サイアミディン

相手を変えるより自分が変わるべき

私自身おそらく若手~中堅の範疇に入る医師ですが,

時には後輩の医師や学生の指導をしたりする機会があります.

人に教えることは基本的には好きな性分なので,

そういう機会は良いチャンスだと思うと同時に,自分自身の知識を整理する時間でもありました.

ただ今までをふと振り返ってみた時に,

正直,後輩にはあまり恵まれない人生だったように感じています.

約束の時間に遅れても悪びれない後輩,敬語で話すものの所どころに皮肉を入れてくる後輩,揚げ足を取って人を傷つけている事を一切意に介さない後輩….

いろいろなタイプの人がいました.
一所懸命指導している事が裏目に出るといいますか,

そういう人を指導している時は腹が立ちもしましたし,一時は非常に落ち込んだりもしました.

かつて,私をうつで絶望の淵に陥れることになった医師との人間関係というのは,実は先輩医師とだけでなく,そんな後輩医師とのやり取りもおおいに含まれていたのです.


今改めて考えてみますと,

後輩を指導して腹が立ったり,悲しい想いをしたりするのは,

「相手を自分の思い通りにしようとしすぎている」事に起因しているのかもしれません.

世の中には何を言っても変わらない人っているものです.というより,二十歳も過ぎれば自己が確立されているので,みんな多かれ少なかれそういうものなのかもしれません.

そんなものであるにも関わらず,無意識のうちに「相手を思い通りに変えたい」と願う気持ちが,

うまくいかない状況に対して,苛立ちや不快感といった負の感情を抱く事につながってしまうのかもしれません.



先日も一人,ある学生を指導していたところ,

この学生に私はとある入院患者さんの症例プレゼンテーションをやってみないか,と提案したところ,

やれって言われたらそりゃやりますよ.嫌だって言ってもどうせやらなきゃいけないんですよね.」

と言うのです.

これって,極めて意志力の欠如した発言ですよね.

同じ事をするにしても,「自分でやってみよう」と思うか,「やらされているから仕方なくやる」というのでは,

身体にかかるストレス反応も大きく変わってくると思います.

以前の私なら,この学生の発言に対して腹が立ちもしましたし,「なんだこの学生は・・・」と嫌な気持ちになったりもしていましたが,

今の自分なら,このセリフは軽く聞き流し,「せっかくの意志力を高めてステップアップするチャンスを逃してしまってこの子はもったいないなぁ・・・でもしようがないな.」と割り切って対応する事ができます.



精神科医で作家の斉藤茂太先生の言葉にこういうものがあります.

相手に対する要求水準を最初から低めに設定しておくことは,

人間関係をスムーズにするいちばんの方策だ.

夫婦だけではない.子ども,子どもの友だち,趣味の仲間,近所づきあい…

50%満足できればいいと腹を決めてしまおう.ずっとラクになる.

勤め人の場合,人間関係で最も悩ましいのは上司と部下の関係であろう.

だが,上司も部下も,たがいに相手を選べない.

環境を自分で変えられないならば,心を変えるのが良策である.

もしかして,期待値の合格ラインを120%とかに設定したりしていないだろうか.

80%にすれば,たいていの人とまあまあ,うまくやっていけるはずだ


相手が変わらないのであれば,自分が変わればいい.

組織が変わらないのであれば,自分から変わっていけばいい

いろいろな事に応用ができる大事な考え方ですね.



たがしゅう
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本当にそうですね

本当にそうですね、私もまわりから、真面目すぎる 物事の白黒をつけないと気が済まない性格 などと言われてて、
自分でも、そういうところが、あるな、、、と 感じてはいますが、
どこかでもう少し、自分に対しても、他者に対しても、60点で合格 80点だったら優秀!
と思えれば
自分自身がもっと楽になるだろうなと思っています。

なかなか難しいですよね

Re: 物言い

エリス さん

 いつもコメント頂き有難うございます.有難いです.

No title

たがしゅう先生こんばんは。

自分と他人、考えていることや行動を分別するのって難しいですよね。近づきすぎても遠すぎてもいけない、しかも個人差もあるので常に折り合いをつけないといけませんから。
そういう私は昔から唯我独尊という不名誉な言葉をたくさんいただいておりますが(笑)
天災や事故を除けば、他人がどうなろうがそれは基本的にその人自身の責任なんですよ。それは自分にも言えることだなと思います。

糖質制限も同じだと思います。糖質制限をしている、というと必ず倒れるから止めろと言われます。
ですが、先日献血しに行ったら4年ぶりに献血の基準を満たしていました。
今まで友人に連れられて年に何回か足を運んではいたのですが献血できず、いつも椅子に座って待ちぼうけでした。
4年間比重が不足していたのが僅か1か月の糖質制限で治るとは、私自身も思いませんでした。
ただ一つ血糖値を上げようと言われドーナツを食べなければいけなかったのは不覚でしたが。

やれば結果は出ます。あとはそれを貫いていけば自ずと周りの評価もついてきますよ。
周りに惑わされるだけ時間の無駄かなと思います。

Re: 本当にそうですね

あやこ さん

 コメント頂き有難うございます.

> どこかでもう少し、自分に対しても、他者に対しても、60点で合格 80点だったら優秀!
> と思えれば自分自身がもっと楽になるだろうなと思っています。


 同感です.

 良い意味で適当にこなすできる柔軟さがあれば,人生を軽やかに生きていけるんだろうなと思います.

 偉そうに言ってますが,私自身はそれが苦手な人間です.

 2013年11月26日(火)の本ブログ記事
 「真面目な人間の弱点と強み」
 http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-100.html
 も御参照下さい.

Re: No title

タバスコ さん

 コメント頂き有難うございます.

> やれば結果は出ます。あとはそれを貫いていけば自ずと周りの評価もついてきますよ。
> 周りに惑わされるだけ時間の無駄かなと思います。


 御助言,感謝申し上げます.

 横柄な学生も,皮肉めいた事を言う後輩も,大分冷静に付き合えるようになってきたような気がします.

 おっしゃるように惑わされたら自分が損するだけなので,できるだけフラットな気持ちでいたいと思います.

同じようなことを考えていたりして…

たがしゅう先生こんばんは

私も長年苦しんでいたうつ病が、糖質制限食ですっかり良くなってしまった経験をしているので、たがしゅう先生の気持ちが少しは分かる気がします。

読書家のたがしゅう先生ならご存知かもしれませんが、今回のブログの内容に通じることが書かれている良書がありますので、紹介させてください。

【決定版カーネギー】道は開ける:あらゆる悩みから自由になる方法 デール・カーネギー (著), 東条 健一 (翻訳)

世界的ベストセラーの古い本を、新訳して最近出版されたものです。
私は、もう5回以上読み返して、糖質制限食でポジティブになった思考が、より前向きになりました。
この本の中で大好きな言葉が次のものです。

『思考が変われば行動が変わる。行動が変われば人生が変わる。』

Re: 同じようなことを考えていたりして…

ぶりお さん
 
 情報を頂き有難うございます.

> 『思考が変われば行動が変わる。行動が変われば人生が変わる。』


 共感できる言葉ですね.

 確かに食事に対する思考を変える事で,私の人生は大きく変わってきている事を実感しています.
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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