サイアミディン

依存から中毒への連鎖を断ち切る

糖質制限指導に悪戦苦闘の日々です。

先日もある高齢患者さんに糖質制限を勧めたのですが、

2ヶ月後の再診の際には「副食を中心に食べています」とおっしゃいました。

しかし血液のデータではHbA1cが7.6%から7.9%に上昇していますし、

中性脂肪も130から165に増加しています。明らかに糖質を取り過ぎている事を示すデータです。

その事を指摘すると患者さんは次のように話しました。

「いやぁ〜、そうすると食べるものがないんですわぁ〜。」

この言葉は、それまでの食生活がいかに糖質に依存していたか、ということを表していると私は思います。
以前にも取り上げたことがあるように、糖質には軽い中毒性があります。

また「糖質+食物繊維=炭水化物」という関係にありますので、炭水化物にも中毒性があるという事になります。

中毒性のある物質を摂取し続けると、それなしではいられない、それをやめられないという「依存心」を産みます。

依存はさらなる依存を産み、ついには物質の過剰蓄積を引き起こします。そうなると中毒を起こしてくるわけです。

リチャード・ヘラー&レイチェル・ヘラー著の「低炭水化物ダイエット」(ネコ・パブリッシング)によりますと、以下の①~⑥が当てはまる人は炭水化物中毒の可能性があるそうです。

①食べることばかり考える。
②食事で満足感が得られない。食後2~3時間でまた何か食べたくなる。
③疲労感が常にある。
④原因不明の不安や怒りを覚えることがある。
⑤感情が高ぶりやすい。
⑥肥満がある。

この状態は常に糖質(炭水化物)の頻回過剰摂取に伴う血糖の乱高下、及び高インスリン血症を繰り返す事で酸化ストレスを受け続けている事を意味し、大変危険です。

冒頭の患者さんは糖尿病ではあるものの、明らかな①~⑥を確認できているわけではありませんが、

炭水化物を控えるように言われた事で「食べるものがない」と認識する時点で「炭水化物依存症」の状態と言えます。いわば「炭水化物中毒の予備軍」です。

そうなると、この患者さんが中毒になるのを防ぐのが私の務めです。

しかしアルコール、タバコなど中毒性が一般的にも周知されている物質でさえ、中毒あるいは依存の状態から抜け出させるのでも難しいというのに、

ましてや一般的に必要な栄養と認識されている炭水化物でそれを成し遂げるのは至難の業です。

何より患者さん自身が中毒だとは夢にも思っていない状況です。

結局、中毒物質をやめない限り自分が中毒であると気がつくことは難しいです。

このような状況の中で、こういう患者さんに上記の事実を理解してもらうための良い方法がなかなか見つかりません。

しいて言えば、米やパンを食べることはほとんど角砂糖を何個も食べるのと同じことだということを画像も一緒に見せてイメージづけるという事ですが、

その事をいくら理論立てて説明してもなかなかスムーズに納得してくれる人は少ないです。

結局やってもらえなければ一生わからない世界です。

王道はないのかもしれませんが、それでも私は、

できるだけ多くの人へその事実を伝えたいです。


たがしゅう
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

明らかに

おはようございまっす!!(^^)

うわ!!ですよ。。。。1から6まで、
あてはまってます。。。。依存症!

さて、糖質制限やって、1ヶ月ですが、1キロしか体重減ってません。。。がぁっかりです〔へこむ)
やってるつもりが、できてないってことですね(--)
記録してるんでなにが?だめだったのかと。。
 確かに、糖質は、あまり、とってない。この、あまり、が、だめだったんですね(^^)

間食としてゼロカロリーのチョコとか、せんべいとか食べてたこと。
ゼロカロリーといっても糖質は少し入ってます〔大汗)

和太鼓レッスン休んでて、動いていない〔汗)
寒くてあまり、外に出てない

もともっと、スーパーにやんなきゃ、だめですね。。。。

体重計が壊れてるのだともおもいました、たった、1キロなんて、、、、〔泣く)

Re: 明らかに

すず。さん

 コメント頂き有難うございます.

 1ヶ月糖質制限をしているのに1から6までが当てはまるのであれば,うまく糖質を減らせていない可能性があると思います.

 どこがよくないのかを考えながら軌道修正していく,焦る必要はないと思いますよ.

測定

薬も飲まず〔ドクターにさからって)

早朝空腹時 110から126  ってすごいでそ?

もっと、制限がうまくいけば、完治だね?(^^)

http://ameblo.jp/suzu554/

No title

糖質制限をしているのに痩せない、
糖質制限は食べれる物が無くて辛い、

・・・という人は、本当の糖質制限を理解していないんですよね。
一度糖質をゼロにして他の物をお腹いっぱい食べてみれば、どれだけ楽で楽しい食生活かが分かるのですが。

一人一人の患者さんに時間をかけて説明するのも素敵ですが、
分かりやすくQ&A方式でマニュアルを作ってはどうでしょうか???

追記です

患者さんにはご飯と角砂糖の写真だけでなく、
実際の糖質制限の食事も写真で見せると良いのではないでしょうか。

美味しい肉を沢山食べられるんだ!
魚もこんなに食べて良いんだ!

というイメージを見せれば、皆もっと積極的に糖質制限に励むのではないでしょうか。

僕のように普段頭を使わない人間は、100の言葉よりもイメージだったりしますんで^^;

糖質制限食

こんにちは 先日の夏井先生のテレビ番組のように お茶碗一善のご飯が
角砂糖をいっぱい食べているのと同じですよーと 何回も説明してあげて
ほしいです お茶碗いっぱい=角砂糖いっぱい という写真を先生の机の
上に いつもおいて 見せてあげてほしいです 糖質制限食をするとわか
りますが、本当に体調がよくなるんですね。

マニュアル作戦賛成!

Q&Aマニュアル作戦、大賛成です。

糖質をオフすることのメリット、食べてはいけないもの、どうしても糖質が取りたくなった場合の対処法、考えられる体調の変化(良くも悪くも)などをドキュメントにまとめて、参照できるように渡してはいかがでしょうか。

市販の参考図書を紹介するのもいいかもしれません。

糖質制限食はそれまでの食の常識をひっくり返します。若い方や柔軟性のある方はすんなり受け入れられても、それ相応に人生経験を積み重ねてきたご高齢者だと、難しいかもしれません。

人間は「変化」に対して本能的に恐怖や不安を感じますので、「糖質制限をしても大丈夫。しかもこんなメリットがあるんですよ」ということをいつでも思い出せるようなものが手元にあると、乗り越える助けになると思います。

ちなみに私の場合は、江部先生、たがしゅう先生、カルビンチョ先生のブログを拝読することが不安の軽減につながりました(*^^*)

お財布にメモ

こんにちは。私の場合、スイーツのセールや物産展を素通りできにくいので、お財布の札入れにお札大の大きさのメモ紙を入れてます。そこには、

  糖質
  ①イライラする
  ②ダルくなる
  ③やる気がなくなる
  ④肌によくない 美容によくない
  ⑤生活リズムが乱れる  

と書いてあります。スイーツを大人買いしそうになったときの戒めです。財布を出すとそのように書いてある紙を見たら、買うことへの抑止力になる...可能性はあるでしょう。
食べて①~⑤のような面倒くささを引き受けるのはかなわないなと思えば、おのずと買う気が薄れていきますよ。

そんな単純な事でしょうか?

私は血糖値コントロールの為に糖質制限してから余計にイライラするようになりましたし、ずっと食べ物の事を考えるようになりました。

人間規制されるとストレスが溜まり、余計に食べ物の事を考えるようになる事もあるのではないでしょうか?

糖質制限さえしていれば全て良い方向に向くというのは前から疑問でした。

ダイエット目的でたまには糖質とってもいいのと、血糖値コントロールの為に常に我慢しないとダメなのとはまた精神的にも違うと思います。

Re: 測定

すず。さん

 コメント頂き有難うございます.

 江部先生の言うところの

 「糖質を取れば糖尿人,糖質を取らなければ正常人」

 という状態でしょうね.

Re: No title

こたろう さん

 御意見頂き有難うございます.

> 一人一人の患者さんに時間をかけて説明するのも素敵ですが、
> 分かりやすくQ&A方式でマニュアルを作ってはどうでしょうか???
> 患者さんにはご飯と角砂糖の写真だけでなく、
> 実際の糖質制限の食事も写真で見せると良いのではないでしょうか。
> 美味しい肉を沢山食べられるんだ!
> 魚もこんなに食べて良いんだ!
> というイメージを見せれば、皆もっと積極的に糖質制限に励むのではないでしょうか。

 
 大変参考になるご意見を有難うございます.

 実はそうした資料の作成は何度か試みてはいたのですが,患者さん一人ひとりで微妙にしゃべる内容が変わったりするためになかなかいいものを作り損ねていました.

 経験も積み重なってきたので,そろそろ最大公約数をまとめて資料化するべき時期かもしれません.おっしゃるようにネガティブだけでなくポジティブイメージも大事ですね.検討させて頂きます.

Re: マニュアル作戦賛成!

月夜野うさぎ さん

 コメント頂き有難うございます.

> Q&Aマニュアル作戦、大賛成です。
> 糖質をオフすることのメリット、食べてはいけないもの、どうしても糖質が取りたくなった場合の対処法、考えられる体調の変化(良くも悪くも)などをドキュメントにまとめて、参照できるように渡してはいかがでしょうか。
> 市販の参考図書を紹介するのもいいかもしれません。


 そうですね.

 こういう資料はいかに伝えたいメッセージをシンプルかつ大胆なものにまとめるかが大事だと思っております.試行錯誤してみたいと思います.

Re: お財布にメモ

エリス さん

 コメント頂き有難うございます.

 なるほど,財布にメモですか.誘惑にかられた場合には一つの抑止策になりそうですね.

 御指摘のように大量糖質を食べた後の辛さのことを思えば,なんだか食べる気持ちも失せそうです.

Re: そんな単純な事でしょうか?

よよぎ さん

 建設的な御意見を頂き有難うございます.

 私は糖質を制限することは,負の要素を取り除く方法だと考えています.

 ここで「糖質が大事なもの」と考えているか,「糖質はなくてもいいもの」と考えているかで議論がかみ合わなくなりますが,私は後者だと考えています.

 しかも糖質は量が増えると有害性を持ちます.身体にとって有害になりうる負の要素を取り除くわけなので原則的にはすべてが好転しても不思議ではないはずです.

 ただし,御指摘のように,糖質制限導入期のイライラ感や食べ物の事が頭から離れないというケースも確かにみられます.これにはいろいろな理由がありますが,下記記事を御参照下さい.ほとんどの場合は糖質をゆっくり減らしていったり,根気よく制限を続けていくことで対応可能だと私は考えております.

 2013年12月20日(金)の本ブログ記事
 「何度でもやり直せる」
 http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-125.html
 も御参照下さい.

マニュアル?

ども!
私は一人一人理解してもらえるには、会話だと思ってます!
いろんな人間がいます、マニュアル化しても、納得するには時間がかかると思います。
自分自身できづき、実行しなければ!と思います。

簡単なことでは、ないと思います!(^^)

Re: マニュアル?

すず。さん

 コメント頂き有難うございます。

> 私は一人一人理解してもらえるには、会話だと思ってます!
> いろんな人間がいます、マニュアル化しても、納得するには時間がかかると思います。
> 自分自身できづき、実行しなければ!と思います。


 御指摘のように、基本が会話であることに変わりはありません。

 マニュアルはあくまでそれを効率化するための一つのツールにすぎません。その事はわきまえた上で良い方法を模索したいと考えています。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院に勤務しています(下段にリンクあり)。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
これまでの訪問者数
FC2アフィリエイト
メールフォーム
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR