思考が何でもかんでもストレス関連にしてしまう傾向があるという思考の偏りを自覚しつつも、それでも一つずつの思考の蓄積が大事だと考えますので続けます。


以前オーソモレキュラーの勉強会に参加した際に女性とストレスについて学ぶ機会がありました。

まず何といっても、男性には経験しえない妊娠・出産というイベントは女性にしか訪れない大きなストレスイベントですし、

それに備えるための毎月の月経というイベントも加えれば、実に数十年に渡って男性以上のストレスを受け続けている事になります。

また1985年に男女雇用機会均等法が制定され、少なくとも形式的には仕事の面での男女平等が成し遂げられたとは言っても、

多くの社会では男性中心の構造が根強く残っていて、よほどストレスマネジメントの上手な女性でない限りは、男性中心の仕事現場において女性であるが故に受けるストレスというものもきっと多いのだろうと思います。

勿論、ストレスは目に見えないので、男性の受けるストレスの方が女性よりも大きいケースだっておそらくあるでしょう。これはあくまで一般論としての私の推論です。

そんな女性特有のストレスがある事に加えて、女性は男性に比べて一般に筋肉量が少ないと思います。

筋肉量が少ないと糖質制限の観点から言えば糖新生に不利になるということ、即ち糖質制限開始当初の代謝の切り替えがスムーズに行かないリスクが高くなるということです。

そう言えばこどもが血糖変動イベントにうまく対応できずに低血糖症状を呈する「アセトン血性嘔吐症」という病態、

これを起こしやすいの子の条件としても筋肉量が少ないという事が挙げられるという考察も以前行いました

それの大人版とも言える機能性低血糖症が多いのも女性が多い印象です。

よく糖質酔いと表現される現象もこの機能性低血糖症が背景に隠れている可能性が高いと私は考えています。

やせ型の人はオーバーヒートしやすいという考察も記事にしましたが、

その一因としては筋肉量の少ない人はストレスによって誘導される代謝の急激な変動にバックアップシステムの糖新生がうまく働かせにくいハンデのせいで対応しにくいという事があるように思います。

男性よりもストレスが多く、抗ストレスシステムも働かせにくい。

これだけ見れば女性の方が損だという感じになりそうですが、

女性にはエストロゲンという生命維持ホルモンが圧倒的に多いという利点もあります。

しかし、もし女性ホルモンバランスが崩れた状況におかれたら、途端にストレス耐性に弱い状況におかれてしまうということでもあるかもしれません。

そう考えれば、男性は女性の受けるストレスの大きさを考えて、

もっと優しくいたわってあげなければならないという

聞こえのいい結論となりますが、

だからこそ男性は女性を守りたくなるのかもしれません。



たがしゅう
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No title

瘦せ型、女性、ストレスマネジメント下手。糖質制限で不調を訴える人の特徴が、見事なまでに私に当てはまります。子供の頃から運動音痴の運動嫌いで、筋肉もかなり少ないほうです。

私の場合、朝食で糖質を一切摂取しないでいると、3時間ほどで頭痛や吐き気がして立っていられなくなります。そのため厳格な糖質制限はせず、現在は1日100g程度の糖質摂取を続けています。体重が少し増えたので、ぼちぼち糖質量も減らしていけるかもしれません。

Re: No title

ゆこ さん

コメント頂き有難うございます。

朝糖質摂らずに3時間で頭痛、筋肉量少ないやせ型であれば、糖新生能が低下している印象を受けます。
今の糖質摂取と共に無理のない範囲でタンパク質を増量し、筋肉量を増やすことを意識してもよいのかもしれません。
また筋肉を増やしたいなら運動も重要ですが、運動不足の人でもスクワット運動はおすすめです。

No title

アドバイスありがとうございます。たんぱく質は積極的に食べているのですが、運動の重要性は正直見て見ぬ振りしていました。無理のない範囲でちょっとずつ頑張ってみます。

筋肉が鍵になる日も近い?

数年前、AMPキナーゼという酵素の働きが解明されて、「筋肉→スポーツ」「筋肉→肉体美」という固定観念が徐々に「筋肉→健康」へと変わってきてはいます。

・・・が、それは健康に関心のある方々だけで、大多数の人は筋肉と健康は直結しません。

仮に筋肉が健康に寄与しているとの情報は持ち合わせていても、それを生かして行動に移す程の強烈さがないからでしょうか?

それとも、筋肉を増強する手段が「バーベルを持ち上げる」とか「腹筋腕立てをする」といった「辛い・きつい」というイメージが強く、「一念発起して頑張るべき行動」であるような印象が強いからでしょうか。

この行動を、「手軽でありかつ日常に溶け込んだ行動」に振り替えることができれば、知らないうちに健康を維持できるのでしょうけれど。

新健康維持3大キーワード

ストレジマネジメント、糖質制限、マッスルマネジメントとても言うのでしょうか。(笑)

今後の記事ででも、筋肉の効果について、たがしゅう先生のご見解を聞かせていただければ幸いです。

Re: 筋肉が鍵になる日も近い?

だいきち さん

コメント頂き有難うございます。

> 新健康維持3大キーワード
> ストレジマネジメント、糖質制限、マッスルマネジメント


なるほど。
運動は広い意味でのストレスマネジメントと捉えていましたが、
糖質制限導入期のトラブル事例がやせ型非筋肉質の人に多い状況を踏まえますと、こうしたトラブルを予防する策としてマッスルマネジメント、突き詰める価値があるかもしれませんね。

ただこれについて述べるには実体験がないと説得力なしです。
一度ジムで挫折しているので、また折を見て別の方法で何か取り組んでみたいと思っています。

はじめまして

妊娠高血糖からの糖尿病です。
普段も肥満があったけれども糖尿病ではなかったのですが 2度の妊娠で妊娠高血糖で、高血圧、
産み落とした後は尿糖も尿たんぱくも出なくなって内科受信をしていませんでしたが 職場健診で引っかかり、
すぐに糖質制限を知っていたら重症化しなかったと思っています。
いまさら糖質制限しても仕方ないとかで
歩いたところで 高血糖も収まらず 薬物で管理してます。

で、 女性に江部式糖質制限は無理なんだと思っています。実際せいぜい1カ月しかできませんでした。

家族の協力どころか 一番の協力者になってほしい夫が 大飯食らい、おかずの種類や味付けまで全く別物にしないとやれないため 家庭の主婦は無理でしょう?
その アドラーさんの理論は日本の主婦には向かないと思うんですけどね。
アドラーさんの一神教が根底にある理論では
八百万の神の日本女性には向きません。

煮っ転がしとか サバ味噌煮とか 肉じゃが造るために生きてきた主婦の仕事自体がまったく無意味なのが
糖質制限食ですよ。

それに ひとつお教えしたいことは
日本の女子はおとなしいのが美徳とされて育ってますので
うるさくしないように甘いおやつを朝晩食べさせられています。
躾の一環です。
朝寝起きにぐずらないように羊羹を出されるのが
宮中から庶民まで広く明治まで続いてきています。
其れをいけない事に決まりを作ったのが 薩長の軍部です。森鴎外の書物に書かれていますけど。

なので 他の方も書かれているように私は一食150グラム(50グラム)の糖質と 食間の低血糖時の10グラムのブドウ糖をとる決めごとをしています。糖質過多もいけないし糖質の欠損もいけない、文字通りの糖質制限食だと思っています。 糖質制限しながら妊娠出産育児哺乳をこなしてきました。 そして 糖質制限できない女子を頭が弱いかのような文章をあちこちよそで見ますので 薩長の腐女子扱いの様な表現が 主様にも見られるため ちょっと引っかかってます。男児を育てる場合、お目ざに ステーキと焼きとりを食べさせて育てたらきっと日本男児の糖尿り患率は下がると思います。

Re: はじめまして

けい さん

 コメント頂き有難うございます。

 食事療法を選択するのは本人の自由です。
 糖質制限にストレスを感じる人は無理に糖質制限にこだわる必要はないと私は思います。
 けい さんの今のやり方で体調がよいのであれば、それが何よりです。

No title

>それに ひとつお教えしたいことは
>日本の女子はおとなしいのが美徳とされて育っ>てますので
>うるさくしないように甘いおやつを朝晩食べさせ>られています
あの、、こんなこと聞いたことありませんが地域性なのでしょうか?肉じゃがや、煮っころがしやサバ味噌を家族に作っても自分の分は別に作ることも可能なのでは?私は家族の残した糖質の多い食品はもったいないけど捨ててしまいます。捨てるということに抵抗はありますが健康には代えられません。いろいろな考えの方がいるのですね。

Re: No title

ココア さん

 コメント頂き有難うございます。

 本当にいろいろな考え方の方がいらっしゃいます。
 すべては自分の考え方次第で決まるという事も改めて感じさせられます。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院にいます。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

南鹿児島さくら病院では職員を随時募集中です。
詳しくはホームページhttp://www.nissyoukai.or.jp/
を御覧になって下さい。
見学申し込みもお気軽にどうぞ。

※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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