サイアミディン

そこまでわかっているのなら

昨日に引き続き、病態栄養学会で感じた事を書きます。

1月12日の江部先生のブログで糖質制限食を臨床に取り入れておられる宗田先生チームの御発表についての記事がありました。

発表された3名の先生とも糖質制限食が妊娠糖尿病の管理に非常に有用である事を示され、大変意義深い発表でした。

特に宗田先生の示された「胎児~新生児の段階ですでにケトン体はかなり高値でアシドーシスにもなっていない」というデータは圧巻でした。これでケトン体の安全性が完全に証明されたと言っても過言ではないと思います。

さて、そんな糖質制限の発表の後に、妊娠糖尿病に対する分割食を導入したという栄養士さんの発表が2題続きました。

分割食というのは1日3食食べるというところを1回の量を減らして1日5-6食食べるというものです。
妊娠糖尿病において一般的には「食後高血糖と空腹時ケトーシス・ケトアシドーシスを避けることが重要」と考えられており、

それを避けるために分割食が有効であるという報告が多数出ているようです。

2つの発表ではいずれも「1日3食とった場合」と「1日5-6食とった場合」とでの血糖値の推移の変化をそれぞれ提示していました。

その結果1日3食の場合は食前100~250mg/dL程度で推移していた血糖値が、

1日5-6食の場合は100~180mg/dL程度に改善していました。

ただし、いずれもインスリンを使用しており、しかもその量は70〜80単位/日との事です。相当大量です。

糖質制限食にすればインスリン不使用で血糖は100~140mg/dL程度でコントロールできるのでその差は歴然です。

分割食を勧められる方は「血糖値が上がりすぎることはよくない」ことはわかっています。しかしそれと同時に「ケトン体が上がる事はよくない」と考えてしまっています。

そして何より「ごはんを食べることは大前提」と考えていることが最大の問題です。

その考えがあるがゆえに、血糖値を上げないようにするために「分割食」という発想しか出てこないのだと思います。

これは例えるなら、「お酒の飲みすぎはよくないから1日かけてゆっくりチビチビ飲むようにしましょう」と言っているようなものです。

糖質は外部から摂らなくても生きて行く上で支障のない嗜好品ですから、悪影響が出ているのであれば制限するのが筋であるはずです。

それともう一つ分割食のよくないのは、「実地に即していない」というところです。

妊娠から出産までずっと1日6食を続けるわけですから、患者さんが実際にやる負担はかなり大きいはずです。とにかく四六時中食事の事を考えなければならなくなります。

食べたくないのに食べないといけなくなるかもしれないし、もしかしたら仕事でそんな時間がとれない人もいるかもしれない。

これは患者さんの実生活を考えずに、頭の中だけで血糖値をコントロールしようとしているからそうなるわけです。ちょっと想像してみれば実際にやるのが大変だということはすぐにわかると思います。

いくら理論的に正しくても続けられなくては意味がありません。

「分割食にすれば1食における糖質量が減る」
⇒「そうすれば食後高血糖の程度が弱まる」

そこまでわかっているのなら、もう一歩踏み込んで糖質の量自体を減らせばいいのに、

「主食を摂らなければいけない」という固定観念がそれを邪魔しています。


「主食はとらなくてもよい」という事を

一人でも多くの人に一刻も早く気がついてほしいです。


たがしゅう
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ケトンは安全なもの

 赤ちゃんは、ケトンを「主食」・エネルギー源にしているということですね。
 学会は、おそらくあれこれと言って、認めようとしないのでしょう・・・
 残念ながら、少なくない医療関係者が、真実を見ようとしません。

Re: ケトンは安全なもの

わんわん さん

コメント頂き有難うございます。

>  赤ちゃんは、ケトンを「主食」・エネルギー源にしているということですね。

こうなれば赤ちゃんのみならず、「ビトの基本的なエネルギー源がケトン体」だと考えるのは自然な流れだと思います。

分割食

江部先生は1日2食で、糖質制限を推奨している先生方はみなさん1日1-2食ですよね。
以前分割食のことを読んだときは、体重減少が大きいと書いてあったし、血糖の上がり下がりが悪いなら、ちょびちょび食べた方がかえっていいのかなともっていたのです。
そうしたら、このごろ出た論文で(うろ覚えですみません)、1日3(2?)回食べる方が、1日6回同じカロリー(1日あたりです)を分割して食べるより、減量もHbA1cの改善率もよかったというのがあって、へえっと思いました。
どっちが正しいんでしょう。やってみるしかないのか。
一日中食事のことを考えているというのは、妊娠中でカロリー制限をしている状態なら、ありだと思います。それだったら、ずっと食べ続けている方が楽かも、ってこれは依存症そのものですね。
女の人に糖質制限を勧めても、男性以上に抵抗が大きく、、、甘いものの誘惑が強いです。

Re: 分割食

にこ さん

コメント頂き有難うございます。

> そうしたら、このごろ出た論文で(うろ覚えですみません)、1日3(2?)回食べる方が、1日6回同じカロリー(1日あたりです)を分割して食べるより、減量もHbA1cの改善率もよかったというのがあって、へえっと思いました。
> どっちが正しいんでしょう。

原文を見ないとなんとも言えませんが、やはりポイントは糖質摂取量がどうであったかだと思います。

> 一日中食事のことを考えているというのは、妊娠中でカロリー制限をしている状態なら、ありだと思います。それだったら、ずっと食べ続けている方が楽かも、ってこれは依存症そのものですね。

辛くない人はそれでも良いのですが、糖質制限をすれば甘いものへの執着も弱まるし、インスリンも不要です。それをどう考えるかですね。

世界糖尿病会議

「1日6食の小分け」より「朝昼2食」の方が減量・血糖管理に効果

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/wdc2013/201312/533965.html

Re: 世界糖尿病会議

精神科医師A 先生

 情報頂き有難うございます.

 まだ論文になっていませんでしたね.しかも12月5日に同じ情報を教えて頂いていましたね.どうも失念しておりました.

 分割食は血糖コントロールできる可能性はあるにしても,絶食期間がほとんどないためほとんどケトン体が産生されません.その差が体重減少の差として現れているのでしょうね.
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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