サイアミディン

長期的な目標を達成するために

先日,ケリー・マクゴニガル氏のプレゼンテーションに心を奪われて,

彼女に興味を持った私は,別の著書も読んでみる事にしました.



するとまたまた大変勉強になる事柄が書かれていました.

しかもそれは今の自分にとってとても必要なことでした.

本日はその学んだ事を皆さんとシェアしたいと思います.
まず私は,もともと体重134kgの高度肥満者でしたが,

糖質制限を始めて約10カ月で102kgまでさしたる苦もなくすんなりとやせる事ができました.

しかしながら,それ以降は同じようなやり方で糖質制限を続けているにも関わらず,

体重は横ばい~わずかに増加していくような経過をたどります.

しかも私の場合,1日1~2回の食事(仕事の都合上で1日1食の時も結構多い)にしているにも関わらず,です.

その原因として腸内細菌組成などの体質的な問題や,早食い・大食いといった長年の糖質過剰摂取で形成された食習慣などの要因が重なって起こっているのではないかと自己分析していますが,

そんな状況を打破するために,私は今ある努力をしています.

今までのようにストレスフリーで糖質制限していた時とは違って,

この努力を続けるにはある程度の意志力が必要です.

しかしながら,その意志力が私は弱く,なかなか努力を継続する事が難しいのです.



そんな時,冒頭に紹介したケリー氏の本を読んでいると,

意志力を発揮できる「最高の自分」を引き出すためには,そのために適した生理学的状態というのをまず知っておく事が大事だ,と書かれていました.

ケリー氏によれば,意志力を発揮するために重要な脳の領域として「前頭前皮質」という場所があり,

前頭前皮質の左側には困難な事をやろうとする「やる力」を,

前頭前皮質の右側には誘惑に抵抗できるようにする「やらない力」を,

前頭前皮質の中央内側には気が散ったり,誘惑に出会ったりしても,自分が本当に望んでいる事を忘れない,「望む力」を,

というようにそれぞれの部位がそれぞれ意志力を発揮するために重要な力を司っています.

そして意志力を発揮するためには,その前頭前皮質の活動を停止させるような刺激をできるだけ排除する事も大事だというのです.

その刺激というのは一言で言えば「闘争・逃走反応」,言い換えれば交感神経が活性化している状態です.

先日紹介した「ストレス反応は身体が活性化していると思えばいい」というのも,

長期目標を達成したいという視点でとらえれば,意志力のための前頭前皮質の活動を邪魔するストレス反応は,やはり一刻も早く元に戻したい状態だと思います.

でもそういう時も人との触れ合いを大切にすれば,オキシトシンを介して早くストレスを受けた状態から復帰できるというのが前回の話でした.

人生におけるどうしても避けられないストレスに対しては,このように自分のとらえ方を変えて,人との触れ合いを大事にする事でまずダメージを最小限にするように心がけます.

ところが,闘争・逃走反応というのは,

甘いものを食べた時,あるいはおいしそうなお菓子を見かけただけでも闘争・逃走反応は起こります.

従って,テレビを見ていておいしそうな料理が目に飛び込んできたりすると,それだけで前頭前皮質の活動が停止し,意志力が発揮しにくくなります.

これは個人的に実感としてもよくわかるところであります.そう考えると漫然とテレビをつけているという行為も考えものです.

このように「闘争・逃走反応」をいかに起こさせないようにするか,起こったとしてもすぐに立ち直らせるようにするかが,

長期の目標を達成するために最も重要な秘訣だという事です.

逆に,「闘争・逃走反応」の反対である「休止・計画反応」の状態であれば,

心拍数が下がり,呼吸が遅くなるという,いわゆる副交感神経優位の状態となり,

すなわち,前頭前皮質が働きやすい状態となることができます.

それを利用して,誘惑に負けそうになった時に,深く深呼吸することで「休止・計画反応」の状態にするというテクニックもあるようです.



そして最後にも重要な事が書かれていました.

「なりたい自分を想像し,その自分に向かって一歩一歩近づくイメージを持つこと,

たとえその過程で誘惑に苦しんだり,自分では抑えられない感情に悩まされたりしても,

それは人間らしい当たり前の事であり,そのように悩んでるのは自分だけではないという事を知ること,

そして自分を許し,思いやりの心を持って自分の行いを見つめ,

大変なチャレンジであっても,みんなとつながっている,ひとりではないんだと実感できれば,

新たなチャレンジに取り組む勇気が湧いてくることでしょう」



非常に心に響く言葉です.

今の私に大変な勇気と希望を頂きました.

口だけにならないよう,また皆さんによい結果が報告できるように,

ケリー氏の言葉を胸に,引き続き努力を続けていきたいと思います.


たがしゅう
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すてきですね(^O^)

素敵ですね、さっそく購入して、私も読んでみます(^O^)
毎日、少しずつでも、一歩前に進みたいです!

Re: すてきですね(^O^)

あやこ さん

 コメント頂き有難うございます.

 シンプル&コンパクト,なおかつ充実した読みやすい本でした.おすすめです.

はじめまして
素晴らしい本の紹介ありがとうございます。
私も先生と同じ悩みで悩みでいました。
去年の今頃150kgあった体重を103kgまで糖質制限で落としましたが、ここ、3、4ヶ月ずっと停滞していて落ち込んでました。
本買って読んでみます。

Re: タイトルなし

くにたん さん

 コメント頂き有難うございます.

> 素晴らしい本の紹介ありがとうございます。

 読みやすくてためになる本でした.私もここから大分ヒントをもらいました.是非御一読下さい.
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院に勤務しています(下段にリンクあり)。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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