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サイアミディン

自主的な行動の落とし穴

ポリファーマシー問題にもつながる話ですが、

御高齢の患者さんを中心に、かかりつけの病院・クリニックが複数あるという方はかなり高頻度でお見受けします。

高血圧や糖尿病の薬はA内科医院に、整形外科の骨粗鬆症の薬や痛み止めはB整形外科医院に、皮膚のトラブルはC皮膚科医院へ、

そして半年に1回の脳動脈瘤の検査はD総合病院へ定期的に受診しているといった具合です。

このようにかかりつけ医が複数存在すると、それぞれでそれなりの量の薬剤が処方されてしまうため、必然的に多剤内服状態になってしまいます。

さて、こうした患者さんの行動は自主的ではあるかもしれませんが、主体的ではないと私は考えています。
自主的と主体的の違いは何だったでしょうか。

両者は自ら行動するという意味では共通していますが、やるべきことが誰かに決められているのが自主的で、やるべきことを自ら決めていくのが主体的です。

複数の病院に受診するという選択肢を自ら選ぶということ自体が問題ある行動というわけではなく、

なぜ複数の病院を受診しようと思ったかという理由がどこにあるかが非常に重要なポイントです。

おそらく多くの複数病院を受診する人の受診動機は、

「いろいろな病院に行けばそれぞれで専門的な治療が行われて自分の病気を治してくれると思うから」と、そんなところではないでしょうか。

もっと言えば、専門外のことを医師に相談したら相手の迷惑になるという気遣いも入っているかもしれません。

いずれにしても自分で考えて行動しているというよりも、世間の常識や誰かが定めた価値観に従って行動しているのではないでしょうか。

要するに自分で行動しているように見えて、まるで誰かに操られているかの如く行動してしまうことが起こり得るのが自主的な行動の落とし穴だと私は思います。

もっと端的に言えば、「お医者様に任せていれば安心」という価値観が自主的な行動を主体的ではないものにするということです。

逆に言えば私が推奨する主体的医療に近づくためには、「お医者様に任せていれば安心」という価値観をまずもって捨てなければなりません。

なぜならば「お医者さんに任せていれば安心」という価値観は自分が自分の頭で考えて獲得した価値観ではないからです。

また本当に自分の頭で考えているのであれば、「お医者様に任せていれば安心」という価値観に行くことはきっとありえないだろうと私は思います。

自分の健康について最も真剣に考えられる立場にいるのは自分自身ですから、誰かに任せるという行動を取る時点でそれは主体的ではなくなるのではないかと思うのです。


もちろん本当に病気を治すために主体的に行動した結果、

複数の病院に受診するという状況はありえると思いますが、

その場合は、必ずそれぞれの病院に受診するに当たって自分の頭で考えて導かれた明確な目的があるはずです。

例えば、A病院には自分の健康管理法に対してアドバイスしてもらったり、必要最小限の薬を出してもらったり、

B病院へはリハビリのために定期的に通っていたり、C病院へは自己管理やA病院の治療ではどうしても解決できない何らかの問題を生じた場合に漢方やホメオパシーの処方を受けるために臨時利用するといった使い方です。

これらは同じ複数病院受診であっても似て非なるものだと思います。

そして主体的治療の恩恵を十分に受けるためには、

自分がどのような治療を希望するか、その考えを明確にしておく作業が不可欠だと私は思います。


たがしゅう
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プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院にいます。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

南鹿児島さくら病院では職員を随時募集中です。
詳しくはホームページhttp://www.nissyoukai.or.jp/
を御覧になって下さい。
見学申し込みもお気軽にどうぞ。

※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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