サイアミディン

副作用のない薬はない

医療の内側にいる人間として思うことですが、

薬の副作用の問題は往々にして見過ごされていると思います。

例えば薬を飲んですぐにかゆみと発疹が出たという状況であれば、

これは誰がどう考えても薬の副作用という事はわかると思います。

しかし問題は薬を飲んでもすぐに出てこないじわじわと副作用が出てくる場合です。

この時、薬の副作用かどうかを判別するための客観的な方法ははっきり言ってないに等しい状況です。

つまり疑わない限り多くの場合副作用を見過ごされてしまうのです。
例えば、スタチンによる横紋筋融解症とか、消炎鎮痛薬による胃潰瘍とか、

ある程度医師の間で有名になっている副作用に関してはそれでも発見される可能性は多少あるかもしれません。

しかしスタチンでめまいとか、消炎鎮痛薬で倦怠感とか、頻度の低い副作用になってくると、

まず間違いなく薬のせいだとは思われないのが現状だと思います。

しかも悪い事に患者さんの方も、「長く飲んでいる薬だから安心」とか「信頼できる先生に出してもらっているから副作用であるはずがない」などと

思い込んでいたりしていたりするものだから、始末に負えません。

長く飲んでいようがいまいが主作用ある薬はすべて副作用もあります。

薬を飲んでいて主作用だけ得られるという都合のよい話などないのです。

あるとしたらそれは副作用に気づいていないか、気づかないくらい微小な副作用かという事でしょうが、程度の問題です。

要するに「副作用のない薬などない」と考えるべきなのです。

食事療法を軽視している限りこの現状を本質的に理解する事は決してできないと私は思います。

なぜなら、今の医療界は食事や運動を形式上には基本にはおいているけれど、

そうは言ってもその効果を軽んじていて、「薬を使うより他に治療をする術がない」という考えが浸透している社会だからです。

薬はあくまで緊急避難的に使用するものです。

食事・運動で健康を守るという事を今真剣に考え直す時代に入ってきていると思います。



私には糖質制限を通じてこの問題をよく見渡す事ができます。

しかし問題が深すぎて、はたしてどこから手をつけていったらいいかわからないというのも正直なところです。

今はただ目の前の患者さんにその事実を伝え続けること、

そしてこうやって情報を公開する事を地道に続けていくしかないと思っています。

たとえ嫌われようとも、はじかれようとも、

愚直にその事をただ続けていくのみです。


たがしゅう
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当然のことですね

たがしゅう先生
副作用の比較的少ない薬はあっても副作用のない薬は存在しないですね。当たり前のことではありますが。なのに日本では9割以上の患者が薬を出してくれと言い、多くは薬が目的で医療機関を受診する。
言い換えると、薬は毒性が強いかどうかで強毒性薬剤と弱毒性薬剤のレベル差が大きいのは事実です。毒物・劇物である事には変わりない。
漢方薬の短期使用は比較的副作用は少ないが、消炎鎮痛剤や抗生物質を使うと副作用が多い。物忘れで受診すると判で押したように必ず処方されるコリンエステラーゼ阻害薬は抗精神薬に匹敵するほど副作用が多いのだが、副作用が医者に認識されずに強制的に飲ませ続けられる傾向がある。なので「毒薬・劇薬を処方されたくなければ受診するな」と声を大にして言うべきなのですが、薬で多大な利益を享受していて製薬会社との利益関係が強い医者は口がさけてもそういう事は言いませんからね。薬が出せないと医者も薬局も製薬会社も利益が出ないので困るからです。過剰な医療費を減らしたいのであれば、多剤処方や不適切処方を厳格に徹底的に取り締まるしかないでしょうね。あと不適切処方・過剰処方は診療報酬を大幅カットするなど断行すればいいと思います。





自分で治していい気分

おつかれさまです。
小さい私事ですが、1月2・3日に正座姿勢でフィーバーしたせいで、その後左膝に痛みが発生しました。(おろか)
湿布でも貼ろうかと思ったけど、薬に類するものは慎重にと考えてやめて、膝を使うことに気をつけたり足マッサージして数日で治りました。
このとき湿布を貼っていたら、「湿布を貼って治ってよかった」と思ったのでしょう。
湿布に副作用もないのでしょうけれど、自分で治したんだと思い、気分よかったです。
もしかしたら足マッサージもいらなかったのかも知れません(笑)

Re: 当然のことですね

アンチスタチン主義 さん

 コメント頂き有難うございます。

> 過剰な医療費を減らしたいのであれば、多剤処方や不適切処方を厳格に徹底的に取り締まるしかないでしょうね。あと不適切処方・過剰処方は診療報酬を大幅カットするなど断行すればいいと思います。

 それはごもっともですが、誰がその改革を行うのかという問題があります。

 少なくとも私の今の立場ではそうした改革を行うのは困難ですから、私が現実的にできる事は目の前の患者さんと向き合い続ける事だと思っています。

Re: 自分で治していい気分

エリス さん

 コメント頂き有難うございます。

 「しない選択」、「見守る選択」というのはある意味勇気のいる事ですが、同時にとても大事なことだと私も思います。

シップの副作用

シップの副作用で体験しましたことを報告します。
腰痛でシップを貼っていて食欲がなくなり、胃に重苦しさを感じたので、
シップをやめたら良くなりました。

母が腰にシップを張っていて両まぶたが腫れあがり、ステロイド内服しました。
体が痛いからとシップを毎日体中に貼っていて胃癌になった人は
医師からシップを今までのせめて半量にするよう言われたそうです。
でも、シップをたくさん処方してくれる医師ほど「いい先生」と言われるそうです。



Re: シップの副作用

京子 さん

 コメント頂き有難うございます。

> 腰痛でシップを貼っていて食欲がなくなり、胃に重苦しさを感じたので、
> シップをやめたら良くなりました。
> 母が腰にシップを張っていて両まぶたが腫れあがり、ステロイド内服しました。


 湿布剤の何らかの薬効成分にアレルギーを示した可能性が高いですね。
 湿布といえど、薬は薬。やはり副作用が起こりうるということだと思います。

> でも、シップをたくさん処方してくれる医師ほど「いい先生」と言われるそうです。


 おっしゃる通りで、確かにこの事は実感します。

 しかし当然のことながらそれは本質的な部分で「良い医者」ではありません。医師側だけでなく、患者側の意識も変わっていかなければ良い医療は展開できないと思います。

No title

たがしゅうさん

副作用という概念、言葉そのものが問題かもしれませんね。なにかひどく軽い印象を与えてしまいかねません。髪の毛からつま先まで全身に作用を及ぼすものに副もへったくそもないでしょうけど。

第一三共がリベートの件でアメリカ司法省と46億円で和解になりましたね、アメリカ人の方がこの件に関しては正しいと思います。犯罪すれすれの行為であると製薬会社および医療従事者は肝に銘じて欲しいものです。

Re: No title

SLEEP さん

コメント頂き有難うございます。

「薬には必ず副作用がある」ということをわかった上で、節度を持って取り扱う事が求められていますね。

第一三共の米法人、リベートの疑い 医師らに講演料名目

この体質が直らなければ、必要性があまりない薬が販売され続けますね・・・

薬害はなくなりそうもありません。

SGLT2 は、なぜ販売を中止できないのでしょう・・・  10人もの死者が出ているのに・・・

http://www.asahi.com/articles/ASH1B1SLJH1BUHBI003.html   
               2015.1.10
米司法省は9日、第一三共の米法人が自社の製品を処方してもらおうと医師らに違法なリベートを支払っていた疑いがあり、解決のため3900万ドル(約46億円)を米政府などに支払う和解で合意したと発表した。

Re: 第一三共の米法人、リベートの疑い 医師らに講演料名目

長谷川清久 さん

コメント頂き有難うございます。

> SGLT2 は、なぜ販売を中止できないのでしょう・・

お気持ちはわからないでもないですが、死亡例に関しては不適切使用の側面が大きいです。

「薬は必要最小限に」の原則を守れば一定のメリットが得られる場合もあります。死亡例が出たら販売中止というのは、それはそれで極論ではないでしょうか。

一概に、新薬に否定的な訳ではありませんが・・・

>死亡例に関しては不適切使用の側面が大きいです。

 不適切使用については、糖尿病薬以外でも、しばしばあります。

 不勉強な医療関係者が、薬のメリット・デメリットを慎重に考えていないと言うことが問題ですね。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院に勤務しています(下段にリンクあり)。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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