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サイアミディン

情報を絞り込む技術

最近参加した講演会では上手に感じるプレゼンテーションに出会う機会が多くあります。

そうしたプレゼンの共通点の一つに「スライドを読ませない」というものがあるように思います。

人は読むのと聞くのと、二つの作業を同時に行うのは難しいといいます。

何かを読んでいる時に人の話を聞くのは難しいし、人の話を聞きながら別の文章を読むのは難しい、ということです。

ある講師の先生に言われました。「医師のプレゼンは下手」だと。

なぜならば医者のプレゼンでは症例の紹介がしばしば必要とされ、

それを紹介するために「病歴」と呼ばれる長文を書くことがスタンダードであるからです。
しかも医学教育の中でプレゼンの技術を学ぶ機会はほとんどありません。

だから長い病歴を一枚のスライドに書き連ね、基本的にそれを読むことで進行されるプレゼンがどうしても多くなってしまうのです。

ところがプレゼンが上手な人のスライドは基本的に文字が少ないです。

例えば、一枚のスライドに大きく「48%」とだけ書かれているものが出たりします。

それを見て聴衆は「えっ⁉︎何が?」と思いますが、すかさずそれを説明を加えることによって、

読む作業が聴く作業の邪魔をしなくて済みますし、かえって大きなインパクトを残すことさえできるメリットがあります。

なので長い文章を極力避け、その中で本当に必要な情報だけを絞り込む作業が大事になってきます。


ところが、そこまでわかっておきながら、最近私が作ったプレゼンテーションでは、

割と文章が詰め込まれたスライドを作ってしまうことになってしまいました。

なぜ私は情報を絞り込むことができないのでしょうか。

そこで気付いたのは、「情報を絞り込むためには少なくともその情報について熟知しておく必要がある」ということです。

先の私の最近のプレゼンは、まだ誰にも披露したことのない内容を院内のスタッフへ初めて披露するプレゼンでした。

私なりにプレゼンのポイントは踏まえてはいるものの、正直言ってプレゼンのテーマについて熟知しているかと言われれば決してそういうわけではなかったので、

スライドを作成する過程でどうしても内容を絞りきれない部分がありました。

それに比べて、私がうまいと感じたプレゼンテーションの講師の先生は、

おそらく百戦錬磨で、同じプレゼンを違う場所で行う作業を何度も繰り返し、

繰り返すたびに本当に重要だと思うポイントが明確化してきて、さらに不要な情報をそぎ落とすという作業を、

きっと何度も繰り返して来られたのだろうと思いました。

だから私は、プレゼンの種を育てたばかりの段階では、

まだ情報を絞り込む作業には必ずしもこだわらなくてもいいと思います。

いくつかの種が育ち、その中で特に育んでいくべきテーマが見つかったら、

何度も何度も繰り返して、より必要なメッセージだけが確実に伝わるよう、

情報を絞り込む技術を鍛えていくことが大事だと感じた次第です。


たがしゅう
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プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院にいます。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

南鹿児島さくら病院では職員を随時募集中です。
詳しくはホームページhttp://www.nissyoukai.or.jp/
を御覧になって下さい。
見学申し込みもお気軽にどうぞ。

※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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