サイアミディン

偶然ではなく必然に

とある病院の回診をしていました。

そこで70代の肥満のある男性と出会いました。

脳梗塞を発症し、右半身の麻痺をきたしリハビリを頑張っているとの事でしたが、

その方のカルテには実にたくさんの病名が書かれていました。

高血圧、脂質異常症(高脂血症)、耐糖能障害、逆流性食道炎、うつ病、慢性心不全、肥満症、腰椎圧迫骨折…

そして「特発性好酸球増多症」です。

数々の生活習慣病に骨折や精神疾患も加わり、さらにはこの原因不明の病気まで加わっているという状況です。

私にはこれらの病気が偶然積み重なっているとは思えません。
最後の「特発性好酸球増多症」というのは、

血液の中の白血球の中のアレルギーや寄生虫感染時に活性化される「好酸球」がなぜだかわからないけど増えている、という病気のことです。

この病気の正確な発症率は不明ですが、稀な病気と言われています。そのため東京都では患者が18歳未満の場合、都単独指定難病医療費等助成対象疾患と定められ、申請すれば助成を受ける事ができるようです。

そんな稀な病気が、運悪くこの患者さんに積み重なってしまったというのでしょうか。

いや、違うと思います。

私は高血圧も、脂質異常症も、耐糖能障害も、

逆流性食道炎も、うつ病も、慢性心不全も、肥満症も、腰椎圧迫骨折も、

そして特発性好酸球象多症も、すべて共通の原因を源流に持つ、と考える方が妥当だと考えます。

糖質制限をするとアトピー性皮膚炎や花粉症、気管支喘息などのアレルギー性の病態が改善するという報告はしばしば聞きます。

裏を返せば、アレルギー性疾患の発症に糖質の過剰摂取が大きく関わっている可能性が高いです。

特発性好酸球増多症も、同じアレルギー性疾患の範疇として、決して例外ではないように思えます。

そしてこの患者さん、糖尿病になっていないというのも注目すべき所です。

糖尿病にならない代わりに、この患者さんの場合は、糖質の害がうつ病や心不全、そしてアレルギーといった形で現れているのかもしれません。

なぜ、糖尿病にならないのか、という事については今の私にはまだわかりません。

しかし、「人体はブラックボックス」です。

糖質の害がその人の体質によってさまざまな形で現れうるという事を

示している気がしてなりません。


たがしゅう
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資 料

● 東京都難病医療費等助成制度

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/nanbyo/nk_shien/iryohi/

● 特発性好酸球増多症候群

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/nanbyo/nk_shien/iryohi/88.html
****************************
18歳未満の患者のうち、「好酸球増加症」は、小児慢性疾患医療費助成に申請する。

● マル都医療券といわれている医療助成制度です。

 ★ 対象者
1 東京都に住所を有する方(住民登録がされていること)
2 国民健康保険や組合健康保険など、公的医療保険に加入している方
3 下表の医療費等助成対象疾病にかかっていて、各疾病の認定基準を満たしていること
 以上、3点の条件を全て満たす方が対象となります。
 上記1から3を満たす方であっても生活保護やその他の法律による医療の給付を受けている方は対象外となります。
 また、一部の疾病について、小児慢性疾患での医療費助成の対象となる場合は対象外となります。

 ★ 対象疾病
医療費等助成疾病には、国が指定している疾病と東京都が単独で指定している疾病とがあります。

  *****************

注(長谷川・東京の福祉事務所勤務)

●小児慢性疾患での医療費助成の対象となる場合は対象外→小児慢性疾患医療費助成制度が、優先。
●上記1から3を満たす方であっても生活保護やその他の法律による医療の給付を受けている方は対象外となります。→生活保護による医療扶助等が優先。

 なので、条件が充たされれば、18歳以上でも対象となる場合があります。  

Re: 資 料

わんわん さん

 情報を頂き有難うございます.

No title

たがしゅうさん

糖質制限というのは物理学の大統一理論みたいなものですね。量子力学と相対論の相性が悪くて今はどうにもなりませんが、宇宙そのものを一つの理論で説明しうるという究極のシンプルさが魅力です。
糖質制限は、細かい部分はまだまだですが、人体というものを解き明かす究極の健康法になりうる資格があると思います。というか従来の栄養理論は進化論や考古学と乖離してますから科学ではないですね。まずはそこからですね。
不毛なもぐら叩きゲームをいつまでやるのか、厚生省はだめでしょうから、財務省あたりに期待しましょうか。アルカポネを捕まえたのは税務局でしたね。

悪いのに悪いと出ないとこわいです

たがしゅう先生、こんにちは。
血液検査は多く利用されていますが、個人的に問題だと思うのは

異常値が出ていない=健康

ではないのではないかということですね。
多分ですが異常値が出れば何かが悪いのだと思いますが悪いのが悪いものとして数値などに出てそれを見て対処するというのが良いと思うのですが異常値として出ないとところが悪いのかわかりません。

結構だと思っていたら糖質の害が発現したりするのは厳しいものがありますよね。

おそらくですがたがしゅう先生が挙げられた患者さんは糖尿病ではなかったのでもっと若い時には問題なしで来たのかもしれませんね。

私は今は糖質の摂取を制限していますがこれは糖尿病に対して血糖値を安定させるためというよりも将来認知症にならないためにやっているという感じが強いです。

No title

こんにちは、先生の「なぜ、糖尿病にならないのか、という事については今の私にはまだわかりません。」という部分が気になったので書いています。
自分なりに考えているのが、糖尿病の病態が①インスリン分泌能低下と②インスリン抵抗性悪化だとすれば、①と②のどちらかが代償して糖尿病の診断基準を満たさないで済んでいるのではないかと考えています。
つまり、糖尿病になっていないけど血管内皮には酸化ストレスが継続的にかかっており、①と②が破たんして糖尿病になると一気に糖尿病合併症が進むのではないでしょうか。
時々、糖尿病発症後数年で合併症が進行する人を見かけるのでそのように考えています。

検査結果で

こんにちは。
クロワッサンさんのご意見に賛成です。
私は毎夏とても夏バテがひどくて、病院で検査をしても正常値だったんです。 ビタミンサプリ クエン酸サプリいろいろ使って効果なし。
こんなに体調悪いのに病院で何で正常!?
って昔あんまり文句言ったから、心療内科に紹介されそうになりました。(冗談じゃない!私は正常だ!!)
夏が終われば治るんです。原因は食べられない中を頑張って食べた冷麺やアイスクリームです。(口当たりがいいそんなものしか食べられなかったです。)

調べる基本検査項目にも、血液の酸化状態や糖化状態の変動が分かるようなのもあればいいのですけれど。
(あるのかしら)
人それぞれ、「だるい、疲れる、やる気がなくなる」も糖質の副作用のうちですよ。だから私は、勝負をかける時は、前々から特に気をつけてスイーツ糖質断食をします。

万病一毒説

たがしゅう先生、コンバンハ!

 SLEEPさんのコメントで「物理学の大統一理論」のお話を読んで、学生時代医学史で習った、江戸中期の名医。吉益東洞の、「万病一毒説」を思い出しました。

 彼は、19歳のときに医を志し,初め産科を学んだ。そののち独学で『素問』をはじめとする中国医学の古典を精読したが,当時の主流医学に不信感を抱き, 30歳ごろに独自の「万病一毒説」を立てたといわれています。

 彼によれば、「生体に何らかの理由で後天的に生じた毒が疾病の原因であり,毒の種類はひとつしかない」と唱えました。また、一種類しかない毒のためにどうして万病を生ずるかといえば,「それは毒の存在する部位が異なるためである」と説きました。これは当時の医学の基本理論であった中国医学においても、きわめて例外的な斬新な病理論的発想だったようですが、非常にシンプルです。
 
 まさに、糖質こそ吉益東洞のいう「一毒」なんでしょうね!

真理は、シンプルですね!

,

Re: No title

SLEEP さん

 コメント頂き有難うございます.

> 糖質制限というのは物理学の大統一理論みたいなものですね。量子力学と相対論の相性が悪くて今はどうにもなりませんが、宇宙そのものを一つの理論で説明しうるという究極のシンプルさが魅力です。

 おっしゃる通りです.糖質制限の理論はシンプルで,そこに真理があります.

 見直さなければならないのは,その真理のない所で打ち立てられてしまった従来のカロリー理論とそれを基盤に築かれてしまった栄養学の方です.

Re: 悪いのに悪いと出ないとこわいです

クロワッサン さん

 コメント頂き有難うございます.

> 「異常値が出ていない≠健康」

 同意見です.検査で出る異常値はヒトのほんの一部を現しているにすぎません.

 私の持論は「最も信頼のおけるマーカーは自分の体調だ」ということです.

> 私は今は糖質の摂取を制限していますがこれは糖尿病に対して血糖値を安定させるためというよりも将来認知症にならないためにやっているという感じが強いです。

 私は今をよりよく生きるため,そして将来の病気を予防するためにこれからも糖質制限を実践し続けます.

Re: No title

あんたーにゃ さん

 御意見頂き有難うございます.

> 自分なりに考えているのが、糖尿病の病態が①インスリン分泌能低下と②インスリン抵抗性悪化だとすれば、①と②のどちらかが代償して糖尿病の診断基準を満たさないで済んでいるのではないかと考えています。

 例えば,「肥満だけど糖尿病になっていない人」などがそうでしょうね.

 肥満の人は②が悪いけど,①でそれを補うくらいインスリンが大量に分泌されるために糖尿病にならずに済んでいるのでしょう.

 しかし実際には糖質の害がずっとかかっているにも関わらず何年たっても一向に糖尿病を発症しない人がいます.

 私はインスリン以外に何らかの糖質処理経路がある可能性を考えています.そちらの経路が破綻する結果,糖尿病を発症しない代わりに,神経変性疾患や自己免疫疾患などの原因不明の難病につながっていくのではないかと想像しています.ただ根拠は乏しいですが.

Re: 検査結果で

エリス さん

 コメント頂き有難うございます.


> こんなに体調悪いのに病院で何で正常!?
> って昔あんまり文句言ったから、心療内科に紹介されそうになりました。(冗談じゃない!私は正常だ!!)


 危ないパターンだったと思います.

 私の身の回りの心療内科医・精神科医は非常にたくさんの向精神薬を処方する医師がほとんどです.

 糖質制限の観点がなければ得てして向精神薬は増える一方ですが,糖質制限の観点があれば減薬・断薬の発想が生まれます.ここは雲泥の差です.

 従って,少なくとも糖質制限の観点を持たない心療内科医・精神科医を私は信用できません. 

Re: 万病一毒説

haru さん

 コメント頂き有難うございます.

> 「万病一毒説」
> 「生体に何らかの理由で後天的に生じた毒が疾病の原因であり,毒の種類はひとつしかない」
>  まさに、糖質こそ吉益東洞のいう「一毒」なんでしょうね!


 本当ですね.

 まさに勉強すればするほど,糖質によって実際に万病が引き起こされている事がわかってきます.

No title

haruさん

万病一毒説は初めて聞きましたが、自分のような凡人からすれば天才ですね。頭でっかちの専門医ばかりの現代医学からはもっとも遠い視点であることは間違いないでしょう。

Re:悪いのに悪いと出ないとこわいです

クロワッサンさんの「悪いのに悪いと出ないとこわいです」 エリスさんの「検査結果で」が大変興味深かったので コメント参加させていただきます

正常値というのは大変いい加減な概念です。
医学的な検査の基準値は 各検査会社が「健康と思われる人の集団」を集めて検査をし、その集団の95%が含まれる範囲と定めています
大体 平均値±2×標準偏差です。以下のサイトがわかりやすく説明しているので載せてみます
http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_CON/SMIS_STND.html

つまり 「大部分の人と同じ」という意味でしかありません。
実際に 検査結果に書かれている参考基準値をみていただければわかりますがかなり幅広いです。
「病気と言われてはいないけど体調が悪い人」とか「体調は良いけど実は内臓脂肪が多い人」なども統計に入っている数値です

私は 血液検査などから代謝の状態を出来る限り読み取ろうという勉強会に参加していて、「基準値ではなく理想値はいくつか?」とか
「複数の数値を組み合わせると、一つ一つは正常域に入っていても代謝の問題が見つかる」といった勉強をしています。
機会があれば、そのような読み方をもっと広める活動をしようと思っています。

そういう観点で見ると 糖質制限食の前と後で 「基準値の範囲内の動きであっても、より理想的な数値に近づき、また代謝全体が改善に向かっている」
ことが読み取れます。今後は動脈硬化の危険度なども出来る限り数値化出来るようにしていこうと思っています。

「内科的な検査では正常です。心療内科を紹介しましょう」と言われても何か体の問題があるはずと思うところから、様々な治療の可能性が広がっていくと思います。

Re: Re:悪いのに悪いと出ないとこわいです

TrueLife 先生

 コメント頂き有難うございます.

> 私は 血液検査などから代謝の状態を出来る限り読み取ろうという勉強会に参加していて、「基準値ではなく理想値はいくつか?」とか「複数の数値を組み合わせると、一つ一つは正常域に入っていても代謝の問題が見つかる」といった勉強をしています。

 これは興味深いです.

 同じ検査値を見ていても深く読むと見え方が違ってくるということですね.

 私も折をみて勉強したいです.もしも情報があれば御教示頂けると幸甚です.

No title

そういやこんな研究があるみたいです。
http://blog.goo.ne.jp/kitaryunosuke/e/9f89feca79cd391df4eacff6aab11fac
疾患に関係なく死亡率というのが興味深いですね、例のコレステロールの研究でもコレステロールを下げると心筋梗塞は減ったけど癌や感染症、自殺、事故死による死者は減ったそうですし。

Re: No title

SLEEP さん

 情報を頂き有難うございます.

 興味深い内容ですね.

 ただまだ原文が入手できていないので,内容の確からしさについては検証が必要です.

PLOS Medicine

この論文ですね


http://www.plosmedicine.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pmed.1001606

Biomarker Profiling by Nuclear Magnetic Resonance Spectroscopy for the Prediction of All-Cause Mortality: An Observational Study of 17,345 Persons

Re: PLOS Medicine

精神科医師A 先生

流石お早いですね。いつも本当にお世話になります。また読んでみます。

No title

 SLEEPさん、精神科医Aさんのご紹介の論文ですが、4つのバイオマーカーのうち、
 
 VLDLコレステロールは糖質制限して、中性脂肪は低く、HDLコレステロールを高く保てばVLDLの問題はなくなりますね。
 
 alpha-1-acid glycoproteinは危険な数値のようで、これは置いておくとしても、

 albuminは血中のは栄養状態を示すものと理解していましたが、高いほど良いというわけではないということでしょうか。
 
 またcitrateについても良く分かりません。

 この論文から未来を予想するのではなくて、予防のための何か手立てがあるのならぜひ知りたいと思います。いつかブログ記事に取り上げていただけたら幸甚です。

Re: No title

ルバーブ さん

 コメント頂き有難うございます.

>  この論文から未来を予想するのではなくて、予防のための何か手立てがあるのならぜひ知りたいと思います。いつかブログ記事に取り上げていただけたら幸甚です。


 そうですね.

 とりあえずは読んでみて,何か興味深い考察ができそうなら記事に取り上げてみたいと思います.
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院に勤務しています(下段にリンクあり)。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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