サイアミディン

社会の価値観と健康の自覚

標準的な体型が最も健康だと仮定した時に,

健康状態から離れていくのに太っていく方向と,やせていく方向の2種類があると思います.

どちらも標準から少し離れるくらいであれば許容範囲内ですが,

離れれば離れるほど健康を害していきます.

どちらがいいとか言う話ではないのですが,

両者には見た目以外にも大きな差があるような気がします.
それは社会の価値観によってもたらされる違いです.


平安時代には太った人が美しかったという価値観が存在していたそうですが,

現代社会では,やせた人の方が美しいとする価値観があると思います.

映画やテレビの影響,連綿と続くダイエットブームなどによって,

私達の中に「やせている方がかっこいいし,きれいだ」という価値観が刷り込まれていると思います.

本来は標準的な体型が最も見栄えがよくなるようにできていると考えるのが妥当ではないでしょうか.


ところがこうした価値観の社会の中で生きていると,

太っていると何かと困った事が多いです.

その一番の理由は自己嫌悪に陥るということです.

周りの人の多くはやせているのに,自分は太っているという状況は,

仕事に,恋愛,レジャーなど何をしようとするにしても,自信が持てない,引け目を感じるという精神状態を生み出します.

ところが,逆に言えば太っているという事は,

明らかに自覚しやすい不健康状態だとも言えます.

そうです.身体は見た目を醜くする事によって,「これ以上この道を進んではいけない」という事を警告しているのだと思います.

やせている事が美徳の社会では,その自覚の感度がより高くなります.


ところがやせている人の場合はどうでしょうか.

やせている事が悪い事だと気が付かないどころか,

人によっては,かなり標準から外れたやせ状態にあったとしても満足している人さえいます.

先日も「私はごはんたくさん食べますけど,全然太らないんですよ」とおっしゃる60代女性がおられました.

確かにその女性はやせ型でしたが,それだけに注目していると本質を見落としてしまいます.

やせ型の人は,インスリン分泌能の低下もありますが,根本的に消化吸収障害の問題が隠れていると思います.

消化吸収障害があるので,確かに糖質の害を軽減する事ができますが,

その代り他の栄養も効率的に取り込むことができません.

その結果,現代医療で検出しにくい原因不明の症状をきたしてしまう事態につながってしまいます.

つまりやせている人は,まさか自分の食事と健康が関係しているとは考えない,

食事の害を自覚しにくい状況にあるのではないでしょうか.


どちらにしても本質は同じです.

食というものを根本的に見直すこと.

それが健康を維持する最大の秘訣だと思います.


たがしゅう
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体型と心の問題

体型によって将来どのような病にかかりやすくなるのかという危険性を推定することはできるでしょうが、
一方で体型による心理面の健康はあまり語られてこなかったと思います。

先生の記事の、何をするにも引け目を感じるという表現、すごくわかります。
自分から肥満になりたいなんて思ってる人はいないだろうし、肥満の人だってできれば痩せたいという気持ちは持っていると思います。
そういう気持ちはあれど痩せない、痩せられない、周りの人よりも醜い、なんてことをいつも考えていると、どんどん暗くなってしまいます。。

私も糖質制限前はずっとそういう気持ちで、何か俯き気味で、自信が持てない自己嫌悪の状態でしたが、
糖質制限をして痩せて以来、そんなことはさっぱりなくなり気負いすることもなくなりました。
・・・こんな書き方をすると宗教みたいに思われますが(笑)、こうして痩せることは心の健康の増進に多いに意味があることだと思います。
決して肥満の人だけでなく、更に良い体型を目指したいという人にとっても、痩せる目標を達成することは心に大きな影響をもたらすと思います。

ただ最近はやたらに痩せたがる人も多いですから、痩せる=見た目がよくなる というわけではないという事も知られるべきですね。
その点、糖質制限で痩せすぎるとはあまり聞きませんから、安心できますね

Re: 体型と心の問題

mina さん

コメント頂き有難うございます。

本来なら標準体重になる事が良いことだと感じそうなものですが、

社会の情報の影響でその基準がやせに寄りすぎの感があります。

そうした情報に左右されることなく、本質を見失わないようにしたいものです。

ちなみに体格と心理面との関係は、心理学の分野で割と古くから研究されているようです。

2013年12月25日(水)の本ブログ記事
「体格と性格の関係」
http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-131.html
も御参照下さい。

No title

たがしゅう先生

うちの父親の親兄弟は代々痩せの家系ですが、皆長生き出来ず亡くなっています。
脳卒中に肺気腫、父は胸部大動脈瘤でした。
そんな訳で自分は母方に似たのかと思っていました。
親戚一同の中では唯一の肥満体で、優しく接してくれるものの自己嫌悪は相当なもので。。。

親父の世代よりも小さい頃から栄養のある食事を摂れているし、脳・血管系は大丈夫だろうと、根拠の薄い自意識だけでした。
長年の肥満で相当なツケを負っていることは分かっているつもりなのですが、期待の糖質制限でさえも2桁切ったところで停滞する始末、糖質制限で標準体重になれないことにまた自己嫌悪を重ねている毎日です。
やはり成長期からの肥満で脂肪細胞数が人の何倍もあるからなのでしょうか。

またとりとめのない文章となってしまいましたが、何はともあれ糖質制限を信じ、心の中ではたがしゅう先生と共に標準体重への道を歩んでいきたいと勝手ながらに思っている所存です。m(__)m

Re: No title

福助 さん

共感頂き有難うございます。

> 何はともあれ糖質制限を信じ、心の中ではたがしゅう先生と共に標準体重への道を歩んでいきたいと勝手ながらに思っている所存です。m(__)m

有難うございます。

糖質制限での体重停滞期の打破のコツは、当たり前のようですが「少食」にあると思っています。是非とも一緒に取り組みましょう。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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