サイアミディン

独身でいるのも悪くない

糖質制限を行うと文字通り本当に人生が変わります。

ただ単にダイエットに成功したり、糖尿病がよくなったり、他の様々な疾患の症状がコントロールできたりという病気に関する事にとどまらず、

言ってしまえば現代生活を抜本的に見直す行為に当たるので、

こと人生の重大なイベントである結婚や結婚生活にも大きな影響をもたらします。

全国的に糖質制限実践者の方々と交流していても、糖質制限は糖尿病を始め何らかの持病があり、その改善を目的に実践される方が多いので、

中年期以降の方々が圧倒的大多数の印象です。そうすると多くの方にとってはすでに結婚している時期に糖質制限による人生激変のきっかけが訪れることになります。

以前、信頼する夫に続いて妻も糖質制限を始めるという素敵な関係の御夫婦の話を紹介しましたが、

様々な糖質制限関連情報を見聞きしていると、世の中そんなにうまく行くケースばかりではないようです。
中には糖質制限が原因で夫婦仲が悪くなり、離婚に至ったというケースも耳にした事があります。

夫婦と言えども元はと言えば赤の他人です。結婚生活というのは多かれ少なかれどちらか一方が他方の価値観に合わせなければならないという側面があると思います。

その合わせなければならない価値観が非糖質制限から糖質制限への移行ともなれば、なにしろパラダイムシフトですから、そこに合わせるというのはなかなかハードルが高い工程となりえます。

そして、子供がいるとなれば話はさらに複雑になります。パートナーに対してとはまた別次元の愛も生まれますから、自分の子は身を挺してでも守ってあげたいと思うのが多くの方にとっての親心だと思います。

だから自分の子が幸せになれるように、親は一生懸命こどもに生活スタイルを合わせる事になりますが、価値観を合わせる事に関してはまた難しい問題です。

ある程度大きくなった子ならまだしも、自我形成前の子にとっては本人の意思を尊重するといっても無理だと思いますし、

さりとて自分の価値観をそのまま押し付けていいものかどうかについては悩ましいと思います。悩んだ末に正解かどうかわからないけれど、とりあえずの方針で子育てに専念しているというのが多くの方々にとっての実情ではないでしょうか。

つまり「結婚生活とは、他者と生活スタイルや価値観のすり合わせを繰り返し続ける行為」であり、そこはうまくやらないと大きなストレス源になりうるという事です。


そんな事を考えるきっかけとなったのが、以下のニュースです。

(以下、引用)

世界最高齢、116歳の女性が教えてくれた長寿の秘訣「独身でいること。そして...」
The Huffington Post | 執筆者: Yagana Shah
投稿日: 2016年05月19日 15時07分 JST 更新: 2016年05月19日 15時08分 JST

5月19日現在、世界の最高齢の人物をご存じだろうか。イタリアのヴェルバーニアに住むエマ・モラーノさんだ。

116歳のモラーノさんは、1800年代生まれと記録されており、生きている人としては最高齢の人物だ。

モラーノさんの介護人が5月13日朝、テレグラフ紙に語ったところによると、モラーノさんは新たな称号を得たことを知って「喜んでいる」という。

「今朝この話が伝えられると、『これは驚いた、とても年を取ったのね』と言っていました」と、モラーノさんの親戚で72歳のロシ・サントーニさんは語った。

それまでの記録保持者で、116歳だったスザンナ・マシャット・ジョーンズさんは12日夜、アメリカ・ニューヨーク市で死去した。10日間体調を崩した後のことだった。

モラーノさんにとって大ニュースではあったが、いつものことだった。110歳を超える彼女は、いつも通り牛乳とビスケットの朝食をとり、ゆで卵とセモリナ(パスタ)を昼食に食べた

長寿の鍵として、モラーノさんには変わった秘訣がある。彼女は何十年に渡って、1日の2個の生卵を食べている。これは若かった頃に、貧血対策のために医師から勧められて始めた習慣だ。

それから、医師の指示ではないものの、モラーノさんにとって効果的だったと思われる秘訣もある。2015年、彼女はニューヨーク・タイムズに対し「長生きできたのは、38歳で不幸な結婚生活に別れを告げて以降、独身を貫いてきたおかげなの」と話した。

誰からも支配されたくありません」と彼女は説明した。

長寿のためのアドバイスでははないように思えたとしても、100歳超えの他の人たちも驚くべき習慣を紹介している。

マシャット・ジョーンズさんは、毎日ベーコン炒めを食べていると語っていた。またカリフォルニアのある男性は、100歳まで生きられたのは、過去30年間毎日ドーナツを食べ続けたからだと話していた。

どんな食べ物でも、効果はあるものです。

(引用、ここまで)



糖質制限的には百歳を超える百寿者(センテナリアン:centenarian)の食生活には興味が行くところですが、

彼ら彼女らはタンパク質はしっかり確保していたかもしれないけれど、必ずしも完璧な糖質制限を実践していたわけではないという事は真摯に受け止めるべき事実だと思います。

それは103歳の現役医師、日野原重明先生の食生活を見ても、同様の事が言えると思います。

しかし私がこのニュースでもう一つ注目したのは、116歳のモラーノさんが「長寿の秘訣は独身を貫いてきたこと」と表現した事です。

「いや、それはたまたまでしょ」などと思われる人が多いかもしれませんが、私はあながち間違っていないように思います。

なぜなら先述の通り結婚生活はうまくやらないと無自覚のストレスを受け続ける事になるからです。

例えば、朝起きる時間、食事の回数、炊事・洗濯・掃除のタイミング、門限の有無、寝る時間、日々の生活のあらゆる場面において結婚しているか否かで自由度が全く違います。

モラーノさんが言うように独身生活はある意味「誰からも支配されない生活」なのかもしれません。

注目すべきはそういう生活をしている人が、多少の糖質を摂っていても、116歳の長寿を現実に達成しているという事です。

同じ事は俗世を離れて出家した宗教家が糖質制限をしていなくても長寿を果たしているという事実からもうかがえます。

糖質制限の観点も大事ですが、それと同じくらいストレスマネジメントが大事である事を痛感する次第です。


結婚には良い事も確かにありますが、悪い事も結構あると思います。

できちゃった結婚やスピード婚という言葉も聞かれるようになって久しいですね。

結婚のメリットとデメリットを考える機会がもう少しあってもいいように思いますが、

実際はそんな事をさして考える間もなく自由恋愛の先に結婚があり、結婚をすれば人生の勝ち組という価値観が定着していると思います。

そのせいで独身者は肩身の狭い思いをする世の中ですが、気にすることはないと私は考えています。

独身でいるのも決して悪くありません。独身だからこそ浮かんでくる発想もあります。

例えば極少食などの実践は独身であれば自由にできますが、家庭があればなかなか難しい所もあるでしょう。

また人類皆兄弟だと思えば、自分の子孫を残す事だけがすべてではないとも思います。

勿論、本当に結婚をしたいと思った時にはおおいにすればいいと思いますが、

間違っても世の中のプレッシャーに押されて結婚する事だけは避けた方がいいと私は思います。


たがしゅう

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友達はいらない
独身も良い

先生の記事を読むと、今までの固定観念がぶっ壊れて、ものすごく、心が軽くなります♫(私は既婚者ですが)
こうしなければならない、といつの間にか思い込み、それが自分の中で当たり前になっちゃってるんでしょうね。

でも先生にとって「糖質は摂るべきではない」
は、揺るがない事実ですよね?

Re: 人生は一度きり?

伊藤 さん

 コメント頂き有難うございます。

 確かに価値観によっては長生きだけが幸せとは限らない、ですね。
 そして輪廻転生の考え方は長生きできない人の心も救う可能性があると思います。

Re: タイトルなし

ささ さん

 コメント頂き有難うございます。

> 先生にとって「糖質は摂るべきではない」
> は、揺るがない事実ですよね?


 そうですね。基本的にそのように考えています。

 ただ最近の考察では、「宿す腸内細菌のパターンによっては糖質をうまく使いこなせる人もいる」という考えにも至っていますので、必ずしも絶対悪というわけでもありません。常に自分の考えを疑い、歩みを止めない姿勢が重要と思います。

 2016年5月3日(火)の本ブログ記事
 「草食動物に適した腸内細菌」
 http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-687.html
 も御参照下さい。

No title

たがしゅうさん、こんばんは。

コメント欄も読みますが「ささ」「佐々木」など、近似的なハンドルネームもなぜか多いですね。僕は「ささき」でいきます。

たがしゅうさんは独身ですか?僕は三十代ですが独身です。

>結婚をすれば人生の勝ち組という価値観が定着している

そうですかね?そうは思えません。独身貴族という昭和用語もいまだ機能しているのでは。

いずれにしても、いつも情報発信、ありがとうございます。僕は本態性振戦患者の糖質制限者ですが、短期中期長期の経過をいつかここで報告させていただきたいです。。

Re: No title

ささき さん

コメント頂き有難うございます。

> >結婚をすれば人生の勝ち組という価値観が定着している
> そうですかね?そうは思えません。独身貴族という昭和用語もいまだ機能しているのでは。


確かにそういう言葉もありますね。独身をよしとする価値観の人もいるにはいるでしょう。
ただ割合で言えば最終的に結婚をする人の方が圧倒的多数にあると思います。

No title

たがしゅう先生
今回の記事も非常に興味深いです。私は既婚者ですが、家人は糖質制限をしていません。私が徹底して食卓から糖質を排除している姿を奇異な目で見ている時さえあります。(理解をしようとしていた時もあったのですが・・)

ですから、仮に独身ならば糖質制限を進めやすいだろうな・・と思う事もあります。がしかし遠慮なく自身だけが糖質制限を継続しています


結婚によって、目に見えない精神的ストレスを常に感じています。(これは糖質制限と無関係に受けているストレスですが・・・)

くんだみえ

Re: No title

栗田三江(くんだみえ)さん

 コメント頂き有難うございます。

 結婚している人にしかわからない、もっと言えばその夫婦にしかわからないストレスというものがあると思います。

 そのストレスが最小化できるようにお互いが歩み寄れるのがいいですね。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院に勤務しています(下段にリンクあり)。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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