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サイアミディン

PPI長期内服の問題点

先日とある勉強会で逆流性食道炎に対する胃酸分泌抑制薬、

通称PPI(Proton pump inhibitor:プロトンポンプ阻害剤)の長期処方の弊害に対するお話がありました。

胃酸が多く出すぎて、ふとした拍子に胃酸が胃から食道へと逆流しやすくなり、本来なら胃酸が入らないはずの食道が胃酸の影響でただれてしまうのが逆流性食道炎ですが、

それに対してとにかく胃酸の分泌を強制的に少なくし、結果的に胃酸を逆流させにくくする目的でPPIは逆流性食道炎に対して長期的に処方され続けている状況はしばしば見受けられます。

しかし根本的に胃酸が増える原因を放置したまま、付け焼き刃的に胃酸を抑えているだけの対症療法なので、

当然のことながら、根本的な原因が解除されない限り、薬をやめるとぶりかえすので、延々と同じ薬を飲み続けなければならなくなります。
ところが、胃酸の本来の役割は何かと言えば、皆さんも御承知の通り、「食べ物の消化」です。

理由はどうあれ、胃酸の分泌が抑えられれば、食べ物、特にタンパク質が小腸で吸収される段階まで消化することができにくくなるということになります。

そうなれば量をしっかり食べていてもタンパク質やビタミンを吸収できない身体となってしまい、

身体の構成成分だけでなく、様々な代謝を進める酵素や物質の運搬などの働きが障害されてしまい、様々な細胞機能の障害へとつながってしまうというお話です。

もっと言えば、PPIで強制的に胃酸をブロックされ続ければ、胃酸の自己分泌能が抑制されてしまい、

いざPPIをやめても、飲む前の胃酸分泌能力をなかなか発揮することができず、依然として消化吸収障害が並存したままとなることもあります。


ところで現代医学の中ではあまり言われませんが、

糖質制限推進派医師を中心に逆流性食道炎の根本的原因として最も有力視されているのが、炭水化物の過剰摂取です。

なぜならば実は炭水化物は胃内に滞留しやすく胃酸分布を遷延させ、糖質制限をすると即座に逆流性食道炎の症状が改善するという事実が観察されているからです。

前者は緊急胃カメラでの食物残渣の内容に未消化の炭水化物が多いということから確認できますし、

糖質制限による逆流性食道炎の改善効果も、患者さんをよく見ていればわかるはずです。

この二つの事実があれば、たとえエビデンスがなくとも、「逆流性食道炎の根本的原因は炭水化物の過剰摂取」という説はかなり確からしいと思うのですが、

世の中はエビデンスがないと信用できない医師が多数派であるため、一般的な現代医療の世界の中でこれが受け入れられることはないようです。

糖質制限をすれば、胃酸が出過ぎなくて済み、

逆流性食道炎の症状が緩和され、PPIを飲み続ける必要性がなくなり、

正常な胃酸分泌能が戻り、PPI長期内服に伴う消化吸収障害の問題も無くなっていいことずくめです。

でも常識の壁や依存性・中毒性の問題などから、糖質制限が続けられないという人がいるのも事実ですから、

リスクを背負いながらPPIを飲み続けることを許容するしかないこともあるのかもしれません。

それでもせめて胃酸分泌を抑えるのではく、

消化管の蠕動を促進し、胃から小腸への送り込みをスムーズに行うことで、

逆流性食道炎の症状を緩和するという発想で、PPIの代わりに六君子湯や安中散などの漢方薬へと切り替えていけば、

糖質を摂取しながらでも、PPI長期内服の弊害をある程度減らすことができるのではないかとも思うのですが、

実はそれさえも容易にできない西洋医学的な問題がもう一つあります。

それについては長くなるので次回の記事で紹介したいと思います。


たがしゅう
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プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院にいます。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

南鹿児島さくら病院では職員を随時募集中です。
詳しくはホームページhttp://www.nissyoukai.or.jp/
を御覧になって下さい。
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※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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