サイアミディン

女性とストレスと鉄

先日,「オーソモレキュラー」関連の勉強会に参加してきました.

オーソモレキュラー療法(orthomolecular medicine)というのは日本語で「分子整合栄養医学」と言われ,

全ての病気は栄養障害に起因するという考え方の下,

糖質制限を中心にミネラルをサプリメントや点滴で補う事で病気を治そうとする治療法です.

江部先生の提唱される糖質制限食とは,サプリメントを積極的に用いるか否かという点で両者は一線を画するわけですが,

糖質制限理論を基本に置いていて実際に成果も挙げており,オーソモレキュラーの実践医は年々増加し拡大傾向にあるそうです.

同じ糖質制限においても,様々な立場の医師の見解を聞いておくことは重要だと思います.
今回私が参加した講演会は一般人向けの講演会であったのですが,

4人の講師の先生がそれぞれの立場でオーソモレキュラーの重要性を説かれており,

皆さん全国的に活躍されている先生ばかりで経験もさぞや豊富なのでしょう.

総じて非常にわかりやすい講演でした.

また皆さんあまりスライドの方を向かずに,オーディエンスの方に訴えかけられるように話されるのもとても印象的でした.

私は糖質制限の予備知識があるので,自分の知らない話はどれくらいあるかなという,

ちょっとうがった楽しみ方もしていましたが,やはり糖質制限奥深しで,

私の知らない話も結構あったので参加してよかったと思いました.

中でも「女性は男性以上に大きなストレスを受けて生きている」という話は勉強になりました。

その理由は,女性には月経,妊娠,出産,授乳,更年期などと,女性特有のストレスイベントがあるからです.

考えてみれば女性は一人の生命を産み出すわけですから,それもさもありなんです。

女性に甘いもの好きが多いのもそのためだそうです。

甘いもの、即ち糖質摂取はストレスに対抗するためのストレスホルモンが分泌されたときと同じ現象、すなわち血糖値の上昇をもたらします。

ストレスホルモンが分泌された場合と違って、甘いものでそれを成し遂げた場合、

その後のインスリン過剰分泌によって機能性低血糖症をもたらし、

なおかつそれを回復させるためにコルチゾール、アドレナリンなどの血糖上昇ホルモンが強制駆動させられる事で、

副腎が疲労していくという、いわば甘いものを食べる事は「かりそめのストレス反応」だということです。

そして講演の中では、女性がストレスに対抗するために鉄のもたらす役割が非常に大きい、という話がありました。

また鉄は、蛋白質が分解され各種アミノ酸から神経伝達物質が合成されるのを助ける役割があり、

興奮性の神経伝達物質であるドーパミンや、調節系の神経伝達物質セロトニンをバランスよく作り出す事によって、

精神の安定化に寄与し、ストレスに対抗する力をもたらすからです。

鉄は一般的に動物性食品によく含まれていますが、

女性は男性の2倍くらい肉を食べないと鉄分が足りなくなるんだそうです。

なぜならば女性には毎月の月経で血液が失われ、血液には多くの鉄分が含まれているからです。

この鉄、今までまじまじと考えた事はありませんでしたが、これまた非常に深い物質です。

次回はこの鉄についてもう少し深く考えてみたいと思います。


たがしゅう
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ヘム鉄

初めてコメントさせていただきます。
いつもブログを拝見させていただいていますが、たがしゅうさんは一般人の私にもわかりやすい言葉、文章で書かれているので助かります。


「オーソモレキュラー」関連の勉強会に参加されたとのことですが、たぶん私も同じ勉強会に参加していたと思います。

糖質制限には大敵の麺類で有名なところではなかったでしょうか?

私も講師の方がお話しされた、女性は「鉄」がとても必要であることについては、目からうろこでした。

今妊娠中の娘がいるので、勧めてみようと思います。

お立場上、どこのサプリメントがお勧め!とは言いにくいかと思いますが、何かありましたら情報を載せていただければありがたいです。

これからも、ブログ楽しみにしております。

Re: ヘム鉄

しんみー さん

 コメント頂き有り難うございます。

> 糖質制限には大敵の麺類で有名なところではなかったでしょうか?

 そうです、そうです。それに参加しておりました。
 わかりやすく勉強になる良い講演会でしたね。聴衆の多さにも驚きました。

 私はまだオーソモレキュラー初学者なので、
 どのサプリメントがよいかなどの判断はまだできかねます。
 また現時点で私は、どちらかと言えば「サプリメントは必ずしも必要ない」という立場です。
 
 ただなかなか興味深い分野だとは思います。引き続き学んでみて、面白い事があればまた御報告させていただきたいと思います。

クスリに頼らないうつ治療

たしかに牛肉やマグロをたくさん食べている女性というのは少ないと思われるので、現代の仕事で社会でもまれている多くの女性たちがストレスで神経症やうつ状態になるのは必然だと言えます。
SSRIなどのクスリをもらうためにメンクリ通いする前にやるべき事(食事の改善)があるということですね。
「薬に頼らない個々にあったうつ治療-パーソナライズドメディシン・9つのステップ-」ジェームズ・グリーンブラッド著にも栄養状態の評価と食事療法の重要性が説かれています。

No title

たがしゅうさん

去勢したペットは一般的に長生きすると言われますね。かつての宦官たちも長生きの人が多かったそうです。

自分もサプリメント摂取は必要ないと思います。理由は単純で錠剤や点滴なんぞご先祖様たちは利用してないという一点です。それよりは動物性食品をもっと利用する、食肉の部分だけでなく骨も内臓もなるべく食べる、そこまでやってから考えるべきじゃないかと思います。昆虫などの小動物、魚のヒレやエビの頭や尻尾だって古代人は食べてたはずです、柔らかくて甘くて軽い食感じゃないものは食品じゃないと言う風潮が問題ですね。

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Re: クスリに頼らないうつ治療

アンチスタチン主義 さん

 コメント頂き有難うございます.

 薬に頼る前に食事を変えるべき,まさにその通りだと思います.

> 「薬に頼らない個々にあったうつ治療-パーソナライズドメディシン・9つのステップ-」ジェームズ・グリーンブラッド著にも栄養状態の評価と食事療法の重要性が説かれています。


 情報を頂き有難うございます.

Re: No title

SLEEP さん

 コメント頂き有難うございます.

 確かに「不自然に代謝を操作する」という意味で,サプリメントは薬の延長戦上にあるものだと思っています.
 
 ただサプリメントが有用な場面もあるにはあるので,私としては全否定とまではいかない感じです.

確かに!

初めまして。とさちと申します。

そうなんですね⁈
確かに女性って甘いのよく取ります!身体の構造上もあったんですね!すごく勉強になります!
女性の負担は大きいんですね。。
お時間ある時にでも私もブログやってるので見にきてください。

Re: 確かに!

とさち さん

 コメント頂き有難うございます.

 ブログ,拝見させて頂きますね.

鉄は酵素の要



過去の記事ですがお伝えしたいことがありお邪魔させてください。

分子整合栄養医学医師の中でまだ知られていない重要な研究があります。山形大学理学部西田雄三教授の地域特異的に発生していた疾患に関する研究です。

マンガン脳症・牛海綿状脳症(BSE)と統合失調症
http://www.kanto.co.jp/times/pdf/CT_208_03.pdf

重要なのは必須アミノ酸のフェニルアラニンやトリプトファンからセロトニンやドーパミンなどを生合成するための数々の酵素には鉄が触媒として重要な働きをしますが、酵素分子の鉄が入るべきその位置にマンガンやアルミ元素が置き換わってしまって生合成が進まなくなることです。

私の公開映像の若年性アルツハイマーは
http://yahoo.jp/box/QaGX52

コロンビアの首都北部のある村に地域特異的に発生している若年性アルツハイマーと強い家族性に関するレポートです。これは西田氏の研究が実際に出現しているものと考えられます。まず地域特異性は井戸水のマンガンかアルミ濃度によるものと推察されます。家族性はメタロチオネインの活性度合いが遺伝しているからだと考えられます。人工透析でもその洗浄に水道水が使用されていたころアルツハイマーが多発したこともありました。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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