サイアミディン

制限すべき優先順位

江部先生の新刊を読み直しておりますと、

ふと新たに気がついた事がありました。



炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません: 生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント
単行本 – 2014/8/1
江部 康二 (著)


ポイント1「がん細胞は高血糖と高インスリンが好き」、の中で次のような文章があります。

(p22-23より引用)

がんは日本人の死因として第一位であり、

日本に限らず全ての先進国で増加しており、非常に恐れられています。

先進国ではがんの研究を長年にわたり続けており、少しずつ解明が進んできています。

正体に迫りつつあり、治療法や予防法について成果が報告されています。

例えば米国で一、二を争うがん専門病院、ニューヨークメモリアルスローンケタリングがんセンターのセンター長兼CEOのクレイグ・トンプソン博士は、

「脂質を多く食べてもがんのリスクは全く上昇しません。糖質を多く食べるとがんのリスクを著しく高めます。たんぱく質はその中間に位置します」

と講演で述べています。

(引用、ここまで)



糖質を摂取すると、がんのリスクとなる事が医学的に証明されている

「高血糖」「高インスリン血症」が引き起こされるので、がんのリスクを上昇させるという事なのですが、

私が今回注目するのは、「たんぱく質はその中間に位置します」という文章です。

基礎インスリンが保たれている状況では、たんぱく質を摂取しても血糖値は上昇しません。

ところが、たんぱく質の構成要素であるアミノ酸の中にはインスリン分泌を刺激する作用があるものがある事が知られています(ロイシン、アルギニン、アスパラギン、アラニンなど)。

そのままでは低血糖になるはずですが、そうならないようカウンターホルモンであるグルカゴンなどが同時分泌されるために低血糖にならず、血糖が維持されているわけです。

つまりたんぱく質摂取ではがんのリスク因子のうち、「高血糖」にはならないけど「高インスリン血症」は起こりうる、ということになり、

その意味で「たんぱく質はその中間に位置します」という事になるのではないかと思うのです。

ではじゃあたんぱく質も摂ったらダメなのか、と言われそうですが、それは早合点だと思います。

結局大事なのは程度の問題であり、

高血糖状態を元に戻すために要するインスリンの量と、

アミノ酸によって分泌刺激されたインスリンの量とでは前者の方が圧倒的に多いはずです。

そしてがんを制御するためのシステムは元々自分の身体に備わっています。

そのシステムがきちんと働いていれば、たんぱく質によって起こる高インスリン血症は大きな問題はないと私は思います。

大事な事は糖質制限だけで対応できない何らかのトラブルが起こった場合、

次に抑えるべきはタンパク質だと言う事を知っておくことだと思います。

「糖質制限」
「糖質制限+タンパク質制限」→ケトン食
「糖質制限+タンパク質制限+脂質制限」→→→絶食


この順番で病気の状態から健康な状態へ戻す能力が高まるのではないかと私は考えています。

しかし、最初から「糖質もタンパク質も両方ダメ」などと決めてかかると、

制限すべき対象が多くなるために自分の決めたルールでがんじがらめになってしまいかねません。

それでは人生が面白くないと思います。

いざという時にそういう選択肢もあるという事を知っておくことが、

精神衛生上もよいことではないかと思うのです。


たがしゅう
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たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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