サイアミディン

従来の勉強の限界

先日,ある製薬会社が主催のてんかんの講演会がありました.

「てんかん診療の最近の話題」がテーマでしたが,

話題の中心は,てんかんが60歳以上の高齢者で急増してきている事,

認知症と間違われやすいてんかん発作があるということ,

そしてそれらをコントロールするための新規抗てんかん薬を中心とした薬剤の使い方のお話しでした.

私がこのブログでメインテーマにおいている「糖質制限」や「ケトン食」の話題は全く出てきませんでした.

しかしそれは無理もありません.製薬会社が主催している限りありえない事です.
なぜならば,てんかんのケトン食を紹介するという事は,てんかん治療に薬が要らない事をアピールするようなものだからです.

そんな常識を覆すような食事療法が紹介されてしまえば主催した製薬会社の面目丸つぶれです.

しかし実際にはここ十年の間,改良ケトン食とでも言える修正アトキンス食が目覚ましい治療成績を挙げてきています.

従って従来の枠組みで勉強している限り,

たとえ最先端の医師が講演していたとしても,最善の治療に辿りつけるとは限らない構造となってしまっているのだと思います.


ところで講演の中でこんなたとえ話がありました.

てんかんというのは炭にくすぶる火種のようなもので,

水という名の抗てんかん薬をかけ続けないと火が燃え盛ってしまう
」と言うのです.

すぐには火が消えないという意味で炭をたとえに持ち出しているところはわかりますし,

それゆえ,薬を継続的に使い続ける必要があるという話につなげようとする意図もわかります.

しかしこのたとえ話には大きなごまかしがあると思います.

それは副作用の観点が抜け落ちているという事です.

火種に水をいくらかけても,せいぜい辺りが水浸しになるくらいで火が燃え盛ることに比べたらたいした事はおこりませんが,

実際には抗てんかん薬を使い続ければ,多かれ少なかれ副作用が出現します.

薬が重要という結論に持っていきたいがために,事実が歪められたたとえ話になってしまっているのです.

こういう視点は糖質制限の視点がないとあまり気がつかない事かもしれません.

逆に言えば糖質制限を知っているだけでこうしたトリックにはすぐに気がつきます.

真の医療を追求するためには,従来だけの方法では限界があります.

糖質制限を基本に道なき道を着実に歩み進めていくしかないのではないかと思います.


たがしゅう
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セールストーク

こんばんは。
製薬会社が主催しているならば、その社の販促キャンペーンですよ。(一般人も参加できるものでしたか?)
マイナス5歳肌のファンデも、シルクの髪になるコンディショナーも期待して試しません。真に受けません。自分で決めます。
全部、セールストークなんですよ。
わかってます★マイナス5歳肌(に見えたらうれしい)ファンデなんです。目くじら立てたり憂えたりしません。
くだんの講演会でも「副作用なし、安心安全」とウソ言わないのだったら、大目に見てあげてください。紳士淑女協定だと思ってください★★
多くの人はわかっています。
多くの人がわかる時代になっています。

Re: セールストーク

エリス さん

 コメント頂き有難うございます.

> くだんの講演会でも「副作用なし、安心安全」とウソ言わないのだったら、大目に見てあげてください。紳士淑女協定だと思ってください★★
> 多くの人はわかっています。
> 多くの人がわかる時代になっています。


 糖質制限目線でみていると,ついつい製薬業界を問題視してしまいがちになりますが,

 そうですよね.ウソさえ言わなければ薬も一つの選択肢,自社の製品をより多くの人に広めようとする誠実な行動ですものね.

 エリスさんのその受容的な姿勢,嫌いじゃないです.

クスリなしでてんかんが治まるなら理想的

確かに高齢者のてんかんは急増しています。年間800人以上の認知症が訪れる医療機関で全例に脳波検査を実施して認知症症状の約10%がてんかんだったと言われています。そのほとんどが複雑部分発作、一部はその全般化です。
てんかん学会も抗てんかん剤の使用を推進しています。第一はCAZですが、高齢者には副作用がきつくて50mgしか飲めない人も多いようですが、
たった50mgでも発作が抑制できるようです。
最近LTGが単独使用が可能になりましたし、来年はLEVも単独使用可能になるようです。
とはいえ、やはり代謝機能の低下した高齢者には脳活動を抑制するクスリは使いたくないというのが人情ではありますし、まして抗認知症薬(CHE-I)のように年齢や代謝能力度外視の強制的な増量されてしまう事が考えられますので、抗てんかん剤を増やす事で薬害被害者が増える事が懸念されます。60歳と90歳の人間が同じ用量を飲むという現実がおかしいです。
小児の用量制限があるのに、高齢者の用量制限が全くないというのはおかしいし、管理すべきK省の怠慢です。
高齢者のてんかんや認知症を糖質制限食で抑制できるのであればそれに越した事はないですが、
万人を説得させられるだけの実施成績が必要だと思いますので、ぜひ実績を出してください。
高齢者の長年の食習慣を変えられるのかという問題がありますが、その辺はどうなのでしょうか?

Re: クスリなしでてんかんが治まるなら理想的

アンチスタチン主義 さん

 コメント頂き有難うございます.

> 60歳と90歳の人間が同じ用量を飲むという現実がおかしいです。
> 小児の用量制限があるのに、高齢者の用量制限が全くないというのはおかしい


 御指摘の通りですね.
 高齢者にも薬の副作用は頻発しているのに,年だからという事で患者も医師も見過ごしてしまっている場面は結構多いと思います.

> 高齢者の長年の食習慣を変えられるのかという問題がありますが、その辺はどうなのでしょうか?

 食習慣を変えられるかどうかに年は関係ありません.その人の価値観によると思います.
 確かに食習慣を変えられないという人が圧倒的マジョリティですが,私の患者さんの中にも熱心な指導で自身の食生活を見直して下さった高齢の患者さんは少なからずいらっしゃいます.

期待してます

開業では先生と考えを共有する栄養士を1~2名配備して、「クスリに頼らずに食習慣を改善して病気を治す」というスローガンを周知徹底すれば、糖尿病などの生活習慣病のみならずストレス性の気分障害や体調不良の人も多数来られるだろうと思います。みなクスリをたくさん飲むのは怖い、嫌だと思いつつ頼っているのが本音でしょう。
たぶんシステムとしてはカウンセリングのように時間予約制で実施したほうがいいでしょう。
期待しています。

Re: 期待してます

アンチスタチン主義 さん

 貴重な御意見を頂き有難うございます.

てんかんは古典的な食物アレルギー


もうひとつ気になるのがてんかんですので投稿させてください。

重症小児てんかんにケトン食が行われていますが、ここでアルバート・ロウの時代からてんかんが食物アレルギーが主な原因で起きており、除去食で治療も可能なことをお伝えします。

ピポクラテスは飢饉のときにてんかんが消えることを伝えております。また聖書にはてんかんには断食をさせよとの記述があります。これが歴史的な証左です。

すでに環境医学を学ばれた医師2人が軽度発達障害とてんかんを併発した子供2人を治療しています。当時その子供の母親にその医師を推薦し、それに応じて受診したときの記事が残っています。彼女の子供はその後治癒して政治さんの母校へ入学し野球部のマネージャーになっていました。

http://seijiy.hamazo.tv/e1434481.html

もう一人は岐阜高山のK医師と名古屋の子供です。

ピポクラテスの時代は典型的な食物アレルギーの症状といえますが、今の現代社会では様々な金属や化学物質が抗原として加わってしまい典型的な食物アレルギーとは断言できないようになってしまいましたが。

日本で最初にアメリカの食物アレルギー学派と協力しあった故松村龍雄教授の門下生に、前橋市で開業されている青山美子医師がおられます。先生の講演のときてんかんの症例を仰られていました。

「農家に嫁いだ新妻が新築の離れで生活を始めたところ生まれて初めててんかんの発作がはじまった。病院に通ったが発作は治まらず、姑からはこんな病気を持った嫁は出て行けとなじられた。あるときうわさを聞いて青山医師の病院を受診した。先生は食物アレルギーや化学物質過敏症を疑い問診されたところ、新築の離れは新建材の化学物質まみれで、おまけに箪笥は防虫剤まみれでした。先生の指示で安全なアパートに移ったところてんかんは消えてしまいました。その後姑も理解されて、子供も生まれたそうです」

青山先生は有機リン農薬やネオニコチノイド農薬の健康被害と真っ向から対峙されています。その一部が漫画のお美味しんぼ105巻で食の安全のテーマで連載されました。先生の調査では松枯れ対策で農薬の空中散布が行われている長野県上田市では発達障害の子供が全国平均の約2倍、11%にも増加した危機的な状況だそうです。

Re: てんかんは古典的な食物アレルギー

テラエコロジー さん

詳細な情報を頂き本当に有難うございます。

とても示唆に富む情報が詰まっていますね。じっくり読んで理解し是非とも今後の参考にさせて頂きたく存じます。簡単ですが差し当たり御礼までに。

患者側からの願い

たがしゅう先生

突然おじゃまして長々と投稿してしまいすいません。

分子整合栄養医学は今急速に広がりつつあります。私は少し古株で、インターネットで普及を始めたのは患者側の一般人としては僕が最初です。溝口医師が情熱的にオーソを広げてくれる前は大沢博教授と柏崎医師くらいしかいなかった状況もありました。

絶食療法の施設に行かれていますか。私も5日間の絶食を2回自分で試したことがあります。僕のその切っ掛けとなった河野泉医師の「マンデル博士のアレルギー治療法」絶版ですが是非読んでいただきたいです。

話題に取り上げたネッド少年ははじめ太っています。それがわずか3カ月後にドナフューショーの出演のときには映像のように痩せています。

マンデルの本を読んでショックを受けてアレルギーのことを検索してきた私にはたがしゅう先生のその体重、環境医学で言われているつね日ごろ食べている食物の隠れ型による「依存型のアレルギー」ではないかと予想しています。キィーワードはそれらを発見したハバード・リンケル医師です。

マンデルの絶食の章に書かれている絶食して具合が悪くなったら重曹などを取れと支持されています。これオーソの医師も知らない事実なんです。是非日本の希少な絶食施設にも採用してほしいです。尊敬するセロン・G・ランドルフ医師が発見されました。

オーソでは精神疾患の憎悪期にビタミンCの点滴をすると狂っていた患者が10分もしないうちに正常になることが知られています。環境医学ではアルカリの効果と言いまして人体のミネラル比率に合わせたアルカリ剤を点滴すると同じように狂った精神病患者が正常化することが知られています。アルカリ剤の場合は点滴でなく服用でも効く場合があります。

分子整合栄養医学とともに環境医学を先生が学ばれ実践されたら多くの苦しんでいるアレルギーの患者を救うことができます。その数少ない医師に

たがしゅう先生なってください!

Re: 患者側からの願い

テラエコロジー さん

 コメント頂き有難うございます。
 環境医学というのは浅学にして初めて知りました。

> マンデルの本を読んでショックを受けてアレルギーのことを検索してきた私にはたがしゅう先生のその体重、環境医学で言われているつね日ごろ食べている食物の隠れ型による「依存型のアレルギー」ではないかと予想しています。

 大変興味深いお話です。
 「マンデル博士のアレルギー治療法」、是非とも読んでみたいと思います。

> 分子整合栄養医学とともに環境医学を先生が学ばれ実践されたら多くの苦しんでいるアレルギーの患者を救うことができます。その数少ない医師に
> たがしゅう先生なってください!


 力強いコメント深謝申し上げます。精進させて頂きます。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院に勤務しています(下段にリンクあり)。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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