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サイアミディン

人はどんな時にお金を支払うか

私事で恐縮ですが、この1か月の間に2回ほど予定の飛行機を急遽変更する事態がありました。

1回目は福岡であった糖質制限実践者のイベントがあって、スケジュールの都合上、遅れて参加せざるを得なかった状況で、

東京での前の予定の終了が急遽1時間30分ほど早まったために、予定していたより1本早い飛行機に乗った時、

2回目は先日もブログ記事にしました台風直撃のさなか東京へ行ったために、

その日のうちに鹿児島へ帰られるどうかわからない状況で別の航空会社に変えれば帰られる可能性があると知って新たに当日便を購入した時です。

ご存知の方も多いと思いますが、飛行機は早めに予約すればするほど運賃が安くなるというシステムが導入されている所が多いです。
私の場合は事前に予約していた飛行機の運賃は1万円弱だったのですが、

今回2度とも急遽当日便に切り替えるという事だったので、普通運賃で3万円~4万円強の金額が新たにかかるはめになってしまいました。

正直言ってなかなか痛手な金額なわけですが、それでも私はそこにお金を支払おうと思ったわけです。

この2度の経験を通じて、「人はどんな時にお金を支払うか」ということについて、本日は考えてみたいと思います。


1回目のケースで、そもそも私はその会に最初から参加したいと望んでいました。

なぜならば、その会は30名規模の集まりの中で、各地で有名な糖質制限に詳しいドクターや実践者の方々が、

貴重なミニレクチャーをされるという予定が含まれていたからです。

糖質制限推進派医師として様々な人の考えに触れるという事は大切ですし、

そこでしか聞けない貴重な話というところも少なからずありました。

けれど同じ日に東京で興味深い頭皮鍼の治療法のセミナーがある事が後でわかり、

悩んだ結果、東京のセミナーに出席し、終了後可及的速やかに飛行機で福岡に向かうという予定を立てたのでした。

ところが、その東京のセミナーが突然予定より1時間30分ほど早く終わるという状況になったため、

これは頑張れば予定より早く福岡に到着して、あわよくば会の開始に間に合うかもしれないと思い、

急遽予定より1便早い便の3万円ほどの当日券を購入し、福岡へと向かったのでした。

この状況で私は何に対してお金を支払ったでしょうか。

それは「かけがえのない時間」に対してであろうと振り返ります。

一度過ぎ去った時間はもとには戻らないものです。後から望んでも二度と手に入らない時間というのはあるであろうと思います。

だからお金を支払うことでそのかけがえのない時間が手に入るというのであればという気持ちで、

私はその時大金を支払って航空便を切り替えるという選択をとったのだと思います。


2回目の台風で帰れないかもしれない時の航空便の切り替えについてはどうでしょうか。

あの時私は、元々の航空会社で振り替えとなった19時からの最終便を待つという選択肢がありました。

しかしその同じ航空会社の16時発の便はすでに欠航という判断が下されている状況でした。

16時に欠航だったのが、19時にはたして再開するかどうか、もし再開しなければ私はもう一夜東京で過ごすことが決定です。

そして一夜を東京で過ごすことになれば、私が勤めている今の病院に多大な迷惑がかかることになる状況です。

でも今もしも別の航空会社に乗り換えれば、鹿児島に変えることができる可能性が高いけれど、その代わり4万円強の当日運賃がかかるという状況です。

それでも私は支払いました。この時私を支払い行動に駆り立てた想いは「安心」です。

お金さえ支払えば、鹿児島へ帰ることができる可能性が最も高まるし、

帰ることができれば、翌日病院にかかる迷惑をどうやって埋め合わせするかという事も一切考えなくて済むようになります。

一刻も早くこの緊張状況から脱したかった私としては支払うのも惜しくないと思える金額でした。

ただ後日談ですが、実はもともとの航空会社の19時からの最終便も、待っていれば無事に出発したという事が後からわかったので、

結果論ではありますが、あの時私は航空会社を乗り換えずにそのまま待機していれば9000円で鹿児島まで帰れたという事にはなります。

しかしその結果がわからなかったあの時の状況では、やはり私は40000円強を支払うしかなかったと、振り返ってみてもそう思います。


この経験はもし自分が何か誰かからお金をとるサービスを提供しようという時に役立つのではないかと考えています。

つまり、扱うサービスの質を高めるのは当然のこととして、

そのサービスを通じて、相手が「かけがえのない時間」「安心」を手にすることができるかどうか、

それが相手にお金を支払ってもらえるかどうかの大事なポイントになるのではないかと思います。

例えば病気が治ったり、治らずとも病勢をコントロールできたりすれば、

その人は家族や恋人、友人とかけがえのない時間を過ごすことができるようになるかもしれません。

あるいは自分が質の高さとともに相手のニーズに合ったサービスを提供することができれば、

それは相手へ「安心」を与えることにつながるかもしれません。

そんな医療が提供できるよう私は精進したいです。


たがしゅう
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安心、信頼、ゲボーゲンハイト

面白い話ありがとうございます。

私の勉強しているアイボディでは、『人は安心と信頼に満たされたオーラの層に包まれて、それはまるでゆりかごの中にいる(ドイツ語でゲボーゲンハイト)赤ん坊のようだ』
としています。

オーラは、なんだか分かったような分からないようなですが、人間の細胞叢は、赤い光を放つのだと、どこかの学会で聞きました。ガンは強く光るらしいですが、ともあれ人間はうっすら光っているようです。
まぁ、コレがオーラなのか良く分かりませんが、科学的にはそういう事なんでしょう。

一方、認知科学的には、
『人はその人のフィルターで人を見るので、同じ人を違う人が見たら、違って見えている。それを皆んなが同じように見えているのではと、多くの人が錯覚している』
と考える一派がいて、プロジェクションと言うそうです。
これもアイボディで言うところのオーラの層なのかなと思いました。

話を戻しまして、そう言う安心、信頼などに人はお金を払うのだなぁと思いました。

どこかの勉強会で、保険屋さんが、
『保険って、買うとは言わず、入るって、買ってくださる皆さんがおっしゃるんですよね^_^』
と言ってましたけど、ここにも通ずるのだなと、思いました。

安心、信頼を得られるゆりかごの中に、人は入りたがってるのだなと言う解釈です。

以上、とりとめのない私の気付きをシェアさせて下さい^_^

Re: 安心、信頼、ゲボーゲンハイト

濱本 輝文 さん

コメント頂き有難うございます。

> 安心、信頼などに人はお金を払うのだなぁと思いました。

オーラが同じ、フィルターが同じ、
そういう必ずしも目に見えない部分を含め、「波長」が合う集団や空間を好むのが、ヒトの、ひいては生き物の本質的傾向なのかもしれませんね。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院にいます。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

南鹿児島さくら病院では職員を随時募集中です。
詳しくはホームページhttp://www.nissyoukai.or.jp/
を御覧になって下さい。
見学申し込みもお気軽にどうぞ。

※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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