サイアミディン

結果を正しく解釈する

私は医療関係者向けの総合サイト「ケアネット」に会員登録しています。

ここからは定期的に医療ニュースが配信されるので、最新の情報をスムーズに手に入れることができ、いつも重宝しています。

今日の記事はそのケアネットから届いたこんな医療ニュースについてです。

コレステロール異常でアルツハイマー病リスク増大

提供元:Healthday News公開日:2014/01/23

コレステロール異常でアルツハイマー病リスク増大のイメージ

 「悪玉」(LDL)コレステロールを抑え、「善玉」(HDL)コレステロールを増やすことは、心臓だけでなく脳にもよいことを米カリフォルニア大学デービス校の研究グループが示唆した。
研究グループによると、LDLコレステロール低値とHDLコレステロール高値はともに、アルツハイマー病の指標とされる脳内のアミロイド斑低値に関連していることがわかったという。

研究の筆頭著者である同大学神経学部教授でアルツハイマー病センター副所長であるBruce Reed氏は、「不健康なコレステロールパターンは、心疾患を促進するのと同じように、アルツハイマー病に影響するアミロイドの上昇を直接的に引き起こしている可能性がある」と述べている。

今回の研究では、カリフォルニア州の脳卒中クリニック、支援団体、高齢者施設、UCデービスアルツハイマー病センターから70歳以上の男女74人を集めた。このうち3人に軽度の認知症があり、33人には脳機能の問題はなく、38人に軽度の脳機能障害がみられた。脳スキャンを用いて被験者のアミロイド値を評価した結果、空腹時のLDLコレステロール値が高く、HDLコレステロール値が低いほど、脳内のアミロイド斑の蓄積が多かった。コレステロールが脳のアミロイド沈着に影響を及ぼす正確な機序については不明だという。

米国では、血中HDLコレステロールは60 mg/dL以上がよく、心疾患リスクの極めて高い集団では、LDLコレステロールは70 mg/dL以下にする必要があるとされている。記憶障害や認知症の徴候のある人では、心臓の健康状態にかかわらず正常なコレステロール値を維持することが重要と、Reed氏は指摘している。

同氏はさらに、「今回の研究結果から、中年期の人でアミロイドが蓄積し始める場合、その値を低下させる方法が示唆される。脳内のコレステロール値を早期に改善することが後のアミロイド蓄積の低減につながることが明らかになれば、アルツハイマー病の有病率低減に大きな効果をもたらす可能性がある」と述べている。

研究論文は、「JAMA Neurology」オンライン版に12月30日掲載された。


コレステロールについては以前の記事でも書きましたが,

その意義について正しく理解していないと、ミスリーディング(誤誘導)されてしまいます。

このニュースの中での「空腹時のLDLコレステロール値が高く、HDLコレステロール値が低いほど、脳内のアミロイド斑の蓄積が多かった。」というところに注目してみます。

「LDLコレステロールが高く、HDLコレステロールが低い」という状態が何を現しているかですが、

これは言うなれば、「血管の炎症を修復するためにLDLが一生懸命修復物資を運んでいるけれども、炎症が強くておさまり切らず、修復現場で生じた廃棄物を回収するHDLが間に合っていない状態」です。

その結果、何が起こるかというと全身の血管で動脈硬化が進行し、血管によって栄養される各臓器が障害されるということが起こります。

これはもともと血管の炎症の大きな原因である酸化ストレスを受け続けているために起こっている現象だと考えます。

だからこの状況で、最も優先してすべきことは酸化ストレスリスクを減らすことであり、

そのために最も手っ取り早い方法は糖質を減らすことです。

ここで「LDLコレステロールは悪玉だから薬で下げよう」などという発想でスタチンを使ったりすると、折角一生懸命事態の収束に向けて頑張っているLDLを減らします。

もしもLDLの中で超悪玉と呼ばれる酸化型LDLばかりいる状況であれば、スタチンでも少しは効果があるかもしれませんが、

多くの場合は身体に有益な事は何もない、ということになってしまうと思います。



このニュースを見て、私は糖質制限の重要性を再確認しますが、

同じニュースを見ても、別の医師は積極的にスタチンを処方しようと思うかもしれません。

背景となる知識が異なれば、解釈の仕方も変わってきます。

どちらが正しいか、自分の頭でしっかり考えて解釈するようにしたいですね。


たがしゅう
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自分

おはようございまっす!(^^)

自分の頭でしっかり、考える!

いつも、そうしてきました!これからも、ずぅっと(^^)
http://ameblo.jp/suzu554

ケアネット

登録しました!!

一応資格免許持ってるんで〔おお汗)

Re: ケアネット

すず。さん

 コメント頂き有難うございます。

 自分で考える姿勢、とても大事です。簡単なようですが、実際にはそれができていない人がいかに多いことかと思います。その象徴的な現象が昨今の医学会にはびこる「エビデンス至上主義」です。

 ケアネットには私が医師になりたての頃からお世話になっています。特にDVDシリーズは様々な角度から医療の実際を学ぶことができて大変勉強になりました。湿潤療法の事や漢方の事を学んだのもケアネットが大きなきっかけになっています。DVDちょっと値段が高いのがたまに傷ですが・・・。

HDLとLDL

お早うございます。以前の血液検査のHDLとLDLの数値を見てみるとHDLは60以上あるのですがLDLが109もあります HDLは89 LDLが109 やはり酸化型LDLが多いのでしょうか.....もう少し糖質を少なくするように心がけようと思っています。

Re: HDLとLDL

京のsinonome さん

御質問頂き有難うございます。

> 以前の血液検査のHDLとLDLの数値を見てみるとHDLは60以上あるのですがLDLが109もあります HDLは89 LDLが109 やはり酸化型LDLが多いのでしょうか.....もう少し糖質を少なくするように心がけようと思っています。

中性脂肪が高くない状況下では、LDLが高くても酸化型LDL(超悪玉コレステロール)は少ないという事が言われています。糖質制限をしていれば中性脂肪は下がるので問題ないと思います。

またもう一つの指標はLDL/HDL比です。

LDL/HDL比が1.5以下なら良いコレステロールバランスとされていますが、京のsinonomeさんの場合は109÷89=1.22ですから、その点においても全く問題ないと思います。

善玉、悪玉 ?

いつも楽しみにしてます。
質問です。

肝臓で作られた栄養成分は血液によって、身体の各部に運ばれ、脂質であるコレステロールは、そのままの形では血液中をうまく移動できないので、肝臓は、コレステロールなどの脂質成分を、たんぱく質で包んだ物質を作って、血中を移動せる。
この物質がリポプロテイン。 肝臓を出る時は、リポプロテインは、コレステロール等の脂肪をたっぷり含んでいる、
この状態のリポプロテインをLDLという、逆に肝臓に戻ってくるときのリポプロテインは、コレステロール等の脂質が少ない状態になっている、この状態のリポプロテインをHDLという、リポプロテインの状態の違いを表す言葉である、

引用

糖質制限食をして、中性脂肪が低くあれば、善玉、悪玉は気にしなくても問題ないのでしょうか?

Re: 善玉、悪玉 ?

奈良県吉野けんさん さん

御質問頂き有難うございます。

> 糖質制限食をして、中性脂肪が低くあれば、善玉、悪玉は気にしなくても問題ないのでしょうか?

基本的にはそう考えています。

ただし酸化型LDLができてしまうと、本来悪玉でないLDLが本当に「悪玉化」してしまう可能性については注意が必要です。

そして酸化ストレスの原因は糖質だけではないので、たとえ中性脂肪が低くても総合的な判断が必要と思います。

Re: ケアネット

 以下のサイトも登録すると利用できます。東京/九州の糖質セイゲニストグループも利用しています

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/doctoreye/dr140101.html

http://www.m3.com/

http://medical.nikkeibp.co.jp/

http://www.cabrain.net/news/

Re: Re: ケアネット

精神科医師A 先生

 貴重な情報を頂き有難うございます。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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