サイアミディン

足してダメなら引いてみる

最近,有害なものを抜く事の重要性を強く感じています。

例えば、糖尿病の場合は有害なものは、血糖値を上昇させる「糖質」です。

これまでの糖尿病の食事療法は、この有害な糖質をそのままにして、運動や薬を上乗せして制御しようと試みられてきました。

普通に考えれば、その方法でも十分に血糖値をコントロールできれば、良い結果が出そうなものです。

しかし実際には久山町研究や2008年のACCORD試験が証明しているように、糖尿病の患者数は増えるわ、心血管疾患での死亡率が増えるわで、ろくなことになっておりません。

このように、マイナスの要因を放置したまま、状態を改善させる事は実際問題非常に難しいと思います。
そして、そのようなケースは糖尿病だけではありません。先日のうつ病の記事でもそうです。

一般的にはうつをよくしようと何かしら薬を「足して」いくわけですが、その結果良くなっていっているでしょうか?

大抵の場合、薬はそのまま薬への依存心を生み、さらに薬の副作用が出て,さらに薬を上乗せしていく悪循環を生んでいきます。

こうなると、もはや「薬」そのものがうつにとって有害なものになってしまっています。

うつにとって悪いものを「引く」という発想がないと、これもうまくいきません。

また、うつについて言えば「糖質」も有害なものだと私は考えています。多くの場合、ここも野放しです。

さらに、認知症について言ってもそうです。

認知症は現時点では根治不能でゆっくり進行していく疾患というのが大方の見解です(認知症コウノメソッドではそうは考えていませんが)。

そこに何か薬を足したり、画期的な栄養素を探したりする事に多くの人が情熱を傾けていますが、

認知症にとって悪いものを「引く」という発想で研究する人は不思議とあまりいません。

認知症にとって有害なものも「糖質」と「過剰な向精神薬」だと私は思います。

だから私は認知症に対しては、糖質制限と認知症コウノメソッドを基本線において診療を行いたいと思っています。

どちらも有害なものを「引く」という発想があるからです。



糖質制限で糖尿病のコントロールがどんどん良くなっていくのを見れば見るほど、

この「引き算の発想」がいかに重要かを思い知らされるのです。

昔の人は物事が行き詰まった時の心得として次のような言葉を残しました。

『押してダメなら引いてみる』

「引く」ことはパラダイムシフトの第一歩になると思います。


たがしゅう
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はやくに見つけたかった

たがしゅう先生
いつも、はは~、ほほ~と、頷きながら読んでいます。ありがとうございます。

4年前に亡くなった私の父も認知症でした。
周辺症状に困り果て、グループホームからもなんとかしてくれと言われ、精神科を3軒も回って薬漬け。

しかし、1年後に別のグループホームへ移った際、そこのリーダーが、「これらの精神薬、全部やめませんか?」と提案してくれました。
自分で処方していない薬をいじることに対する抵抗感、これは職業病でしょうか?
初めは躊躇しましたが、思い切ってやめてみました。
すると、自力歩行が少しずつしっかりするようになり、食せつもよくなり・・・
幻聴などはなくなりませんでしたが、見た目のドロドロ感は、改善していきました。

もっと早くに、コウノメソッドを知ったら
内科医でもない私が糖質制限食を自分でやるように、それを父に実践していたかもしれません。
家族がそういう自体に陥るときはもう、生活全てがパニックになっているので、調べ物をしようという余裕が全くありませんでした。

紺屋の白袴にならないよう、いつもアンテナを張っていないとだめですね。


Re: はやくに見つけたかった

たかはし先生

コメント頂き有難うございます。またお父様の件、お察し致します。

向精神薬の害を意識するという点においても認知症コウノメソッドは学ぶ価値ありですね。
私も少しずつではありますが、手応えを掴みつつあります。

実にいろいろな所にパラダイムは潜んでいるのだと、
糖質制限、湿潤療法を通じてそういう事を私は教わったような気がしています。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院に勤務しています(下段にリンクあり)。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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