サイアミディン

「医師の指示の下に」への苦悩

医師法の第17条に、

「医師でなければ、医業をなしてはならない」という一文があります。

法律上は看護師の仕事は医業ではなく、あくまで「医師の診療補助」という位置付けです。

ですから投薬や点滴などの医療行為を看護師が行う場合、

それは常に「医師の指示の下に」という大前提があるという事です。

このシステムは施す医療の方向性を定めるために合理的な側面はありますが、

ある意味危険をはらんだシステムであると私は思います。
なぜならば、もしも医師の指示が間違っていた場合も、それに従うしかなくなってしまうからです。

時々看護師さんと話していて、

「医者って大変ですね。何でも自分で考えて責任も取らないといけないから」などと言う人がいますが、

私に言わせれば、人の言われた事に従うしかない状況の方がよほど大変だと思います。

自分の頭で考えない人にとっては、言われた事だけをやる状況はストレスフリーで楽なのかもしれませんが、

これまで糖質制限を通じて見てきたように、医師は結構間違っています。しかもそれは決して稀な事ではありません。

無根拠だったカロリー理論を信奉し、明らかに細胞障害性を持つ消毒や軟膏を傷に使うような医師がむしろ大多数です。

こうした医師の指示に何も考えずにただ従うという事は、

たとえ自分に責任がなくとも、間違った医療に加担し手を貸してしまっている、という事を忘れてはいけません。

このような事実に、もしも看護師の立場で気が付いてしまった時、真面目な人ほどこの状況に悩むと思います。

この「医師の指示の下に」というシステムこそがが、看護師にストレスをかけ続ける根源であり、

もしかしたら、それが故に看護師に腰痛が多いのかもしれません。


では、こうした時に看護師はどうすればいいのでしょうか。

このシステムが法律で守られている以上、このシステム自体を変えるのは容易な事ではありません。

だとすれば、発想を変えて今あるシステムのままで対応できる方法を考えるべきだと思います。

一つは、医師の意識を変える事です。

医師を教育する、と言い換えることもできるかもしれませんが、

医業をなすのが医師だけならば、その医師に正しい医業をしてもらえるよう促す事だと思います。

そのためには医師と看護師が対等に議論し合う事、そうした人間関係を作る事が不可欠です。

しかし、医師へのパターナリズムも根深いものがありますので、

対等にといってもなかなか難しいという意見も聞こえてきそうです。

もう一つは、ストレスにうまく対処する術を覚える、という事だと思います。

川の流れに逆らわないようにする、という風に言い換えることもできるかもしれません。

つまり変わらない旧体制には黙って従い、

そうではない所で自分の本当にすべき事を成し遂げるという事です。

今の私のスタンスもこちらに近いものがあります。

一見、行き止まりのように見える道でも、

よく見れば抜け道が抜け道がある、という事もあるかもしれません。

ちなみに、先日漢方の勉強会に参加した時に、

芍薬甘草湯という漢方が看護師の腰痛に有効という話を耳にしました。

おそらく甘草の主成分であるグリチルリチンが、ストレスに対処するストレスホルモンに当たるコルチゾールを増加させる事が関係していると思います。

そういう意味ではストレスホルモンを上手に使うという事も、

悩める環境を乗り越えるためのコツとなりそうです。


たがしゅう
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医師のパターナリズム

『医師へのパターナリズムも根深いものがありますので、対等にといってもなかなか難しいという意見も聞こえてきそうです。』
その通りで、医師(栄養士も)のパターナリズムは改善しないことが多く、困っています。そういう場合はどうしたらよいか?とある医師に相談したところ、医師は恐らく変わらないので、あなたが病院を変わるしかないでしょう(笑)と言われたことがあります。そうかもしれない!と心中思いました。
芍薬甘草蕩が腰痛に有効とは知りませんでした。大変勉強になりました。ありがとうございます。

Re: 医師のパターナリズム

もうあかん さん

コメント頂き有難うございます。

確かに変わらない医師の方が多数派でしょうね。

でも中にはコメディカルの意見を真摯に聞き入れる医師もいるはずです。そういう素質のある医師をいかに仲間に引き入れるかという事が大事だと思います。

> 芍薬甘草蕩が腰痛に有効とは知りませんでした。

特にストレスが関与する腰痛には効果が期待できると思います。連用するのは副作用の観点からよくありませんが、通常の治療が効かない腰痛に対しては一考の価値ありです。

眼科でも

眼鏡すすめられますが、あまり近視治療はしませんね。

Re: 眼科でも

斉藤豊一 さん

 コメント頂き有難うございます。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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