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サイアミディン

糖質制限希望の患者さんの受け皿を作る

先日の鹿児島糖質制限講演会に参加して下さった方が、

糖質制限での診療を希望されて私の外来に受診されるという出来事がございました。

かなり遠いところからわざわざ来られていたので誠に恐縮でしたが、

折角御希望頂いているので精一杯診させて頂くことに致しました。

ただこの患者さん、もともとかかっている病院へは何も告げずに薬が無くなるタイミングで私の所を受診され、

それまで打っていたインスリンも自己判断で止められたとのことでした。
医師の立場で言えば、こういう患者さんを診る時に、

今までの経緯がわかるようにかかりつけ医からの紹介状をもらってきてもらう方がやりやすいのですが、

おそらくこれは悲しいかな多くの糖質制限に踏み切る患者さんがとるであろう選択なのではないかと思いました。

すなわち、今のかかりつけ医が糖質制限に反対しているからこそ、わざわざ遠い道のりをかけて糖質制限推進派の病院を受診されようと思われたのでしょう。

そのような状況の中で、かかりつけ医に「糖質制限をしたいので紹介状を書いて下さい」とはそう簡単に頼めることではないのだろうと推測できます。


糖質制限自体は確かに医師が認めようが認めまいが、

患者自身の判断で、患者自身が選択できる主体的な治療法です。

しかしそれをサポートする糖質制限推進派の医師はまだまだ全国的には少数派の存在です。

そんな状況の中では、たまたま近くに糖質制限推進派の医師がいる人はいいですが、

そうではない人は従来通り糖質制限反対派の医師の診療を受けながら、自分の判断で糖質制限を続けなければなりません。

また、十分な予備知識のない患者さんは不安を抱え続けながら糖質制限と向き合わなければなりません。

これでは糖質制限を普及させるための医療側の土台はまだまだ不十分と言わざるを得ません。

糖質制限推進派の医師が増えていくのを期待する一方で、

早急な対応として私はこの患者さんのように紹介状を持たない患者さんを受け入れる覚悟を固めなければならないと感じました。

そして糖質制限を希望する患者さんの受け皿を増やす努力を続けていく必要があると感じました。


たがしゅう
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非公開コメント

No title

たがしゅう先生おはようございます。
糖質制限派の医師が本当に増えてほしいと思う一人です。今現在のところ私は糖尿病ではありませんが、糖質制限実行中なので、コレステロールなどの値がかなり非一般的です。なので健康診断で必ず何かを書かれてしまいます。無視しておりますが、保険加入の際に困りました。要精密検査と書かれると加入可能なものに制限がかかるのです。健康ですよと太鼓判を押してくれる医師がいないと、一番掛け金の少ないものには入れないのです。最近の保険は脂質異常症も適応外になったりするのです。なので一段ランクを落とした物に加入さざる負えませんでした。後で万が一、告知違反になったら困るので。ということで健康でも検診の数値の解釈が、問題になります。糖質制限派の医師が増えて検診項目の解釈が変わるのはいつになるでしょうか。

No title

たがしゅう先生

私は2型糖尿病で糖質制限を行っています。日ごろは患者の立場として自分のブログにも慰労に対して批判的なことを書いたりしているのですが、前の記事(医療関係者には糖質制限を勧めにくい)と今回の記事を拝見し、糖質制限に賛成を表明して医療を行う先生方のご苦労を垣間見たような気がしました。江部先生を始めそんな先生方がいらっしゃるので糖尿病に対処できているわけで、感謝で頭が下がります。

私は近所の内科医で血液検査をして糖尿病発覚(血糖値308)し診断されたその日に、ネット検索で江部先生のブログにたどり着いて糖質制限を始めました。その5日後に家の近くの糖尿病専門医のクリニックを探して受診し糖質制限でやっていきたいと言ったら「日本糖尿病学会では認めていない」ときつく言われたため、医師には言わずに糖質制限をしておりました。いろいろあって3か月で、日本糖質制限医療推進協会のHPに記載されているクリニックに変更しました。

「あなたの治療に納得できないから医療機関を変えるので紹介状を書いてほしい」と依頼することはできませんでした。変更を決めてから、電話で次回の予約のキャンセルを窓口の方に伝えただけです。不誠実、正直でないような気もしますが、キャンセルを伝えること以上のことはしなくてよかったのではないかと思っています。

変更後のクリニックを受診する際に、同じ県内とはいえそのクリニックのあるその地域の住民でない患者を受け入れてもらえるのか心配もありました。自分がこれまで糖質制限を行ってきたことを聞いていただき、受け入れていただいたときにほっとしましたし、とてもうれしく思いました。救われたような気がしました。先生に「ありがとうございます。本当にありがとうございます」と言って頭を下げたのを覚えています。

医師の指示に従わないのに、しかし検査は必要なのでその医師の受診をすることは、いくら自分のため、自分の決めたことといっても多くの患者にとってその状態自体が心理的ストレッサーになっていると思います。

たがしゅう先生もお忙しい中大変だとは思いますが、遠方から先生を頼ってくる患者がいたら、紹介状がなくても可能な限り受け入れて助けていただければと勝手ながら感じました。それで多くの苦しんでいる人が救われる、そのように思います。
他人事に思えず、コメントさせていただきました

Re: No title

じぇみんまま さん

コメント頂き有難うございます。

> 保険加入の際
> 健康ですよと太鼓判を押してくれる医師がいないと、一番掛け金の少ないものには入れないのです。


なるほど。言われて初めて気が付いた視点です。

保険会社のスタンスによっても影響されるかもしれませんね。。
例えば、糖質制限実践者の方が体調よくてコレステロールが高い人を私は「問題なし」と評価することが多いですが、それを従来の常識に基づいた保険会社が認めるかどうかについてはまた別問題になってくるように思います。しかしいずれにしても考えさせられる問題です。

Re: No title

ホリデー さん

コメント頂き有難うございます。

> 医師の指示に従わないのに、しかし検査は必要なのでその医師の受診をすることは、いくら自分のため、自分の決めたことといっても多くの患者にとってその状態自体が心理的ストレッサーになっていると思います。
> たがしゅう先生もお忙しい中大変だとは思いますが、遠方から先生を頼ってくる患者がいたら、紹介状がなくても可能な限り受け入れて助けていただければと勝手ながら感じました。それで多くの苦しんでいる人が救われる、そのように思います。


患者側からの実体験に基づく切実なメッセージと思います。
真摯に受け止め、私を必要としてくれる方々の力になれるよう肝に銘じたいと思います。

覚悟

いつも思慮深い記事をありがとうございます。

私のケースで使ったように、セカンドオピニオンという方法を裏技的に使うことはできるのではないでしょうか。転院ありきではないという雰囲気で紹介状を作って貰い、暫く試すという形で引き受けてもらった後、糖質制限へと完全移行するという形でも良いのではないでしょうか。患者さんが全ての病歴を記憶していないケースも考えると、リスク回避の為には、先生の方から、「セカンドオピニオンという体で紹介状を貰ってきては頂けませんか」的な提案はされても宜しいと思います。もしも、私が紹介状無しで先生の所を訪れていて、解離性大動脈瘤の件を話さなかったとしたらどうでしょうか?やはり、確実な治療の為には、患者さんの側にも旧来の医療と決別するために、それなりの覚悟は必要だと思うのですが。

Re: 覚悟

m.kurimoto さん

 コメント頂き有難うございます。
 ごもっともの御意見だと思います。

 私としては紹介状があるに越した事はないです。
 御指摘のように紹介状がないことで患者情報が漏れてしまうリスクはあるでしょう。
 そしてその事で一番被害を被るのは患者さんだと思います。

 それでも医師患者関係の具合によってはセカンドオピニオンをお願いすることさえはばかられる状況もありえます。
 私は紹介状なしでも患者さんを診る覚悟を決めましたが、患者さんにおかれましてはその場合は上記のリスクを理解した上で受診してもらいたいと思います。

Re: No title

ホリデーさん、その医師はガイドラインを不勉強ですね

【糖尿病診療ガイドライン2016】

http://www.fa.kyorin.co.jp/jds/uploads/GL2016-00-03_about.pdf

 個々の患者の診療は、その患者のすべての臨床データをもとに主治医によって個別に決定がなされるべきものなのである。したがって、本ガイドラインは医師の裁量を拘束するものではない。また、本ガイドラインは、すべての患者に適用されるものではなく、患者の状態を正確に把握したうえで、それぞれの診療の現場で参考とされるために策定されたものである。

 日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2016」統括委員会・策定委員会・評価委員会は、本ガイドラインの記載内容については責任を負うが、個々の診療行為についての責任を負わない。また、本ガイドラインの内容は医療訴訟対策などの資料となるものではない

Re: Re: No title

中嶋一雄 先生

 コメント頂き有難うございます。

 エビデンスに基づく医療をはき違え、責任回避や思考停止を正当化する理由として悪用されてしまっている状況だと思います。

No title

中嶋先生
私のコメントにコメントをいただきありがとうございます。
私が受診した医師がガイドラインを不勉強かどうかは専門外の一患者には何ともわかりませんが

専門家である医師が、同業の専門家である医師から勉強不足と指摘されるのはかなりきついことというか、辛辣な批判なのかもしれませんね。

患者であった私は、とてもねじまがった感想を持っていまして、専門知識のない素人に専門知識という武器を使って都合のいいように操作しているのではないかと憶測しています。
さらに「専門家である医師は知識のない患者を自分の都合の良いように扱ってよいのだ、医師にはその力と権限がある」とまで思っているのではないか、と邪推しています。もちろん指摘をしてもそんなことはない、と否定するとは思いますが、その医師は患者は医師に従うのが当然である、と考えているように感じておりました。

じぇみんまま さんへ

生命保険会社によっては、糖質制限に取り組んでいます

https://www.facebook.com/kanekolocalogiyoko/posts/1806202906349762

糖質制限をやれば、保険金の支払いが減って、保険会社は大助かりのはずです

Re: じぇみんまま さんへ

中嶋一雄 先生

 情報を頂き有難うございます。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院にいます。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

南鹿児島さくら病院では職員を随時募集中です。
詳しくはホームページhttp://www.nissyoukai.or.jp/
を御覧になって下さい。
見学申し込みもお気軽にどうぞ。

※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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