サイアミディン

「素人だからわからない」は言い訳

糖質制限を知らない患者さんに、

外来の短い時間で効率的に伝えるための試行錯誤を続けています。

患者さんの反応を見ながら、あれやこれやと表現を変えながら説明するのですが、

こういう作業を繰り返していると、だんだん慣れてくるからでしょうか、

最近は最初のリアクションを見ただけで、その人が糖質制限を受け入れられそうか否かをおおよそ見極められるようになってきました。

その結果、ダメそうな患者さんに対しては早々に説明を切り上げて、不要な時間を短縮するように心がけています。
そんな中、私が患者さんから聞いてガッカリする言葉は、

「素人だからわかりません」という言葉です。

これは考える事の放棄であり、ある種パターナリズムの後遺症とも言える現象だと思います。

「素人だからわからないので教えて下さい」ならわかるのですが、

他ならぬ自分の身体の事、わからないからといって全てを人任せにして良いものでしょうか。


先日こんな事がありました。

60代の男性に糖質制限を勧めていた時のこと、

なかなか食事療法を実践できない患者さんに対して、主調理者の奥さんにも来てもらい指導を行っていました。

すると「素人だからわからない。何かわかりやすく説明した資料のようなものはないか」と言われるので、

私が持っている江部先生の著書、「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」をお貸しすることにしました。



短い時間で全てをわかりやすく説明するのは限界があるので、

最低限読んでほしい部分や、見てほしいカラー写真をお示しして、あとは納得のいく所まで読むように託したのです。

ところが、一ヶ月後その患者さんが奥さんと一緒に再び来院された時には、

「読みましたけど『素人だからわからない』ですね」と言われ、

結局糖質制限は実践できなかったのです。

それで私にはわかりました。この奥さんが、

「わからない」のではなく、「わかろうとしていない」のだということが。

そもそも私は最初に噛み砕いて糖質制限の事を説明しています。

そして上記の本は元々一般の人にわかるように書かれている本です。

どれだけわかりやすく説明しようと、この方々にはそういう事ではないのだと痛感しました。


「自分は素人だから」という言葉、よく聞きます。

確かに私も他分野の事はわからないですし、専門家に頼りたくなる気持ちもわかります。

ただ嗜好的な事や、生活に直結しない事ならまだしも、他ならぬ自分の健康のことなのですから、

わからなくても、わかろうと試みる姿勢が大事なのではないでしょうか。


たがしゅう

関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

人は皆、最初は素人

はじめてコメントします。
「素人」が「知ろうと」言う気持ちがあるなら、わかるはず。
大抵の専門家より金絡みじゃない分、純粋な気持ちで調べられるはず。
学校教育は、国家の都合の良い「正しい」を埋め込む事で、従順で鵜呑みになりやすい人を作り、「何故?」とか「おかしい?」と考えないようにする為、権威という言葉に弱いんですよね。

Re: 人は皆、最初は素人

まさくん さん

コメント頂き有難うございます。

> 「素人」が「知ろうと」言う気持ちがあるなら、わかるはず。

お上手ですね。

「なぜ」にこだわらず、ただ従順に従う事を是とする教育の影響は確かにあるかもしれません。

しかし私自身もかつては学校の先生の言う事にただただ従順に従う、いわゆる真面目な学生でしたが、それでも今になって変わる事ができました。

「自分で考えること」を怠らなければ、人は変われると思います。

糖質は無気力にさせる

 いつもありがとうございます。
ご主人様が糖質制限したほうが良いということは、奥様も同じものを召し上がっていらっしゃるから制限をしたほうがいい状態だと思います。
その証拠に考えることをしない。無気力状態。糖質はやる気を奪う物質です。

*前回の記事ですが 私は小保方さんを応援しております。それこそ素人だからわからないので きっと私の知らない世界を小保方さんは知っておられると思います。近い未来に朗報があると信じております。
 自分が知っている世界がすべてではないと思っております。

No title

たがしゅう先生
糖質=栄養素。という事を信じて疑わない
ヒトには夢の健康法である糖質制限を受け入れられないのかもしれません。糖質は栄養素でなく嗜好品。これがシンプルで本当にわかりやすい説明だと思います。結局糖質依存のヒトは理由をつけて糖質を摂取したいだけではないのでしょうか。だから正しい事を知ろうとしなうように感じます。

「糖質」を「タバコ」に置き換えた上でそれでも糖質に固執するヒトの気持ちはわかります。タバコも健康を害する、癌のリスクが高まるという事を知っていてもやめないのですから。

①蕎麦屋に入れなくなった、②鮨屋で〆の握りがいただけなくなった、③パン屋に行く事がなくなった。④体重が増えた(私の場合)というマイナス面がありますが、
①早朝覚醒②全身倦怠感③慢性副鼻腔炎
③は症状が軽くなり、①②は全くなくなりました。
③は副作用の不安を持ちつつ内服薬での対症療法に限界を感じていただけに嬉しい事です。

他にも歯周疾患が改善されました。これは糖質制限してからサラサラ唾液が大量に分泌される事と関連していると考えています。

歯槽膿漏菌の好物は糖質

栗田さん、たがしゅう先生こんにちは。

釜池豊秋著
『糖質ゼロの食事術』

177ページに『歯槽膿漏菌が糖質を好む』
と、記述があり糖尿病改善した方が歯槽膿漏も治ったと書かれてます。

また、『食事とエネルギー代謝理論』等々について、解りやすく説明がありますので、ブログ読者の皆様方も宜しければ是非この本もご参考になさってみて下さい。

Re: 糖質は無気力にさせる

あーちゃん さん

 コメント頂き有難うございます。
 
 男性の患者さんは、指導しても結局妻が出した料理を食べているだけ、という人も多いですね。

 そのため奥さんにもアプローチしてみるわけですが結局ダメなので、教え方の問題ではないのだと感じています。

 小保方さんの研究に関しては私も素人同然ですので、正直言ってわからない事も多いです。しかし、わからないなりに私は自分で考えて、その上で小保方さんを私は応援したいと思っています。

Re: No title

栗田 さん
 
 コメント頂き有難うございます。

> 糖結局糖質依存のヒトは理由をつけて糖質を摂取したいだけではないのでしょうか。だから正しい事を知ろうとしなうように感じます。
> 「糖質」を「タバコ」に置き換えた上でそれでも糖質に固執するヒトの気持ちはわかります。


 私も糖質制限のメリットを説明しているにも関わらず、全く軌道修正できない糖質への異常なほどの執着に、タバコのそれと同じものを感じています。

Re: 歯槽膿漏菌の好物は糖質

一読者 さん

 情報を頂き有難うございます。

 確かに、糖質制限は歯周病にもいいですね。私もそれを実感しています。

No title

一読者さん
情報提供ありがとうございます
明日、早速本屋さんで探してみます。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
これまでの訪問者数
FC2アフィリエイト
メールフォーム
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR