サイアミディン

カーボローディングの是非

私見ですが,スポーツ医学は医学の中でも進歩が遅れている分野だと思います.

昔からの水分摂らない方がいいだとか,うさぎ跳びなんかが全く合理的でないということがわかったというのは有名なところですが,糖質制限に絡めてスポーツ医学の中で眉唾な理論が「カーボローディング」です.

Wikipediaによればカーボローディングとは「スポーツなどの場面で、運動エネルギーとなるグリコーゲンを通常より多く体に貯蔵するための運動量の調節及び栄養摂取法である」とあります.

要するに試合前などに炭水化物を大量に食べて即効性のあるエネルギー源を十分にためるという意図です.

でも糖質制限経験者ならわかるように,炭水化物を取りすぎた日の翌朝は寝起きが悪いですし,グリコーゲンのエネルギーなど運動ですぐに枯渇するので,実際の競技に有効であるとはとても思えません.

特に有酸素運動に関しては不要の理論ですね.無酸素運動ではどうかということに関してはまだ検討の余地があるかもしれません.

マラソンの高橋尚子さんはカーボローディング推進派だそうです.それで金メダルをとったというのなら,もしも糖質制限していたらどれほど早かったのでしょうかね.

一方,ウサイン・ボルト選手が糖質制限をしたら,記録が速くなるのか,遅くなるのか,これは私にもよくわかりません.カーボローディングの理論がもしも真ならば,たとえ糖質制限をしたとしても必ずしも速くならないかもしれません.

これは100m走とかやる機会の多い中高校生あたりにに実際に実験してもらいたいものですね.


たがしゅう
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おはようございます

tagashuu先生おはようございます。
先生のブログ楽しく拝見しました。医学的なことは、わかりませんが、私は、糖質制限60g/日以下の食事で毎日過ごしています。
1年前にくらべて、体力面ではかなり上がっています。1日中、友人たちや家族と歩いて(30,000歩以上)でも翌日一番元気です。特にイライラ・短気(性格)も35年ぶりに良くなったと家内に褒められました。
3代栄養素の糖質とは何でしょう?糖質以外は増えているのに・・・
素人ですが先生のご意見に納得します。
私がぼける前に何か良い方法見つけてください。
ブログわかりやすくて楽しみです。

Re: おはようございます

もとつむりさん

 コメント有難うございます。

 糖質制限で体力が全般的に向上するのは経験されている方は皆さんおっしゃいますね。私もそうです。それまでは出不精で極度のインドア派だったのが、糖質制限をはじめて程なく通勤を車から徒歩通勤に変えてみようと言う気持ちに自然となりました。歩くのが楽しくなるんですよね。

 それはやせて体が軽くなったからでしょと人は言いますが、自分の感覚としてはそうではありません。まだ大分肥満体型であった時から自然に体を動かしたい気持ちになっていたからです。おかげでジムへ通う習慣までつきました。

 3代栄養素とはよく言いますが、私的には「脂質」「タンパク質」の2代栄養素で、「糖質」はおまけ的な位置づけにあると思っています。ただのおまけであればまだよいのですが、とり過ぎれば害になる、中毒性がある、という点で非常に厄介な存在だと私は思います。しかもすでに世の中にかなり定着してしまっていますので。


 最後に、糖質制限をしていれば認知症は予防できるという仮説を私は神経内科医として立てています。

 もとつむりさんもよければ是非末永く糖質制限を継続され、認知症にならなくてすむということを実証してください。

No title

たがしゅう先生はじめまして

アメリカのアスリートだと最近は魚介類に注目する傾向があるみたいですね。まあ普通の日本人から見ても肉とジャガイモばっかり(小麦粉は米と考えると)食いすぎでしょうけど。
ヨーロッパの自転車選手じゃ減量のために生ハムの脂身を取るとか、栄養素的にも一番美味しい部分ですけどね。

認知症予防に糖質制限はありそうですね。同居してる祖母は冷蔵庫や鍋のふたを開けてしょっちゅう食べ物を漁ってます。というか認知症=糖質依存かもしれません。アルコール依存者がアルコールを飲むためならなんでもするというのが祖母の行動を見てはじめて理解できました。

Re: No title

SLEEPさん

コメント有難うございます。

スポーツの分野では欧米諸国の方が一枚上手ですね。
2010東京オリンピックが決まったばかりですが、それまでになんとか糖質制限を普及させて、とくにマラソンや自転車競技、トライアスロンなどでは日本からしっかり活躍してほしいものです。

そのためにもスポーツ医学の関係者の方々には、
糖質制限の有効性を理論ありきではなく実学で検証してもらいたいと思っています。

御指摘のように、認知症の一部が糖質依存によるという側面もあると思います。
認知症の発症予防、進行予防に私は糖質制限をお勧めします。
冷蔵庫の中身を糖質制限OK食材に一新するのも一手だと思います。

No title

初めまして、江部先生のブログのリンクから来ました。

気になる話題だったのでコメントします。

無酸素運動は置いておくとして
長距離競技のカーボローディングについてですが、
「グリコーゲンを通常より多く体に貯蔵する」でなく、
「手っ取り早く脂肪を蓄える」ために炭水化物を摂取する
と解釈するのはどうでしょうか?

カーボローディングをすればフルマラソンに必要なエネルギー(脂肪200g~300gくらい?)を脂肪として楽に蓄えられる・・・というのは流石に珍説ですかね。

自分はその方が納得できるのでそんな解釈をしています。

Re: No title

やそのさん

 コメント有難うございます。

 確かに炭水化物には脂肪を蓄える側面があるので一利あるとは思います。

 ただ、ケトン中心の代謝にしておけば、それをしなくても摂取した脂肪・タンパクの量によて脂肪の量を体が自動調節してくれます。炭水化物をとることでその時間糖代謝メインの時間に切り替わるので長距離走に有利なケトン代謝の邪魔になってしまうのではないかと懸念します。

 実際、糖質を制限して長距離走のパフォーマンスが上がったという実例報告はよく効くので、やはり私はカーボローディングには懐疑的です。

 ちなみに、無酸素運動にもケトン食がよさそうだという論文を偶然見つけました(Antonio Paoli, et al. Ketogenic diet does not affect strength performance in elite artistic gymnasts. J Int Soc Sports Nutr. 2012; 9: 34. )。また読んでみようかなと思います。

Number Do

たがしゅう先生はじめまして。
いつも楽しく勉強させていただいています。

カーボローディングについでですが、10月10日発売の
「Number Do」
http://number.bunshun.jp/subcategory/numberdo
に、大変面白い鼎談が載っています。
「カーボローディングは必要か」
冒頭は大会前のカーボローディングは当然という内容ですが、次第に鏑木毅氏が100マイルトレイルランのために体脂肪をメインに使う身体を作っているという話になっていますので、ぜひご一読をお勧めします。

わたしはスーパー糖質制限を始めて一年半になりますが、最近、早朝に2kmほどのジョギングを始めました。
何も食べずに走ると低血糖になる・・・などと書いてある記事も目にしましたが、まったく問題ないです。
糖質制限のおかげで体脂肪が減り、相対的に骨格筋率が上がったので、身体が軽い気がします。

まだ走り始めたばかりなので(jogです)、どのくらい走れるようになるかわかりませんが今後が楽しみです。

カーボローディングの効果?

たがしゅう先生こんばんは。

 カーボローディングに対する疑問を感じたきっかけは、昨年8月のロンドン五輪女子マラソンで、重友選手が「ガス欠状態」で惨敗し、その時監督が、
 『重友は太りやすいので、食事を減らしたら、貧血気味
になった。ペースが落ちたら前にいこうと言っていたが、
それだけの練習ができなかった』
と語っていたことです。

 一体、何を減らしたら貧血だけでなく、ガス欠になってしまったのか?

 カーボローディングで糖質を集中的に摂取しても、マラソンのスタミナは賄えなかったことを証明しているのではないでしょうか?

 何だか「ブドウ糖のみが脳のエネルギー源」信仰に近いものを感じます。

Re: Number Do

かんな さん

 情報を御提供頂き誠に有難うございます.昨日早速購入し拝読しました.

 実体験でカーボローディングの無益性とファットローディングの有益性を語る鏑木氏に対して,その話を聞いた栄養士の関根氏が驚いてその解釈に苦労している姿が印象的でした.従来の栄養学にどっぷりつかってしまっているとファットローディングなどにわかに信じられないのでしょうけれど,糖質制限をやってみた人ならすんなりと理解できると思います.

 面白そうなので記事にさせて頂きますね.

Re: カーボローディングの効果?

saty さん

 いつもコメントを頂き有難うございます.

>  カーボローディングに対する疑問を感じたきっかけは、昨年8月のロンドン五輪女子マラソンで、重友選手が「ガス欠状態」で惨敗
>  カーボローディングで糖質を集中的に摂取しても、マラソンのスタミナは賄えなかったことを証明しているのではないでしょうか?


 いやぁ,重友選手の件は実に残念でした.

 私はマラソン競技ではカーボローディングは有害無益と考えています.satyさんのおっしゃるように,従来の誤った栄養学がトップレベルのアスリートに実際に悪影響を及ぼしてしまっています.スポーツ医学も糖質制限の考えを取り入れた抜本的見直しが必要です.

 重友選手はまだ若い選手なので,是非とも正しい情報を手に入れて,次のオリンピックではリベンジしてもらいたいです.

 それにしても,重友選手はオリンピックの前はあんなに注目されていた選手だったのに,結果が出せないと蜘蛛の子を散らすように取り上げられなくなりました.マスコミの熱しやすく冷めやすい体質にもほとほと呆れ果てています.シビアな世界だと言われればそれまでかもしれませんが.

重友選手のこと

ホントニそのとおりです。重友は一体どうなったのか知りたくても記事がありません。むかつきます。

Re: 重友選手のこと

ogawa さん

 コメント頂き有難うございます.

 重友選手,先日大阪国際マラソンに出ていました.まだカーボローディングを勧められているのでしょうか.
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院に勤務しています(下段にリンクあり)。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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