サイアミディン

ストレスは糖代謝を駆動する

糖質頻回過剰摂取で糖代謝ばかりを使い脂質代謝が錆びつくというのであれば、

糖質制限長期継続で脂質代謝ばかりを使い糖代謝が錆びつくということだってあるのではないかという疑問に対して私の見解を述べたいと思います。

結論から言えば、「糖質制限を続けていて糖代謝が錆びつくことはまずあり得ない」です。

まず代謝が錆びつくためにはそのシステムを使用しないのが絶対条件です。

これは自然界を見渡してもそうだと思います。錆びついているものは大抵長らく使用されていないものです。

糖質制限状態では糖代謝は使用されないのではないかとと言えば、決してそんなことはありません。

なぜならばストレスによって糖代謝システムは駆動されるからです。
ストレスがかかれば自律神経、ストレスホルモンを介して、糖質を摂取していなくても血糖値上昇反応が起こります。

コレステロール上昇とか、甲状腺ホルモンT4からT3への変換とか、様々なストレス適応反応について当ブログでも取り上げてきましたが、血糖値の上昇はその反応の中心的存在です。

だからこそ甘いものの摂取はストレス適応の代償反応となりえるわけですし、

とかく悪いことだと認識されがちな血糖値の上昇は、生きていて人生の苦難を乗り越えるために必要な反応なのです。

糖質制限状態においても生きてさえいれば様々なストレスを受け、その度にストレス反応としての血糖上昇、すなわち糖代謝システムが駆動されることになります。

だから糖代謝が錆びつくことはありえませんし、

逆に言えば普通に生きていても糖代謝は十分駆動されるのに、人為的な糖質摂取を繰り返す生活様式は糖代謝がオーバーヒートしても当たり前と見ることもできます。

また脂質代謝をベースとし、必要時のみ糖代謝を駆動させるというやり方は生命の歴史の中で生存に有利になると全生物に採用された優秀な合理的システムでもあるのです。

約40億年前の太古の昔の原始生命体は糖代謝のみで生きていました。

しかしそれでは生存確率が低く、生物の繁栄には程遠い試練の時代が長らく続いていたと思われます。

そんな中、約20億年前に原始生命体は偶然ミトコンドリアの祖先である細胞内寄生菌と出会い、共生することで脂質代謝の礎を築くことに成功した所から生命の生存確率や多様性は爆発的に向上させられたと考えられています

ミトコンドリアがなければ今日のように脂質をエネルギー源として安定的に運用させることは不可能でした。

このシステムが安定をもたらすからこそ全生物にあまねく存在することとなりましたし、

ヒトにおいても胎児の時点でデフォルトとしてケトン体中心の脂質代謝が駆動されることとなったのだと私は思います。


人はストレスにさらされて強くなっていきます。

生きていれば必ず遭遇するストレスは時に生きる意欲を奪うほど強大であることもあります。

そんなストレスをわざわざ自分で人為的に増やす事はないのではないでしょうか。

糖質摂取は多幸感を与える一方で、そんなストレス反応を起こしうる存在である、

その二面性を知っておくことが大事だと私は思います。


たがしゅう
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No title

いつも興味深い記事をありがとうございます。

私も、鈴木先生のご著書を拝読しました。
鈴木先生は、江部先生、白澤先生、宗田先生など、
様々な糖質制限派の考え方を理解し、納得された上で、
ご自身の、糖質に対する新しい考え方を発信されました。
鈴木先生の御本は、様々な物事を考える上でも、
視野を広げるきっかけになりました。

糖質制限より、糖質を選択するという考え方も、
必要なのだと思いました。
ヒトは皆、違う身体、体質、環境なので、
全ての人が同じ方法で統一されるはずがありません。
糖質に対して、オーダーメイドの向き合い方が大切なのだと思いました。

私の場合、私の身体、体質、生活環境では、
糖質制限、ケトン体利用で何の問題もなく、
体調も良好です。

β−ヒドロキシ酪酸の健康効果の恩恵を受けたいのと、
細胞の糖化と、糖化による酸化を最低限にしたいので、
現時点では、今後も糖質制限を続けたいと思っています。
自分の身体なので、多くの先生方の考え方を柔軟にうけいれ、
その都度、自分で考え、自分で選択していこうと思っています。

鈴木先生おすすめの、間欠的ファスティングは、
体重の微調整をする時に、取り入れたいと思いました。




Re: No title

Etsuko さん

 コメント頂き有難うございます。

 おそらくやせ型女性を中心に鈴木先生がおっしゃるような良質の糖質摂取でバランスがとれる方はある程度の数いらっしゃるのだと思います。体質、ストレスを中心に様々な要因で糖代謝優位になっている人達です。

 従って糖質選択という考え方自体はとても良いと思いますし、糖質中心の現代社会に対して糖質との共存策として一つの大きな提案になっていると思います。

 私は糖質制限推進派医師として鈴木先生の糖質制限に対する見解に対し一部反論を述べさせて頂きましたが、
 実際にはそれぞれの人が自分の頭で考えて自分に合った方法を見つけてもらいたいと思っています。

 おそらくはこれだけが絶対の正解というものはないはずで、あると思ってしまった時点で哲学者ではなくなってしまうのだと思います。

 2016年3月29日(火)の本ブログ記事
 「私は哲学者でありたい」
 http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-677.html
 も御参照下さい。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院にいます。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

南鹿児島さくら病院では職員を随時募集中です。
詳しくはホームページhttp://www.nissyoukai.or.jp/
を御覧になって下さい。
見学申し込みもお気軽にどうぞ。

※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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