サイアミディン

主体的学習を促すDVD方式

鹿児島に転勤して一年以上が経過しました。

赴任当初から私の希望で月に2回のペースでスタッフ向けの院内勉強会を開かせて頂いておりましたが、

この度、私の思いつきで勉強会の開催スタイルを変更することにしました。

従来のやり方としては、広いスペースに職員を集めて、

30分以内と時間を区切り、糖質制限、湿潤治療などをはじめ、仰臥位療法やマインドフルネスなど、

その都度私が興味を持ったテーマの要点をまとめて発表するというものでした。
新しく私が思いついたやり方は、

私が週に一度行っている当直の時間中に、

30分だけ時間を取り、私一人が当直室で夜な夜な講演内容を録音し、

後にDVD化して、内容に興味があるスタッフに順次レンタルしてもらい、内容を聞いてもらうというものです。

従来のやり方だと、ある程度まとまった人数に対して一度に、しかも相手の空気感を感じながら話すことができましたが、

何度か繰り返しているうちに、必ずしも集まった全員が私の話に興味を持っているというよりは、

院内行事として認識されて何となく義務感から参加しているという感じのスタッフが少なからずいることを感じるようになってきました。

これは言わば「受動的な勉強会参加」です。

私は最近、繰り返し強調していますが、これからの医療は主体的治療を中心とすべきだと思っています。

すなわち従来のように医者の言うことに患者は従うだけの医療から、

患者自身が自分の健康を守るために主体的に決断していき、その中で迷いを生じた際にネットなどの情報を利用し自分が望む病院を探すと、

そして医療は患者さんの決断を全力でサポートするという新しい医療の在り方です。

そのためには、そんな主体的な患者さんの受け皿となる場所を作るべきだという主張は以前も述べました。

院内でのスタッフの勉強もこれと同じ変革が必要だと思います。

すなわち院内講師の言われるがままの内容を受動的に学ぶのではなく、

自分が本当に興味がある内容だけを主体的に選択して能動的に学ぶという新しい学習の在り方です。

DVD録画方式にすれば何がいいかというと、今まで何となく義務感だけで院内勉強会に参加していた消極的なスタッフに対して、何らストレスを与えないということです。

そして、心から私が提供する学習内容を学びたいと考える、主体的に行動することができるスタッフにだけ効率的に情報を与えることができるからです。

私は私で、消極的なスタッフに私の個人的な提案で始まった勉強会でストレスを与えたり、興味もないのに相手の時間を奪うことはしたくないのです。

だから新しい知識を望むスタッフにだけ益があり、そうでないスタッフへは害を与えないという住み分けが可能になります。

この住み分けの発想は新しい医療を考えていく上で大変重要なところだと思います。


またDVD化しておけば、これを別の用途にも使うことができます。

たとえば、当院に糖質制限教育入院される方への教材として使うということもできます。

当院では現在、江部先生の高雄病院のスタイルに習って糖尿病と高度肥満症の方に限り、

保険診療で2週間ほど糖質制限食を経験して頂ける教育入院プログラムを準備しています。

その際、リハビリが必要と判断される方はリハビリを受けて頂くこともできるのですが、

教育入院中に時間を持て余すこともあるだろうと思います。

そんな中で、まるでDVD屋のようにこれまで私が行った院内勉強会のDVD集が貸し出されれば、

何もない時間が少なくなるし、患者さんの糖質制限は勿論、それ以外の勉強にもなり一石二鳥です。

しかもDVDは月に2回のペースで増えていき、時間が経てば経つほどDVDのバリエーションが増えていきます。

実際、現時点でもかなりの数のDVDが溜まっており、教育入院の患者さんにご利用頂き好評を得ています。

加えて私のプレゼンの練習にもなるというのです。このやり方、いかがでしょうか。

しばらくこのやり方で続けてみますが、やってみて問題を生じることもあるかもしれません。

その時は臨機応変にやり方を見直して、適宜軌道修正をしていきたいと思います。

皆様の参考にもなれば幸いに存じます。


たがしゅう
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二刀流?

いつも楽しみにブログ読ませていただいています。
本日のブログをよませていただいて、気の早いわたしは「たがしゅう先生、ブロガーとユーチューバーの二刀流に挑むのか!?」などと勝手に期待してそわそわしてしまうのですが・・・
無責任な妄想、失礼いたしました。。

Re: 二刀流?

いるいる さん

 コメント頂き有難うございます。

 You Tuberですか。未踏の領域ですね。
 情報の管理に慣れていないので、現時点ではまだ踏み込めないですが、いずれはそういう所へ進んでも面白いかもしれません。

No title

こんにちは。記事を読んで私もまっさきにいるいるさんと同様にYoutube動画の可能性を考えました笑

動画を拝見していないので詳細わからいですけれど、たがしゅう先生のお話しは医学を学んでいないものにとっても非常にわかりやすく、糖質制限、ひいてはたがしゅう先生のマイナス(加えない)の自然の健康法が広まっていく、そして商業主義に塗り固められた間違った健康法へのアンチテーゼとして、よい機会になるのではないでしょうか?

うちの親は癌になり、再三再四糖質について説明しましたが、医者からは極端なことはしないほうがいいの一言で、全て水の泡になりました。自分の不甲斐なさを嘆くと同時に、理解のある医師であればとくやしい思いもしました。

それだけ医師というレッテル・立場によう説得力は強く、いわゆる素人がいくら自分のために糖質制限を学んでも、親ですら、他人に伝えることは難しいのです。

ですが、医師のたがしゅう先生にはそのお力があると思います。
少しでも多くの方にそのお考えが広まっていって欲しいと心から願います。

Re: No title

おおうら さん

 コメント頂き有難うございます。

> たがしゅう先生のお話しは医学を学んでいないものにとっても非常にわかりやすく、

 有難いお話です。たがしゅう動画の潜在的ニーズがあるのであれば、時期を考えて是非挑戦してみたいと思います。

ツイッターは如何ですか

ブロガーとユーチューバーの二刀流に挑むよりは、ブロガーとツイッターの二刀流が現実的かなと。例えば、有名なブロガーちきりんさんはブルグ(http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/201804)とツイッター(https://twitter.com/InsideCHIKIRIN?ref_src=twsrc%5Etfw&ref_url=http%3A%2F%2Fd.hatena.ne.jp%2FChikirin%2F20180108)両方やってられ相補的に効果をあげているように思います。プラユキさん(https://blog.goo.ne.jp/yokiennhttps://twitter.com/phrayuki)もです。
現状だとブログ毎日更新は大変すぎませんか?ブログの更新はぐっと減らして、日々の発信はツイッターというスタイルは如何でしょう。勝手な想像で意見申し上げてすいません。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: ツイッターは如何ですか

りんご さん

コメント頂き有難うございます。

フェイスブックやツイッターは個人の情報発信には向いていないと私は考えています。
なぜならば情報やグループの囲い込みが生み出されやすいからです。

芸能人や企業など情報の囲い込みが生業に影響してくる人が商業的に利用する分にはアリですが、
新しい考え方を世に出して肯定も否定も甘んじて受けられる環境として、ブログの方が私の性に合っています。

私は有名になるのが目的ではなく、私の人生の間に新しい医療の形の道筋を立てることを望んでいます。
そのためには公平で公開的な議論の場が必要だと考える次第です。

2016年8月27日(土)の本ブログ記事
「公平性と公開性」
http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-719.html
も御参照下さい。

> 現状だとブログ毎日更新は大変すぎませんか?

それは不思議とそうでもありません。
多くの方々に支えられ、楽しんで書けているからだと思います。
ネタもありすぎて消化しきれないくらいありますし、楽しめているうちは自分の思考の樹を育てるためにも毎日ブログ続けていきたいと思っています。

余談ですが、一時期不定期更新にしていた頃の方がネタの捻出に苦労していました。不思議なものです。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院にいます。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

南鹿児島さくら病院では職員を随時募集中です。
詳しくはホームページhttp://www.nissyoukai.or.jp/
を御覧になって下さい。
見学申し込みもお気軽にどうぞ。

※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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