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サイアミディン

低栄養の背景にオートファジー抑制あり

栄養状態が悪いと薬の副作用が出やすいというお話をしました。

その理由は薬を代謝分解する酵素がタンパク質であり、タンパク質が不足した低栄養状態においては、

薬を適切に分解・代謝し排泄することができなくなってしまうからです。

そう考えると、とにかくタンパク質を摂取することが何より重要なことであって、

タンパク源となる肉、魚、卵、大豆といった食品を積極的に摂りましょう、あるいはサプリメントでプロテインを補いましょうという話になりがちですが、

忘れてはならないのはオートファジー、すなわちタンパク質のリサイクルシステムです。
オートファジーが働くためには、絶食か低インスリン状態である事が必要不可欠と言われています。

オートファジーがきちんと働いている状況にあれば、少々外部からのタンパク質摂取が少なかろうとも、タンパク質をリサイクルすることでタンパク質不足に陥る事はありません。

これは酵母で発見され、哺乳類はおろか動植物全般に備わっている生物の生存戦略としての基本システムです。

さて、タンパク質が足りなくて、低栄養状態にあるという人は、

タンパク質の絶対量が不足しているだけではなく、オートファジーの機能低下が多かれ少なかれ存在しているということになります。

裏を返せばオートファジーの機能を落とす要因は摂食とインスリン分泌、ということになります。

従って、タンパク質をしっかり補おうと多食になってしまう行為は、

低栄養からの脱却という目的においては片手落ちだという事になると思います。

なぜならば一生懸命タンパク質を補おうと食べる回数を増やせば増やすほど、

オートファジーはより働きにくくなってしまうからです。

以前、飢餓と断食はオートファジーが働いているか否かという点で違うという話をしました。

栄養障害を解決するためには、栄養素を補充するプラスの発想のみならず、

栄養吸収・再利用システムの阻害因子を除去するマイナスの発想も必要だと私は考えます。

そう考えると栄養失調解決のためになすべきことは、結局「糖質制限」+「ストレスマネジメント」という所へ行き着きます。

なぜならば糖質もストレスも血糖値を上昇させることでインスリン分泌に寄与し、オートファジーを抑制させてしまうからです。

よく血糖値がコントロールされている限り、糖質はむしろある程度摂取すべきだという考え方を耳にしますが、

血糖値がコントロールされていても、糖質を摂取していれば、その背景でインスリンが分泌されている事を忘れてはなりません。

そうなると、オートファジーは抑制され続け、タンパク質を摂取し続けなければ現状を維持できない状態となり、

例えば災害時に食べ物がなくなったという状況に追い込まれた時に一気に栄養失調へと追い込まれるリスクを背負うことになります。

ヒトを取り巻く飽食の時代が自然界の中でいかに異常な状況であるかということを、

私達は知っておくべきではないでしょうか。


薬の副作用が出やすい人の特徴における「栄養状態が極端に悪い人」

これをみたら栄養素が足りないというだけではなく、オートファジーが抑制されている状況を合わせて考えてもらいたいと思います。

それを解決するための糖質制限+ストレスマネジメント、

よく考えればこの方法論は、他の薬の副作用が出やすい人の特徴にも対応できます。

1. 肝臓や腎臓に病気を持っている人
2. 小児や高齢者
3. アレルギーを持っている人
4. 多種類の薬をのんでいる人
5. 栄養状態が極端に悪い人


糖質制限をすれば、脂肪肝からの脂肪肝炎を防いだり、

糖質過剰からの酸化ストレス、腎血管の動脈硬化、腎障害への流れを絶ち切ったりすることで、

肝臓と腎臓の機能を保護することが期待できます。

またストレスマネジメントを行うことで、ストレス過剰に起因するアレルギー体質の改善にもつながります。

それらの実践で体調がよくなれば、おのずと薬の量は減ります。あるいはここには主体性も大きく関わってくるかもしれませんが、

ともあれ、薬の副作用が出やすい状態というのは、

あなたの食事とストレスに問題がありますよという事を教えてくれるメッセージではないかと私は思います。


たがしゅう
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プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院にいます。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

南鹿児島さくら病院では職員を随時募集中です。
詳しくはホームページhttp://www.nissyoukai.or.jp/
を御覧になって下さい。
見学申し込みもお気軽にどうぞ。

※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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