サイアミディン

「炎症」がもたらすメッセージ

身体のどこかに支障をきたしたとき、

人体はそれを修復するためのシステムとして「炎症」という現象を起こします。

例えば、風邪を引いてのどが痛い時は咽頭に「炎症」が起こっていますし、

過度な運動で膝がいたくなったりした場合は、膝関節に「炎症」を起こしています。

最近では動脈硬化が起こるのも血管の微小な「炎症」だと言われていますし、

ストレスを主因にお腹の調子を崩す過敏性腸症候群は腸管の微小な「炎症」を起こしている事も分かってきました。

「炎症」を起こしているかどうかを知るのに、重要な兆候があります。
それは「発赤」「腫脹」「発熱」「疼痛」の4兆候で、「紅腫熱痛(こうしゅねっつう)」と略されたりもします。

要するに患部が赤くなって腫れて、熱がこもって痛ければ、そこは「炎症」を起こしているということですね。

これに機能障害を加えて、炎症の5兆候と呼ばれる場合もあります。

例えば、ウイルスなどの外因に対して「炎症」が起こっている場合は、それが身体の防御反応として起こっているという事をイメージしやすいと思います。

しかし、糖質の過剰摂取などにより酸化ストレスを生じて起こる内因に対する「炎症」は防御反応と解釈しにくいかもしれませんが、

本質的にはこれも一種の防御反応ではないかと私は思います。

先日、片頭痛のメカニズムを学んだ時にも、

結局最後には神経原性の「炎症」が起こっている事を紹介しましたが、

これによって痛みを生じる事の意味を少し考えてみます。

片頭痛発作というのは、いわば自分の身体で処理できる酸化ストレス量のキャパシティを超えた状態だと思います。

この時人体は、痛みという感覚を身体にもたらすことによって、身体を動かしにくくなります。

つまり痛くて動けなくなるのは、身体活動を停止してでも治すのに集中しろという身体からのサインではないか、と思うわけです。

もしかしたら片頭痛の時に吐き気がするのも、強制絶食にして「炎症」を修復させるためのケトン体を出すよう身体が誘導しているのかもしれません。

それが身体からのメッセージではないでしょうか。

そう思うと尿酸が高まり過ぎて起こる痛風発作、

あれも、局所で急激に起こる「炎症」だと思いますが、

これすら身体を一生懸命修復しようとしているのかもしれない、と別の側面が見えてくると思います。


たがしゅう
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もやもや病

たがしゅう先生、
本音で語られる内容に興味深く勉強させていただいています。
糖質制限を始めて2年ほどになります。

15年ほど前になりますが、私の娘は難病指定のもやもや病にかかり小学3年生の時に脳外科の手術をしました。
これも血管の炎症だといえるのでは? と思います。

おかげさまで、進行がとまり、術後記録的な回復とまで医者に言われ、今では頭痛もない生活をしています。
娘が良くなった背景には、幸運なことに痙攣を起こさない脳波だったため、薬をのまずにすんだことなどあると思います。
このころ、糖質制限には無知でしたが、食べ物は気をつけていました。
最近、この病気は糖質過多、もしくは添加物などの影響が強いのでは? と思います。 
先生はどうお考えでしょうか?

当時はものすごいショックと悲しみに打ちひしがれた経験あります。
もやもや病にかんして、最近の情報をもっていませんが、同じ病気でなやんでいる親御さんやお子さんの為に是非ご意見お聞きしたいです。

Re: もやもや病

KIKI さん

 御質問頂き有難うございます。

> 私の娘は難病指定のもやもや病にかかり小学3年生の時に脳外科の手術をしました。
> これも血管の炎症だといえるのでは? と思います。
> 最近、この病気は糖質過多、もしくは添加物などの影響が強いのでは? と思います。 
> 先生はどうお考えでしょうか?
> もやもや病にかんして、最近の情報をもっていませんが、同じ病気でなやんでいる親御さんやお子さんの為に是非ご意見お聞きしたいです。


 御指摘通り、もやもや病に対しても糖質過多の悪影響はあると思います。

 もやもや病は主に若年者において、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの動脈硬化の危険因子がないにも関わらず、脳動脈を中心に動脈硬化が進行するという病気です。

 どうやらこの病気には疾患感受性遺伝子(RNF213)というものがある事が最近わかり、遺伝的な素因が関係している事がわかってきました。

 遺伝的素因があろうとなかろうと、血管炎症のリスクとなる糖質摂取を避けておくに越した事はないと私は考えます。

有難うございました

たがしゅう先生

お返事ありがとうございました。遺伝の疑いもあるのですね。娘はアレルギーもあるので糖質制限をしっかり薦めたいと思います。同居だと教えやすいのですが別居なので。
もやもや病のお子さんには糖質制限を積極的に取り入れてほしいと思います。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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