サイアミディン

医学生にまく希望の種

医者になろうと学んでいる医学生達とお酒を飲みながらゆっくり話をする機会がありました。

私はこれから医師になろうとする人達には糖質制限と湿潤療法の事を是非とも知っておいてほしいと思っています。

しかしながら、それらを伝える事で彼らは従来医療の誤りを知り、それに従うか立ち向かうかどうかの選択を迫られる事につながります。

医学生は従来の医学教育を一から学んでいる道半ばの状況であり、

そんな話を聞く事ではたしてどちらを信じればいいのか、もしかしたら思い悩むかも人も出てくるかもしれません。

だから普段は糖質制限や湿潤療法の話を自分からする事はしないのですが、

そういう場ではついつい熱くなって話をしてしまいます。

でも私が話そうと話すまいと、時代は確実に変わりつつあります。インターネットがその変化を加速しています。

すなわち、知るのが早いか遅いかだけの問題だと思います。
ただし新しい治療原理を知って、その後どういう行動を取るかは人によって違います。

2:8の法則」で行けば、多くの医師は8割がそのまま従来医療を行い続け、2割の医師が実際に糖質制限を臨床に応用し始めます。

患者さんも8割の人は糖質制限を理解しきれず、一時的にはやってみたとしても、結局は長続きしないのですが、2割の人は理論をきちんと理解し実践し続けてくれます。この法則は私の臨床的な感覚とよく合致します。

それでは医学生が糖質制限を知った場合はどう思うでしょうか。

正直言って私は彼らが糖質制限を真に理解することは難しいと考えています。

医学生が医師や患者と決定的に違うのは、実体験が欠如しているという事です。

医師であれば実際に患者さんに糖質制限を指導すればすぐにその効果を実感する事ができますし、患者さんであれば勿論自分の実体験でもってその恩恵に預かる事ができます。

しかしながら健康な医学生はそのどちらも経験する事ができません。自分が医療行為を行う事はできないし、糖質制限の恩恵を受ける事ができる程不健康な人は少ないからです。

だから彼ら医学生が糖質制限の事を理解するのは至難の技だと思うわけです。


けれど私がそれ以前に彼らに伝えたい事は、医師になる以上は常に「謙虚であれ」という事です。

なぜならばどれだけ優秀な医師になろうとも、医師が患者としての実体験が欠如した存在である以上、

その患者さんの事をすべて理解して完璧な治療を施そうなど土台無理な話であるからです。

仮に医師が病気を経験していたとしても、その病気の事だけしか実体験していないわけですから、医師はどこまで行っても不完全な存在と言わざるを得ません。

最小限の侵襲で完璧な手術を施した外科医、病態を知り尽くし最善の薬を選択する内科医、研究を極め栄誉を手にした権威者達・・・

誰ひとりをとってすべての病気の体験している人はいません。そんな人間が病人のすべてを理解できるわけはありません。決しておごり高ぶってはいけないと私は思います。

そしてそれは糖質制限推進派医師もまた然りです。

糖質制限だけですべての病気が解決できるほど世の中は甘くはないのですから。

しかしこれは大いなる前進です。

糖質制限の観点で見ることで、今までに見えなかった観点が次々と見えるようになってきました。

そしてその新たな観点で医療を変えて行けるかどうかは、若い将来のある医療者に委ねられているのです。

彼ら医学生が真価を問われるのは、糖質制限を知った上で医師になり、医療現場に出た時です。

その時に大事な事は医師として謙虚な姿勢を持ち続ける事ができるかどうかだと思っています。

彼らがその姿勢を持った上で何を感じ、どう行動するのかに期待をかけたいです。

たとえ2割であってもいい、勇気ある決断をしてくれる医師が増える事を心より願います。


たがしゅう
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最初から負けてる

先生こんにちは
うちの子の病気は、医師が最初から諦めて障害者として扱います。
その子が、断食道場に行ってみたいと言いました。
近くの断食道場は、薬を飲んでいる人お断りなので、かなり遠いところを選びました。

今すぐには、遠すぎて一人で行かせるのを躊躇いますが、本人も出来れば薬のない生活を願うところがあるのです。

本当は、ケトン食とか出来れば良いのですが、薬の作用もあって食欲旺盛だし、麺類大好きで無理そうです。

糖質制限も有効ですが、他の代替療法も良いですね。

電磁波をブロックすることで、アトピーを治している医師もいます。

これからは、代替療法の時代だと思っています。

現実問題として

> 糖質制限だけですべての病気が解決できるほど世の中は甘くはない

本当にそうだと思います。
糖質制限を実践したとしても自分の思った効果が出なかった場合に続行できない方がいるのは仕方のないことかもしれません。

私も昼食後の眠気や冷え性などはなかなか治まらないです。
だからと言って糖質摂り放題の生活をしようとは思わないですし、自分で考えいかに行動していくかが大切だと思います。

Re: 最初から負けてる

Pinoco さん

コメント頂き有難うございます。

医療で断食(絶食療法)を扱う病院は全国的にも少ないと思います。
絶食療法は従来治療では成しえない未知の可能性を秘めているだけに、なんとも苦々しい状況です。

> これからは、代替療法の時代だと思っています。

私もそのように感じています。西洋医学は抜本的に見直すべきだと思います。

Re: 現実問題として

きくりん さん

コメント頂き有難うございます。

糖質理論は健康を考える上での大きな柱にはなりますが、学べば学ぶほどそれだけでは全てを説明できない現実があることを知ることになります。

その時に糖質制限がダメだと思うのか、それともさらに糖質制限理論を高めていくのか、受け止め方が大事だと思います。

自己の立脚する点を相対化する視点

医学の歴史(人体観、疾病論)や比較医学(中国医学、インド医学、ペルシア医学等々)については現代の医学部では教育を受ける機会はないのでしょうか。現場に出る前の医師の卵には学部時代にそのような知識があることだけでも知っていただきたいと考えます。仮に医学史が国家試験の問題に出題されても受験勉強の一環として処理されてしまう気はしますが。
少なくとも現代の医学がどのような思想(人体、病気、環境と人体の対応関係)で組み立てられていて、欠点と長所はこうなっている。という相対化の認識は最低限必要だと思うのです。
以前紹介させていただいた辟穀については、東洋医学の歴史を少し勉強すれば素人レベルでも知ることが出来る知識(wikipediaにも掲載されている)にもかかわらず、糖質制限の有効性が議論されている現状ははがゆいですね。
法律、医学、教育という国家が管理をして、公的な資格を試験によって与える分野はどうも現在の位置を最高として、異論は上から目線で扱う傾向が大きい気がします。

Re: 自己の立脚する点を相対化する視点

やまたつ さん

コメント頂き有難うございます。

> 医学の歴史(人体観、疾病論)や比較医学(中国医学、インド医学、ペルシア医学等々)については現代の医学部では教育を受ける機会はないのでしょうか。

医学史を学ぶ機会はごくわずかですね。
医師国家試験の問題の中にも一問出題されるかどうかのレベルです。
比較医学に至っては医学部教育のなかで学ぶ機会は皆無です。

とにかく現状は西洋医学に偏りすぎているのです。
それで万事OKなら良いですが、現状を俯瞰で見てうまくいっているとはとても思えません。

No title

たがしゅう先生

今回の記事もとても興味深い内容でした。医学生に限らず、若い世代では特に糖質制限を受け入れにくいように思います。好きに糖質を摂っていても健康でいられるからなのでしょうか。健康で居る事が当たり前のヒトにとって、糖質制限は他人ごとなのかもしれません

鍼灸師さんや、鍼灸師養成の専門学校に通う学生さんでは、若くて健康なヒトでも糖質制限に興味を持っているヒトが見られます。熱心に実践されている方もおられます。(専門学校内では、特に優秀な学生さんに多いように感じています。)

Re: No title

栗田三江(くんだみえ)さん

 コメント頂き有難うございます。

> 鍼灸師さんや、鍼灸師養成の専門学校に通う学生さんでは、若くて健康なヒトでも糖質制限に興味を持っているヒトが見られます。熱心に実践されている方もおられます。(専門学校内では、特に優秀な学生さんに多いように感じています。)

 なるほど。そうなのですね。
 確かに西洋医学を基本とする医学教育を受けている医学部の学生ほど糖質制限を理解しにくい環境にあるのかもしれません。
 なにしろ教わる事は糖質制限と真逆の理論に立脚する薬絶対、検査絶対主義の世界ですから。

 一人でも多くの人がこの問題を真剣に考えられるようになってほしいと思います。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院に勤務しています(下段にリンクあり)。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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