サイアミディン

自分と向き合い続けて人生は花ひらく

長く生きることだけが人生の価値だとは思いませんが、

健康長寿を成し遂げておられる人にはやはり興味が惹かれる所があります。

先日、ふらっと本屋に立ち寄って衝動買いしたのは、

吉沢久子先生という評論家の方で、今年御年100歳になられた方が書かれた次のような本です。



99歳からあなたへ いつまでも変わらない大切なこと 新書 – 2017/6/22
吉沢 久子 (著)
100歳になられる1年前、99歳の時に書かれた本ということですが、

本の内容を読む限り、年による衰えは一切感じさせられない美しい文章で、

むしろ年を経て洗練され、まるで無駄なものをすべてそぎ落として芯の部分だけが残ったかのようなわかりやすい文章に魅せられて思わず購入してしまいました。

その中で、最近私が考えていることをわかりやすく代弁してくれているかのような文章に出会ったので、

本日はそこから少し引用して是非紹介させて頂きたいと思います。

(以下、p17-19より引用)

【人のことを気にしすぎると、受け身の人生になります】

○無責任な人の言葉は聞き流してもいいのです

人生を受け身で生きないために、いちばん気をつけなければならないのは、

人のことを気にかけすぎることです。

「あの人は、私のことどう思っているのかしら。怒っているのじゃないかしら」

と、やたらに、人のことを気にやんでいると、いつかそれが、

「私がこんなことをしたら、人はどう思うかしら」

と、何につけても、他人のことばかり気になる性質に変わって、いじけた人間になってしまいます。

もちろん、自分一人が暮らしているのではない社会に生きているのですから、

他人に迷惑になるようなことをしてはならないのですが、自分の責任で自分がすることについてはかまわないのです。

自分については、自分ほどたしかに責任を負える人はないのですから、

無責任な他人の言葉は、黙って聞き流しても、私はいいと思うのです。

そのかわり、自分をよく見つめ、自分について厳しい批評や、反省をすることは大切です。

それが、自分の人生を、楽しいものにしていく力を養うのだと、私は考えています。

そういう意味から、自分自身と向き合って考える時間をもつことをすすめたいと思います。

文章を書くとか、絵を描くとかいうことも、同じ意味はありますが、

むしろ、それを日記という形にして、一日のうちのわずかな時間でもいいから、自分を見つめてみる必要があると思うのです。

あるいは毎日でなくても、感じたことや考えたことが、あふれるくらい心にたまったとき、

それを書いてみると、ただ心の中にあったときよりは、はっきりした形になって残るものです。

こういうことが積み重ねられて、ほんとうに自分というものをしっかりもった人間に成長していけば、

ただ若い頃のほうが楽しかった、とばかり言う人にならないですむのではないでしょうか。

一年一年と、年を重ねるにしたがって、見るものにも、聞くものにも、

深い理解をもてるようになるのが、ほんとうの成長というものでしょう


そういう生き方を、私たちはしたいと思います。

(引用、ここまで)



いかがでしょうか。

最近私が考えている「主体的医療」の本質がわかりやすい言葉で説明されているかの如く私には感じられます。

こうした頭脳明晰な長寿の方の文章は非常に価値があると私は思っています。

なぜならばその考え方そのものに大いなるストレスマネジメントのヒントが隠されていると思うからです。

つまり健康長寿を成し遂げている方は、意識的にせよ、無意識的にせよ、

そのストレスマネジメント能力が身についていたからこそ健康長寿を成し遂げられたのではないでしょうか。

そして年をとることがネガティブに捉えられがちな昨今ですが、

思考の樹を丁寧に育ててきた人にとっては、その時間の長さこそが言葉の深みを生み出し、

年をとればとるほどに花開いていく人生の喜びを感じ取ることができるのではないでしょうか。

それをまさに地で行っているような吉沢久子先生のお言葉、

今の私には大変に染み入りました。


たがしゅう
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脂質代謝につきまして

人目ばかり気にしてしまいます。
さっそく本屋さんに行ってみたいと思います!
いつも良書のご紹介をどうもありがとうございます<m(__)m>

申し訳ありません。
2018-03-05の記事でお返事を頂きましたものです<m(__)m>
お聞きしたいことがあります。
私は非筋肉質、やせ型の糖質制限に失敗した女性なのですが、、
どれだけ長く厳しい糖質制限をしても脂質代謝をまわせない人が食べた脂質は、一体どう経過していくのでしょうか?吸収され、エネルギーとして代謝されないとなると、細胞壁になったり、体脂肪になったりと、多くの部分が体になるのでしょうか。
また、糖質ゼロでケトン体を上げていた頃は、階段で足を上げられないようなエネルギー不足が続いていたのですが、糖質ほぼゼロでも1年近く生きていたということは、脂質代謝が完全に錆びついて使えていない訳ではないということになるんでしょうか?それとも、糖新生で生きていたのでしょうか・・・?食事は、タンパク質と良質の脂質と糖質のない野菜という感じで、脂質が多いので痩せてしまうことはありませんでした。

糖質制限で、膠原病の症状・目の症状は落ち着いたのですが、現状としては、頻繁に蛋白尿がでるようになってしまい、腎臓を悪くしてしまったかと思っています。(糖質制限は続けておりますが、人参やカボチャなどの野菜の糖質を摂るようになりました)

もし何か教えていただける事がありましたらどうぞよろしくお願いいたします。
長文乱文で誠に申し訳ございません<m(__)m>

Re: 脂質代謝につきまして

まぁ さん

 御質問頂き有難うございます。

> 長く厳しい糖質制限をしても脂質代謝をまわせない人が食べた脂質は、一体どう経過していくのでしょうか?

 一つは単純に消化管からうまく吸収されずにそのまま便中に排泄されている可能性があります。
 もう一つは無事にグリセロールと脂肪酸まで分解されて吸収されたとしても、糖代謝の材料として利用されてしまう可能性もあります。糖代謝も脂質代謝もアセチルCoAという物質を起点に共通する代謝系を持っていますので、身体としては使い慣れている糖代謝を、いくら材料が脂質由来だったとしても、そのまま使い続けていく可能性があると思います。


> 糖質ゼロでケトン体を上げていた頃は、階段で足を上げられないようなエネルギー不足が続いていたのですが、糖質ほぼゼロでも1年近く生きていたということは、脂質代謝が完全に錆びついて使えていない訳ではないということになるんでしょうか?

 糖質ゼロで1年近くなら、糖新生は確実に駆動されていると思います。
 糖新生が駆動されている時は基本的には低インスリン状態のはずですが、
 長く糖尿病を患っていたり、ストレスで糖新生が惹起させられ続けている場合は、インスリンがそれなりにあっても糖新生機能がオーバーヒートしてしまっている場合があります。脂質代謝を使おうと思えばそのオーバーヒートを抑えない事にはなかなか始まらないので、自力で抑えるのが難しければ一時的に薬の力を借りるのも一つだと思います。

> 糖質制限で、膠原病の症状・目の症状は落ち着いたのですが、現状としては、頻繁に蛋白尿がでるようになってしまい、腎臓を悪くしてしまったかと思っています。

 体調が良くなっているので悪い方向に行っているわけではなさそうですが、
 タンパク尿が出るという事は、摂取タンパク質量が多すぎる可能性があります。
 可能であれば少しタンパク質の摂取量をセーブし、脂質を増やす工夫をなされるとよいと思います。
 野菜の糖質を摂るというのは、ストレス対処行動にはなっているかもしれませんが、対策としては少しピントがずれていて根本対策にはならないと思います。
 そもそも「蛋白尿=腎機能障害」とも限らないので、本当に腎臓が悪くなっているかどうかは、血液検査(できればシスタチンCという項目)で確認しましょう。

自分の内側を知る

マインドフルネスの手段に近い方法ですね。

もともと「人の意識」は常に身体の「外に外に」向く傾向があるのでしょうか?

外に向きすぎて、自分の内側の変化を察知することが疎かになってしまう

特に情報過多の現代においては、いとも簡単に外に意識を持っていかれてしまいます。



日記を書くことや瞑想等々、自分に合うスタイルで、一日に1回の「身体の内側との対話」が健康の秘訣なのでしょうか

この筆者のライフスタイルから学ぶことは大いにありそうです

Re: 自分の内側を知る

だいきち さん

 コメント頂き有難うございます。

> もともと「人の意識」は常に身体の「外に外に」向く傾向があるのでしょうか?
> 日記を書くことや瞑想等々、自分に合うスタイルで、一日に1回の「身体の内側との対話」が健康の秘訣なのでしょうか


 情報化社会で何も考えなければ外に意識を持っていかれやすくなった現代において、
 自分の内側へ心を向けるための具体的なトレーニング法として非常に意義深いアドバイスだと私は感じています。

 確かに私もブログを続けることで、自分の身体の内側を見つめ直す機会は圧倒的に増えました。
 他人に対して腹を立てていることの多くは、結局自分の見識の狭さを反映しているだけ、ということに気付く事も多々ありました。

No title

不躾な質問にも関わらず、丁寧にお答えいただき本当にどうもありがとうございます<m(__)m>
とても分かりやすく、1年以上もやもやしていた部分がすっきりしました<m(__)m>

なるほどです!糖質制限に失敗するやせ型女性でも、SGLT2阻害薬などで脂質代謝に成功する可能性があるんですね!すぐに不調が出るため医薬品を使いたくない気持ちはあるのですが、一時的で良いかもしれないところも魅力的です。
鹿児島で先生にかかりたい気持ちでいっぱいですが・・・、子供がいて遠く厳しいので、まずは、糖を自分で抑える方法(ストレスマネジメント、断食)を地道にチャレンジするしかないかなと思います。

また、タンパク質の食べ過ぎに気を付け、シスタチンCの血液検査に行こうと思います。

昨日早速、5年日記を注文してみました♪
たがしゅう先生、本当に本当にどうもありがとうございます<m(__)m><m(__)m>
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院にいます。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

南鹿児島さくら病院では職員を随時募集中です。
詳しくはホームページhttp://www.nissyoukai.or.jp/
を御覧になって下さい。
見学申し込みもお気軽にどうぞ。

※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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