サイアミディン

目に見えない異常も見据えて

糖質制限の適応に関して、

私はほとんど全ての人がやった方がよいとする考えです。

子どももお年寄りも、男性も女性も、やせた人も太った人も、健康な人も病気な人も、本来は皆行うべきだと思います。

それはちょうど、みんな禁煙した方がよいのと同じくらいそう思います。

一般的に適応外とされる腎障害も、肝硬変も、膵炎も、

多くの場合、元を正せば糖質の摂り過ぎが大きな要因になっている事が多いわけですから、

そうした病態には糖質制限+αの工夫をする事で対応すべきだと考えています。

今日はなぜ私がそのように考えるかについて書きたいと思います。
糖質制限をやっていてうまく行っているかどうかを推し量る客観的な指標として、

代表的なものは体重、HbA1c、ケトン体が挙げられると思います。

そして糖質制限をする事が勧められる対象者の多くは、糖尿病やメタボリック症候群の患者さんだと思います。

医師はとかく目に見える指標にとらわれがちです。

こうした患者さんへは体重、HbA1c、ケトン体をチェックしていく事で、

その患者さんの治療がうまく行っているかどうかを確認する事ができると思います。

でも例えば、標準体型のパーキンソン病の人はどうでしょうか。

もともと標準体重であれば、体重調整のために糖質制限をする意義はないでしょうし、

HbA1cも正常であれば、いよいよ糖質制限をする意味はないと思われるかもしれません。

しかし、私はHbA1cに反映されない糖質の害というものは、おそらくたくさんあると考えています。



たまたまある研究者がHbA1cという物質を見つけ出し、

しかもそれを血液で測定できるという手段を見つけたから、

糖尿病に対しては医者であれば誰しもが糖質制限による治療効果を客観的に追いかける事ができるわけですが、

パーキンソン病の場合はそうはいきません。

パーキンソン病は神経にレヴィ小体と呼ばれる異常蛋白がたまる事が発症の大きな要因と考えられていますが、

これは血液検査をしてそのたまり具合を推定するような物質はいまだ発見されていません。

でも、糖尿病とパーキンソン病、両者はHbA1cのような血液でわかる目安があるかないかの違いだけで、

いずれもが確実に糖質の害を受ける病気だと言えると思います。

なぜならば、糖質過剰によって酸化ストレス過剰を生じ、その事が癌や免疫異常、神経変性といった様々な疾患の温床を作るからです。

もしもこれを血液で測定できるHbA1cのような何らかの物質を見つける事ができれば、

パーキンソン病はたちまち糖尿病と同じような扱いを受けることができると思います。

要するに、ただ単に今の医学が病気の把握に追いついていないというだけの話です。

でもそんな物質が見つかろうが見つかるまいが、糖質制限はいつだって実行可能です。

そして糖質制限を実行してその症状が緩和したとすれば、

そのまだ見ぬ発見されていないHbA1cのような項目が改善したのと同じようなものではないでしょうか。


だから私はそんな目に見えるものだけにとらわれず、

少なくとも身体の不調を訴える方はすべからく、

糖質制限をやってみるべきではないかと考えるわけです。

そして健康な人がするかどうかは、その人個人の価値観の問題となりますが、

私は今健康ですが、先を見据えて糖質制限を続けたいと思います。


たがしゅう
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糖質制限の可能性

「一般的に適応外とされる腎障害も、肝硬変も、膵炎も・・・・
 そうした病態には糖質制限+αの工夫をする事で対応すべきだと考えています」

 私も、糖質制限の適応範囲は広いのではないかと思っています。

 私の父はパーキンソン病でなくなりましたが、グリコアルブミンや1.5AGのように、複数の指標になる検査方法が見つかると良いですね。

Re: 糖質制限の可能性

長谷川清久 さん

 コメント頂き有難うございます.

 確かに新しい検査方法が見つかるのは良い事ですが,気を付けて解釈しないとまたそれにとらわれ過ぎてしまうので注意が必要です.

 私は体調が最良のパラメータだと考えています.

お久しぶりです

一般的には膵臓に何らかのある人は糖質制限は向いていないと言うことですが…
今、身内が膵のう胞でopeを勧められています。体力保持の為に糖質制限をおこなって欲しいけれど、実験的に勧めて悪い方に進んだらと思うと…
たがしゅう先生はどう思われますか?
膵のう胞に対しての糖質制限。

Re: お久しぶりです

潜在ナース さん

> たがしゅう先生はどう思われますか?
> 膵のう胞に対しての糖質制限。


 糖質制限禁忌なのは,活動性膵炎だと思います.

 「手術を勧められている膵のう胞」という情報だけでは,膵炎を起こしているかどうか,あるいは起こしやすい状態かどうかは判断できかねます.

 ただ仮に良性の膵のう胞というのであれば,糖質制限をしても別に差支えないと私は思います.
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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