サイアミディン

腸内細菌叢が太りやすさを決める

私は江部先生のスーパー糖質制限食を2年強続けてきました.

体重は最初の10か月で約30kg速やかに減少しましたが,その後は概ね横ばいで推移しています.

現在,身長180㎝で体重100kg少し超える程度の体重であり,BMIにすれば31程度ですので,まだ標準体重とは言い難い状態です.

きっちり糖質制限をしているはずなのに,しかも当直などで24時間絶食することもしばしばあるのに,体重がずっと横ばいで推移することをずっと不思議に感じていました.

しかしその疑問を解く一つの糸口になりそうな事を最近学びました.

それは腸内細菌叢が太りやすさを決めているかもしれないという内容です.

先日紹介したこちらの本にその事に関する文章が書かれていました.


~以下,引用~

最近,アフリカ原住民と典型的な都市生活をしているイタリア在住の,それぞれ健康な子どもの腸内細菌叢を比較した研究が発表されました.

それによると,高食物繊維・低カロリーで育ったアフリカ原住民の子どもの腸内細菌叢では,バクテロイデス門に属する細菌が優勢だったのに対し,

低食物繊維・高カロリーで育ったイタリアの子どもでは,フィルミクテス門に属する細菌が優勢でした.

さらに,アフリカ原住民の子どもの腸内細菌叢は細菌の種類と数が多く,善玉菌優位の腸内細菌叢を形成していました.

腸内細菌のうちフィルミクテス門は,太ったヒトの腸内に多く存在します.高カロリー食を摂取することで脂肪の吸収効率が最適の状態に分解し,腸壁はぐんぐん脂肪を吸収します.

反対にバクテロイデス門は,痩せたヒトの腸内に多く存在しています.フィルミクテス門よりも脂肪分解能が低い腸内細菌で,腸壁の栄養吸収率も低くなります.

この二つの腸内細菌は,善玉か悪玉かという区分けはできず,栄養摂取状態で増殖のバランスを変化させ,栄養吸収効率を左右する菌なのです.

つまり,高糖質・高脂肪の食品を摂ればフィルミクテス門が増え,低糖質・低脂肪の食品を摂ればバクテロイデス門が増えてきます.

(中略)

つまり,肥満の人が持つ腸内細菌叢はちょっと食べただけでますます人を太らせる効果のあることがわかったのです,

~引用,ここまで~


ヒトの腸内細菌の組成は生まれた時にすでに決まっており,そのまま一生を通して変化しないようなのですが,

その数と菌種のバランスは食べたものによって変化します.

従って今好んで食べている食べ物の種類,ひいてはそれを食べることで一緒に入ってくる細菌の種類によってある程度太りやすさが規定されている可能性があると思うのです.

例えば,太りやすい腸内細菌を持っていると,低カロリーにしていても腸内細菌がエネルギーをたくさん蓄積してしまうために結果的に太ってしまうのでしょう.

この太りやすい腸内細菌を持っている状態でやせるには,極端な低カロリーに落とし込むことか,もしくは腸内細菌叢の組成を変えてしまうことが必要です.

そのための方法の一つは,やせている人が好んで食べているものを調査し,その人達と同じような食生活にできるだけ近づけるというのが一つです.

ただし,もともとの腸内細菌組成は決まっているというのが定説なので,完全にその人と同じとまではいかないでしょうが,近づけることはできるかもしれません.

そういえば先日ご紹介した絶食療法の後脊髄小脳変性症を克服された森美智代さんも,青汁1杯(60kcal)で体重を維持し,それ以上食べると太るということを本の中で書かれていましたが,

森さんの場合は絶食を通じて腸内細菌の数を激減させたのち,青汁として野菜中心に食べることによって,草食動物に棲みつくはずの細菌を新たに自分の腸内に棲息させることに成功したことが示唆されます.すなわち,この場合は定説を覆して腸内細菌叢をがらっと激変させた可能性があります.

よって,もう一つの方法は,絶食療法をやった後に上述の方法を試すということです.

これは今年の間にどこかで一度試してみたいと個人的には思っています.

そのためにはやせている人が好んで食べるものは何かを調べていかなければいけませんが,

とりあえずは高食物繊維・低カロリーの食品,すなわち野菜を中心に食べていくことを意識していこうかと思います.



たがしゅう
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Re: No title

ユッキ さん

 コメント頂き有難うございます。こちらこそ今年も宜しくお願い申し上げます。

 御参考になれば幸甚です。

フードファイター

たがしゅう先生
こんばんは!

 以前、テレビで、フードファイターのギャル曽根さんが、何故あれだけの量を食べられるのかの医学的検証をしていたのを思い出しました。たしか、ふたつの要因があったように記憶しています。
 一つは、胃の構造的要因で、レントゲン所見で、空腹時は、普通の人と全く同じ形状ですが、大量の食事摂取時は、下腹部を腸の前面まで伸びて膨張していた画像が映し出されていました。
 
 二つめは、腸内環境が、すばらしいということでした。詳しいことは、覚えていないですが、たぶん腸内細菌の事を言っていたのだと思います。

 確かに、フードファイターと呼ばれる人たちは、そんなに太った人はいないですよね。どちらかと言えば痩せの大食いな人が多いように感じますが。

フードファイターの人たちの腸内環境も研究すると、いろいろな事がわかりそうですね。

Re: フードファイター

haru さん

 いつもコメントを頂き有難うございます。

> フードファイターの人たちの腸内環境も研究すると、いろいろな事がわかりそうですね。

 そうなんですよね。私もフードファイターの人の事すごく興味があります。
 
 確かに、そういう人達の腸内細菌を調べたら面白いことわかりそうですよね。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院に勤務しています(下段にリンクあり)。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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