サイアミディン

ケトン食の秘めたる可能性

Paoli A, et al. Beyond weight loss: a review of the therapeutic uses of very-low-carbohydrate (ketogenic) diets. Eur J Clin Nutr. 2013 Aug;67(8):789-96. doi: 10.1038/ejcn.2013.116. Epub 2013 Jun 26.

『超低炭水化物食やケトン食は1920年代よりてんかんの治療に用いられ、症例によっては薬物療法の必要性を完全になくすことができた。1960年代より先は肥満治療のよく知られた手法として広く知られることとなった。ここ数十年そこらでの最近の研究では、糖尿病や多嚢胞性卵巣症候群、ざ瘡(にきび)、神経疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病、脳外傷、筋萎縮性側索硬化症など)、がんや呼吸器・循環器系疾患のリスク改善などさまざまな病理学的状態においてケトン食の治療的潜在能力に関するエビデンス(証拠)が提供されてきた。食事摂取を修正することは、しばしば生涯にわたる副作用がみられる治療となる薬物療法の減量や中止に有用となりえる可能性があり、詳細な研究が求められている。今回のレビューでは、このエビデンスの観点から生理的ケトーシスの意義について見直し、様々な疾患へのケトン食の治療的作用に対する考えられるメカニズムについて考察する。また今回のレビューではケトン食に対していくつかの先入観がまだあるかどうかについて疑問を投げかけることで、内科医の手による治療手段としてケトン食を用いることに対する障壁をなくすことができるかもしれない。』


糖質制限の延長線上にある治療法である「ケトン食」に関する最新レビュー(まとめ)論文の概要だけを訳出してみました。誤訳があればすみません。

中身もざっと流し読みしましたが、ケトン食の臨床的有用性はかなりのスピードでエビデンスが蓄積されつつあるようです。

神経内科医としてはケトン食については非常に興味を持っているところであります。

特にてんかん、肥満症、2型糖尿病、心血管リスクに関しての改善効果にはすでに強固なエビデンスがあるようです。

そして私の専門領域でもある神経疾患や、にきび、がん、多嚢胞性卵巣症候群についてはエビデンスが続出してきている状況のようです。


ケトン体は一般的にはケトアシドーシスという怖い状態を引き起こす怖い物質のように扱われていますが、それはあくまでインスリンの絶対的欠乏がある状態での話です。これだけの多岐に渡る改善効果をもたらすケトン体が悪い奴であるはずがありません。

ケトン食、ますます興味深いですね。


たがしゅう
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ケトン食 私も関心があります

 がんや、認知症にも効果があるとのこと。
たがしゅうさんの研究、興味深く読ませていただきます。アマローネさんのブログにも関心があります。
 http://valpolicella.blog.fc2.com/

Re: ケトン食 私も関心があります

わんわんさん

 ケトン食,奥深いですよね.

 糖質制限による臨床効果は,グルコーススパイクを抑えるという負の因子を減らすことだけでなく,ケトン体を増やすという正の因子も合わさって,劇的な改善をもたらすのだと思っています.

 ただし,そんなケトン食も万能ではありません.例えば,難治性てんかんが完全に治癒する症例も半数程度に留まり,残りの半数はケトン食をやっても発作は治まらないようです.また下痢などの消化器症状や,低Ca血症,尿管結石などの副作用も起こりえますので,何事も盲信は禁物です.

 私もアマローネさんのブログはちょくちょく拝見させて頂いておりますが,最近話題になっている「ケトン体の爆上げ」,非常に興味深いですね.私も自分なりの方法で実践してみようと思っています.

遅ればせながら ブログ開設おめでとうございます

たがしゅう先生 ブログ解説おめでとうございます
素晴らしい情報発信期待しています!

Re: 遅ればせながら ブログ開設おめでとうございます

TrueLifeさん

 コメント有難うございます.

 未熟者の私ですが,どうか温かく見守って頂ければ幸甚です.

 何卒宜しくお願い致します.

 

ストーカー対策?

たがしゅう先生こんばんわ。
いつも勉強させていただいてありがとうございます。Yahooで
ストーカー記事を見かけました。
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3446_all.html
犯罪者、問題を起こす人、糖質との関係が多いのでしょうね。たがしゅう先生のブログで色々と教えていただき、また生田先生の本を読ませていだだくようになってから、心は脳の写し鏡だとわかり、いかに脳に必要大切な栄養を口にする事が大切かということを痛感しております。
糖質を摂取しすぎる事での影響を国はもっと伝えていくべきなのでしょうね。

Re: ストーカー対策?

shin1さん

いつもコメントを頂き有難うございます。

> 犯罪者、問題を起こす人、糖質との関係が多いのでしょうね。

鋭い視点です。

私も糖質は精神状態を修飾し、いわゆる問題行動や犯罪に大きな影響を与えていると思います。

大事な事なので、この事については後日記事にさせて頂きます。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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