サイアミディン

薬が何をしているかを知る

普通一般の人は薬に対してどういうイメージを持っているのでしょう。

何かを補ってくれたり、何となく調子を整えてくれたり、漠然としたイメージを持っておられる方も多いのではないでしょうか。

しかし多くの薬が行っている事は、何かの代謝をブロックするという仕組みのものが多いです。

この仕組みを知っておかないと一般的なイメージと実際に起こっていることの間に大きなギャップが生まれる場合があります。

例えば、血糖値を24時間持続的に下げる作用を持つSU剤ですが、

一般的にはインスリンを出させる薬との認識が多いかもしれません。

しかし仕組みを踏まえたより正しいニュアンスはそれとは少し違います。
というのはSU剤がやっている事というのは、

インスリンを分泌する場所である膵臓のランゲルハンス島β細胞のSU受容体のSUR1サブユニットに

薬が結合しATP依存性Kチャネルを抑制することによってインスリン分泌を促進させる、ということです。

つまり、インスリンを補っているわけではなく、少ないインスリンを絞り出しているわけです。

薬のメカニズムを知っておく事は大事なことです。

なぜならSU剤には二次無効と呼ばれる現象が起こる事が知られています。

これは最初は効いていたSU剤が、時間とともに効果が薄くなっていくという現象のことです。

SU剤をただ単にインスリンを出させる薬と認識していると、なぜ途中で効かなくなってしまうのかという事になりますが、

メカニズムを把握していれば、それは当然の事だと理解する事ができますし、

そもそもそのような薬を飲まないという選択を取る事もできるわけです。

そういう事を知っている事は単なる知識にとどまらず、その後の行動を変えうるきっかけにもなりえます。


あるいは抗うつ薬のSSRiに関しても、

一般的には元気を出させる薬とか、気分を落ち着かせる薬とか、

そういう理解が多いのではないかと思いますが、

この薬の薬の本質も代謝のブロックです。

SSRIはセロトニンを放出するシナプスのセロトニントランスポーターに選択的に作用し、

セロトニン再取り込みを阻害することで、セロトニンの濃度を高める薬です。

その実はSU剤と同様であって、決してセロトニンを増やしているわけではなく、

「少なくなったセロトニンを絞り出している薬」だと思います。

現在のうつ病治療において第一選択的に用いられる薬のひとつがこのSSRIなのですが、

この本質を考えたときに、この薬は決してうつ病を治しているわけではなく、

疲弊した身体にさらにムチを打つような行為だという事がわかるのではないかと思います。

これではうつ病は治るわけがありません。

うつ病治療の第一選択は決して薬物治療ではなく、

セロトニンを補充するための糖質制限であるべきだと私は思います。



この情報が容易に手に入る時代において、

薬の事を知らずして、医師の言われるがまま薬を飲むという行為が

いかに危険な行為かという事を伺い知る事ができるのではないでしょうか。


たがしゅう
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SU剤の恐ろしさ

スルホニルウレア剤というのは本当に恐ろしいクスリです。
今ではメインでは使われなくなりましたが、20年前に病院勤務時代に、最も強力で長時間作用のSU剤であるグリベンクラミドを内服していた糖尿病の方が遷延性低血糖で救急搬送されてきて、いくら必死に糖液を注射しても全く血糖が上がってこなくて結局意識が戻らず準植物状態のままであったという経験があり、20年経った今でも忘れることのできない深刻な薬害イベントでした。
医者は薬剤による低血糖の恐ろしさをもっともっと伝達していくべきですが、残念ながらそれを正しく伝えている医者はどれだけいるのでしょうか?
インスリンよりも経口血糖降下剤を3~4種内服しているほうが遷延性低血糖のリスクが高いです。
特にSU剤が含まれているとそのリスクが高まるのは間違いないですね。
SU剤は使っているうちに効果がなくなり、さらに増量されるという構図はエチゾラムなどのベンゾジアゼピンが増量されて離脱できないのとよく似てますね。

Re: SU剤の恐ろしさ

アンチスタチン主義 さん

 コメント頂き有難うございます。

 御指摘のように、遷延性低血糖は怖いです。私もそんな患者さんを何度か見た事があります。

 SU剤は知れば知るほど有害無益です。なぜまだこのような薬がまかり通っているのか、理解に苦しみます。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院に勤務しています(下段にリンクあり)。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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