サイアミディン

カロリー制限と混同しない

糖質制限が世間で知られるようになり,

一般的なメディアで取り上げられる頻度も増えてきました.

雑誌に取り上げられることも多く,その中でも先進的に糖質制限を特集してきた雑誌の一つが「Tarzan」です.





最新号のTarzanでもダイエットが特集されていたので読んでみました.

今回も文章の随所に糖質制限に関する記載が見受けられ,大分定着しているように思えるのですが,

全体を通してふと感じたことがありました.
それは結局カロリー制限と糖質制限が同等に記載されているということです.




例えば,

「牛肉はヒレやモモなど脂肪分の少ない赤味肉を選ぶ」
「肉よりも魚の方がカロリーも抑えられるし,必要な栄養素もカバーできる」
「カロリーカットの調理器具をそろえよう」

などといった内容です.

勿論,糖質制限のこともしっかりと書かれているのでそれはよいのですが,

全体的にみて「従来のカロリー制限という確立されたダイエット法に,さらに糖質制限という新しいダイエット法が加わった」という印象の記載です.

私はこの理解の仕方というのは少し注意を要すると思います.



というのはカロリー制限と糖質制限を両方同じように行うと摂取量不足に陥る可能性があることです.

糖質制限を最も手っ取り早く行う方法は「主食を抜く」ことであるわけですが,

普段の食事の量そのままに主食を抜くだけではまず摂取量不足になります.

摂取量不足になると,全身倦怠、筋力低下、無気力などの症状をきたすおそれがあります.

従って私は患者さんに指導する場合にも,主食を減らしたらその減らした分必ずおかずの量を増やすことを強調しています.

その際,厳密にカロリー計算するのではなく,基本的には満腹感が満たされるようしっかり食べるよう指導しています.

つまり糖質制限を理解するということは,従来のカロリー制限を抜本的に見直すことであるわけです.

私は減量にはまず「①糖質制限」を勧めます.

基本的にはしっかり食べてもやせていく糖質制限ですが,

それでうまくいかない場合はさすがに量を食べ過ぎている可能性が高いですので,次に「②摂取量制限」を勧めます.この時にカロリー制限とは表現しないのがミソです.

それでもやせない場合は,先日取り上げた腸内細菌叢など体質的な問題も関わっていたりするのだと思います.



「カロリー制限も糖質制限も両方とも正しい」というのは本当に糖質制限を理解しているとは言い難いと私は思います.

糖質制限の指導にも大分慣れてきて理解してくれる患者さんも増えてきましたが,

一見糖質制限を理解しているようでも,カロリー神話と並列で理解している場合は少し注意しないといけないかもしれない,と

今回のTarzanを見てそう思いました.



たがしゅう
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コメントの投稿

非公開コメント

脂肪

 私も糖質制限を始めたばかりの頃に、やり方がよくわからず、脂肪まで無意識に制限していた時期があります。

 そうしたらまさに全身倦怠、筋力低下、無気力という表現がぴったりの状態になってしまいました。

 なので思い切って脂質を多く摂るようにしたら症状は収まり、身体全体のパワーが驚くほど回復してきました。

 今では良い脂質は、私のエネルギーの源だと思っています。

 たがしゅう先生のブログは、毎回とても現実に則した話題が多いので、とてもありがたいです。これからも無理のない範囲で頑張ってください。

Re: 脂肪

こたろう さん

 コメントを頂き有難うございます.

 真の栄養バランスというのは脂質,蛋白質を中心に考え直すべきなのでしょうね.新しい栄養学の構築が不可欠です.
 
 こたろうさんの実体験も非常に参考になります.今後とも宜しくお願い申し上げます.

気をつけます!

遅ればせながらあけましておめでとうございます。
糖質制限を始めてから、足の爪先の冷えやしびれに悩まされてきました。すでにお腹いっぱいは実行していたので、オリーブオイル、チーズ、バター、卵の摂取量を増やすようにしたら、しびれが解消されてきました。
前回の記事にからみますが、「砂糖、お肉、油を控えれば、お米や野菜はたくさん食べてもOK」というのが、私のなかの食の常識になっていて、その常識から完全には解放されていなかったように思います。
外で糖質制限の話をすると、「お米食べないと力が出ないでしょ?」と言われます。知り合いの医療関係者には「糖尿なのにアーモンドを10粒も食べたの」と非難がましいことを言われたこともあります。
これが世間の常識なのですね。そして自分もついこの間まで、そのなかの一人だったとは……。

Re: 気をつけます!

月夜野うさぎ さん

 コメント頂き有難うございます。

 従来の常識の延長戦上で糖質制限をとらえているとトラブルの元になります。

 糖質制限を理解することは従来の常識を抜本的に見直すことです。それができると人は変われます。

> 外で糖質制限の話をすると、「お米食べないと力が出ないでしょ?」と言われます。知り合いの医療関係者には「糖尿なのにアーモンドを10粒も食べたの」と非難がましいことを言われたこともあります。
> これが世間の常識なのですね。そして自分もついこの間まで、そのなかの一人だったとは……。


 私も同様です。糖質制限の理論を学ぶまでは私も従来理論の穴に全く気がつきませんでした。

 自戒の念も込め、これからもできるだけ多くの人に糖質制限の事を知ってもらえるようブログを続けていこうと思っています。

ご意見うかがいたいのですが。

2度めの投稿失礼します。
今回の記事にからんで、ひとつおうかがいしたいのですが……。
最初からスーパー糖質制限を始めた場合、全身倦怠感が出たり髪の毛が抜けたりと、様々な不快な症状が出る人がいると、カルビンチョ先生のブログで紹介されていました。
カルビンチョ先生は、そういった症状が出た場合は糖質摂取量をいったん戻してから少しずつ糖質量を減らしていく方法を提案されていますが、たがしゅう先生はどう思われますか?
やはり徐々に糖質量を減らしていったほうがいいと思われますか?
あるいは、最初から脂質・タンパク質を十分に摂取しながらスーパー糖質制限をおこなえば、不快な症状が出ることはないのでしょうか。
私自身が不快な症状で困ったため、糖質制限を人に奨めるときは、そのへんをきちんと注意喚起できるようにしておきたいと思っています。
ぜひご意見お聞かせください。

Re: ご意見うかがいたいのですが。

月夜野うさぎ さん

 御質問頂き有難うございます。

> 最初からスーパー糖質制限を始めた場合、全身倦怠感が出たり髪の毛が抜けたりと、様々な不快な症状が出る人がいると、やはり徐々に糖質量を減らしていったほうがいいと思われますか?
> あるいは、最初から脂質・タンパク質を十分に摂取しながらスーパー糖質制限をおこなえば、不快な症状が出ることはないのでしょうか。


 糖質制限をし始めの頃に便秘・下痢や倦怠感、脱毛などのトラブルを起こす場合がありますが、

 基本的に私は、その原因の多くは根気よく糖質制限を続けることで克服できる問題だと考えています。

 従って、理論的な正当性に納得が出来て多少の症状は我慢できるという人であれば根気よく続けて頂きますし、

 それが許容できないという人の場合は一旦糖質量を戻して、いわゆる「緩やかな糖質制限」からゆっくりと減らして徐々に慣らしていくという方法を検討します。

 要するに人それぞれ反応が違うので、臨機応変に考えてやっていくしかないと思います。

 2013年12月20日(金)の本ブログ記事
 「何度でもやり直せる」
 http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-125.html
 も御参照下さい。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: お礼のコメント差し上げたのですが…

月夜野うさぎ さん

 12月20日記事のコメント欄に反映されたようです.

 コメント頂き有難うございます.今後とも宜しくお願い申し上げます.

なんと(^_^;)

そっちに投稿しちゃってましたか!
お手数をおかけしました(汗)

本来はこちらのコメント欄に投稿するべきものだったので、下にコピーしておきます。
お返事は不要ですので、公開承認だけしていただけますか?
よろしくお願いいたします。
--------------------------

たがしゅう先生、ありがとうございました。
不快な症状に悩まされていたとき主人が、「これまでとはまったく違う食事内容に変わったのだから、身体がびっくしりしているのだろう。多少おかしくなるのも当然だ」と言っていました。
そして、これが好転反応というものかもしれないね、身体が変わり始めている証拠かもしれないね、と言いながらスーパー糖質制限でなんとか乗り切りました。
先日、糖尿病治療中の知り合いと食事制限の話になりました。その人は薬とカロリー制限で治療中のようです。私が糖質制限の話をしてもピンとこない様子で、「薬で安定しているから」と言って、コンビニのパスタとケーキを食べていました。私は最初から糖質制限で治療を始めた、これがカロリー制限の実態かと、少なからずショックを受けました。
糖質制限を奨める場合は、精神面と肉体面の両方を考慮したアプローチが必要ですね。
たがしゅう先生のご意見、たいへん参考になりました。

No title

たがしゅう先生 こんばんは!

 私は、糖質制限5ヶ月目ですが、はじめた頃3ヶ月間は、劇的に体重が減り始めたので、うれしさのあまり?調子に乗って、ストイックになりすぎて、食事を夜1食にしたり、量まで減らし、肉も脂身を除いたりしていたためか、倦怠感、こむら返りや抜け毛が気になりだしました。そこで気づいたのですが、私の場合、ほぼ、ス―パ糖質制限食をおこなっているのですが、劇的に体重が減った3ヶ月間では、1日1食しか食べなかっても、3食満足感を得るまで食べても、(仕事で帰宅が遅くなり深夜にお腹一杯たべても)糖質制限なら、体重の増減に変化が無く、かえって、1食の日ほうが、翌日の朝の体重の減りが少なかったように感じました。
それで、無理せず、スーパー制限で3食満足感を得るようにすると、数日で気になる症状が無くなり、現在は体調は良好です。

しかしながら、最近2ヶ月間は、体重変動がほとんどないので。こたろうさんのコメントを拝見して、私自身、若干、脂肪を避けているところがあるので、「良い資質」をキーワードに、自分で人体実験をしてみます。

Re: No title

haru さん

 コメントを頂き有難うございます.

 「脂質は悪者」というイメージも根深いと思いますが,これも抜本的に見直す必要があります.

 脂質は重要なエネルギー源です.十分なエネルギーを確保するために必須の栄養素と認識すべきだと思います.
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院に勤務しています(下段にリンクあり)。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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