サイアミディン

食事もリスク

「クスリはリスク」という言葉があります。

薬は注意して使わないといけないということを示す上手い言葉です。

どんな薬にも「主作用」と「副作用」があります。

薬が身体にもたらす効果のうち、人間にとって都合がよい作用が「主作用」、都合が悪い作用が「副作用」というわけです。

全て「主作用」になるのが理想の薬ですが、現実にはまだそんな都合の良い薬は作り出されていません。

従ってメリットとデメリットを天秤にかけてメリットの方が大きければ使うというのが薬を使う時に求められる基本的な姿勢だと思います。
一方、漢方薬という薬もあります。

西洋薬が製薬技術で合成された薬であるのに対して、漢方薬は自然界に存在する植物や動物、鉱物などの一部を生薬とし、それらを組み合わせる事で作られた薬です。

漢方薬は身体に優しいというイメージがあるかもしれませんが、

それは一部正しく、一部正しくないという感じです。

我々は普段から植物も動物も食べたりしていますので、自然のものを組み合わせた漢方薬は「食事に近い薬」という事ができると思います。

自然といえば安心•安全のイメージもあるかもしれませんが、

実際には自然界にも危険なものはたくさんあります。トリカブトの毒などがよい例です。

また漢方には「上品(じょうほん)」「中品(ちゅうほん)」「下品(げほん)」という概念があります.

上品は作用が弱いけど毎日食べても安全な生薬のことです.例:人参,胡麻,薏苡仁(はとむぎ)など

下品は作用が強く病気を治す力は強いけど副作用が強い生薬のことです.例:附子,半夏,大黄など

中品はその中間に位置する生薬です.例:麻黄,芍薬,葛根など

上品の内容を見てみると,ほとんど食事として食べるものであることがわかります.それが漢方を「食事に近い薬」と評する理由です.

そう考えると,食事も一種の薬と見ることもできます.ただしその薬は安全性が高い「上品」であるわけです.

しかしここで「クスリはリスク」という言葉を思い出します.

いくら安全性が高いといっても食事も薬の一種だととらえれば,「食事もリスク」なのです.

世の中では「1日3食しっかり食べるべき」という事が常識として言われて続けていますが,

こう考えると,やはり食事回数が少なくて状態を維持できるのに越したことはないのではないかと思います.


たがしゅう
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食事回数を少なくすることの意義

>やはり食事回数が少なくて状態を維持できるのに越したことはないのではないか

同感です。一例として、仏教の戒律の中にも「不非時食戒」という食事の時間を制限する修行法があるのですが、なるべく食事の回数を少なくするほうが、精神状態については望ましい状態がキープできる、という経験則があったのではないかと想像します。これに関しては、以前、カルピンチョ先生のブログの方にも、コメントを投稿さて頂いております。

→http://低糖質.com/review/post_181.html#comment-1260
「不非時食戒」というのは、具体的に言いますと「食事をしていいのは一日のうち正午まで」という決まりで、正午以降は翌日まで絶食するのが修行僧に課せられた戒律でした。
「一日三食しっかり食べるべき」という今日的な常識からは、非常に不健康な生活にも見えますが、釈尊(歴史上の実在人物の)は当時としてはおそらく例外的な長寿である80年の生涯の最後まで、教団の指導者として活動し続けていたのです。

食事回数を減らす(必然的に血糖値の変動やインスリンの分泌を抑える)ことが、単なる宗教的修行にとどまらず、健康・長寿に有意義であることが、2000年以上前から経験的に知られていたのではないかとも思えます。

Re: 食事回数を少なくすることの意義

Toshi さん

 コメント頂き有難うございます.

> 「不非時食戒」というのは、具体的に言いますと「食事をしていいのは一日のうち正午まで」という決まりで、正午以降は翌日まで絶食するのが修行僧に課せられた戒律でした。

 非常に参考になります.

 医療の発達していない時代において,健康で長寿を保つ秘訣だったのでしょう.

 それを実際に示す釈尊は,神格化されてしかるべき存在だったのかもしれませんね.
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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