皮膚だけ見ていたら絶対に治せない
アトピー性皮膚炎にしても、色素性痒疹にしても、
糖質やケトンを通じ、食事と密接に関係しているという事を学んできました。
という事は皮膚の病気を見たときに、皮膚に対する塗り薬をいくら優れたものに変えようと、
あるいは免疫を抑えるために抗ヒスタミン薬やステロイド、免疫抑制剤を使おうと、
皮膚だけを見ている限り、根本的に治すのは構造上無理だという事になります。
それは皮膚の炎症の表面的に抑えているだけであって、
炎症の原因に対しては全くアプローチできていない、という事になります。
即ち皮膚科医は、「皮膚の得意な総合診療医」にならなければ名医たりえないと私は思います。
この事は皮膚だけでなく他領域に関しても言える事です。
糖尿病患者の血糖値を下げるだけで血糖値が上がる原因にアプローチしない糖尿病専門医、
パーキンソン病患者のドーパミンを補うだけで、神経変性の起きる原因にアプローチしない神経内科医、
うつ病患者のセロトニンを高めるだけで、セロトニンが枯渇する原因にアプローチしない精神科医、
これらの本質は皆同じところにあるのではないかと思います。
本当に患者を治したいと願うならば、
食の問題は避けて通れない問題です。
故に皮膚だけを見てものをいう皮膚科医を私は信用できません。
一方、漢方に精通した皮膚科医は、それより一歩原因に踏み込んだ治療をされていると感じます。
そこからさらに踏み込んで食の問題を真剣に考えることができたなら、
その人はきっと立派な皮膚科医です。
私自身も皮膚の勉強を続けていこうと思いますが、
一人の医師がカバーできる事にも限りがあると思います。
そういう視点を持った皮膚科医が増えてくれれば心強いですね。
たがしゅう